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石田純一が「言論の自由」を剥奪された! 事務所が「今後一切の政治発言ができなくなりました」と発表
一部引用
つまり、石田の眼目は“暴挙ともいえる憲法改正を阻止するためには野党協力が不可欠”と広めることにあり、
都知事選の出馬についてはあくまで「野党統一候補」であるなら、という条件を提示したに過ぎなかった。
まず、これだけの発言で、CM差し替えや番組出演中止をさせられ、違約金を請求されるということ自体おかしいが、
さらに、今後、特定の候補者を応援したり政治について発言してはならない、それをやったら違約金を請求する、というのはめちゃくちゃだ。
明らかに憲法違反だろう。
実際、特定の政治勢力や政治家を応援するなど、石田以上に政治的発言をしているケースなんて山ほどある。
昨日放送の『バイキング』(フジテレビ)で石原良純が鳥越俊太郎への支持ともとれる発言を行ったことが話題となっているが、
良純はそれ以前から、父親の石原慎太郎の選挙応援には必ず参加しているし、ワイドショーでは安倍政権の応援役として政策を肯定する発言を繰り返してきた。
もっと言うなら、津川雅彦などは「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」の発起人を務め、『たかじんのそこまで言って委員会』
(現『そこまで言って委員会NP』読売テレビ)などで必死になって安倍首相のアピールに尽力。
昨年には安倍首相直轄の有識者会議「『日本の美』総合プロジェクト懇談会」の座長にまでおさまっている。
さらに、その『委員会』の司会者である辛坊治郎や、お笑い芸人のたむらけんじ、小藪千豊なども、橋下徹大阪市長を熱烈に支持し、
大阪都構想の住民投票の際には中立を装いつつも巧妙に維新の会を応援してきた。
しかし、彼らが番組出演の自粛を強要されたり、CMを降ろされたという話は聞いたことがない。
ふだんの政治発言だけではない。選挙時に芸能人が候補者の応援に駆けつけることも、めずらしいことではない。
それこそ、鈴木宗男の熱狂的な支持者である松山千春や、石原時代の都知事選では舘ひろしや神田正輝といった石原軍団が選挙戦をバックアップしてきたし、
公明党は久本雅美や岸本加世子、山本リンダといった学会員の芸能人が応援演説を行っている。
また、2005年の衆院選では、自民党支持を表明していたデヴィ夫人が「靖国神社は日本の文化です。
大切にしてください」「小泉首相ほどりりしい政治家はいない」(朝日新聞より)などと演説。
さらに14年の都知事選では次世代の党から出馬していた田母神俊雄の応援演説を行い、メルマガ登録者にメールで投票を呼びかけた
ことが公職選挙法違反だとして警視庁から警告まで受けている。
だが、こうした芸能人たちも、出演番組の放送休止やCM打ち切りを迫られてはいない。
では、なぜ石田純一だけがあの発言だけでテレビ番組やCMの出演を休止させられ、「今後一切、政治に関する発言はできなく」なってしまったのか。
その答えは簡単で、石田の姿勢が現政権に批判的なものだったからだ。そのため、テレビ局やCMスポンサーに圧力がかかり、
そして、これを受けたテレビ局や代理店が石田の所属事務所に“政治的発言をやめなければ契約を見直す”と通達したのである。
実際、石田の事務所側は〈CMなどのスポンサー契約やテレビのレギュラー番組がある限り、政治問題に携わることは難しい〉(スポーツ報知より)と説明している。
では、テレビ局やスポンサーへの圧力はどういうかたちで行われたのか。
先の記事でも書いたように、石田については、官邸や自民党議員もテレビ局の担当記者やコメンテーターを通じて、石田のことを扱わないよう働きかけていたことがわかっている。
しかし、それ以上にプレッシャーになったのは、スポンサーや放送局にとてつもない数の抗議電話が寄せられたことだったという。
つまり、政権批判を行った石田に対して、ネット右翼がお決まりの“電凸”攻撃を仕掛けた──その結果、スポンサーやテレビ局は怖気づいて、石田をおろしたのである。
“電凸”は、わたしたちが想像する以上に絶大な効果をもっている。本サイトで先日紹介したが、池上彰はメディアによる
安倍政権の忖度とともに、“電凸”がどのような力をもっているのかを、こう語っている。
つまり、芸能人の政治的発言が問題視されて石田は追い込まれたのではない。
石田が“反政権”の意見を口にしたからターゲットとされ、萎縮したスポンサーやテレビ局によって自由な発言を封じられなくてはならなくなってしまったのだ。
それこそ津川や辛坊治郎といった安倍応援タレントたちは、嫌韓反中の差別を助長するかのようなヘイトまがいの発言もテレビで平然とおこなっている。
それが許容される一方で、ただ政権に批判的な態度を見せただけでタレント活動に圧力をかける。──この国は民主主義とは名ばかりの、もはや中国や北朝鮮と同じ状態だ。
もちろん、圧力に屈してしまった石田に対して「だらしない」という意見もあるだろう。したり顔で「石田に覚悟がなかっただけのこと」などと冷笑する連中も少なくない。
しかし、本当にそうなのだろうか。繰り返すが、石田とは対照的に、安倍政権の応援団たちは何の覚悟もないまま政治発言や差別発言を行っても、
一切責任を追及されないどころか、これまで以上にメディアで重用され、甘い汁を吸い続けているのだ。
政権を批判する者だけが「覚悟を求められる」社会の異常性をわたしたちはもっと自覚すべきだろう。