みなさん、こんにちは。
タイトルは「胸に納めた50年の家族愛」
ここに1枚の絵画があります。
当院長が描いた油絵です。
この絵は、ある患者さんのご家族。
何年か前、院長が年配の男性と診察室で話をしていて、家族の話題になった時、
その方が胸のポケットにしまっていた手帳から、何かを取り出されました。
それは、亡くなった奥さんと子どもさんが映った、セピア色の写真でした。
いつも大事に持ち歩いていらっしゃるからでしょう、
写真は破れたり亀裂が入ったりしていて、決して綺麗な状態ではありません。
「先生、これが女房ですよ…」と、なんとも深みのある、あるいはため息のような声で話されました。
亡くなられて、十年以上も経つというのに、「いつまでも忘れられない、いつも一緒に居たいんですよ」と男性。
その話を聞いた院長は感激し、
「よかったら、この写真を元に、私に絵を描かせてもらえませんか」と、写真をコピーさせていただいたのです。
この男性の奥様への思いを、自分が上手く描けたら、差し上げようと思っていたのだそうです。
しばらくして出来上がった絵は、本当に写真のまま、セピア色のまま、亀裂の入ったままの絵でした。
院長も、いつもより満身の力を込めて描いたのでしょう、
いきさつを知っているスタッフも、もちろん私も、絵を見て感動しました。
そして、この絵をプレゼントしようと額縁に入れ、男性が来られるのをずっと待っていました。
ところが…。
その後診察にいらっしゃらなくて、結局連絡がつかないままなのです。
現在、この絵はクリニック横の倉庫に眠っています。
今でも、このブログを書きながらこの絵を見ると、男性の深い愛情を思い出し目頭が熱くなります。
こんな風に思ってもらえる奥様は、きっとお幸せだったに違いないと。
同じ女性として、なんともうらやましいお話です。
実は、院長は油絵を描き始めてまだ8年ですが、既に300点もの作品を描いているのです。
すごいです!
また、それにつきましては、おいおい、お話していこうと思います。
追伸 院長が、この「母子の絵」を倉庫から出して、クリニックに飾るそうです。
よかったらご覧になってくださいませ。