医療経営士のブログ

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母子の絵

2024-04-06 | クリニック・事務長

みなさん、こんにちは。

 

           タイトルは「胸に納めた50年の家族愛」 

         

ここに1枚の絵画があります。

当院長が描いた油絵です。

 

この絵は、ある患者さんのご家族。

何年か前、院長が年配の男性と診察室で話をしていて、家族の話題になった時、

その方が胸のポケットにしまっていた手帳から、何かを取り出されました。

それは、亡くなった奥さんと子どもさんが映った、セピア色の写真でした。

いつも大事に持ち歩いていらっしゃるからでしょう、

写真は破れたり亀裂が入ったりしていて、決して綺麗な状態ではありません。

 

「先生、これが女房ですよ…」と、なんとも深みのある、あるいはため息のような声で話されました。

亡くなられて、十年以上も経つというのに、「いつまでも忘れられない、いつも一緒に居たいんですよ」と男性。

 

その話を聞いた院長は感激し、

「よかったら、この写真を元に、私に絵を描かせてもらえませんか」と、写真をコピーさせていただいたのです。

この男性の奥様への思いを、自分が上手く描けたら、差し上げようと思っていたのだそうです。

 

しばらくして出来上がった絵は、本当に写真のまま、セピア色のまま、亀裂の入ったままの絵でした。

院長も、いつもより満身の力を込めて描いたのでしょう、

いきさつを知っているスタッフも、もちろん私も、絵を見て感動しました。

そして、この絵をプレゼントしようと額縁に入れ、男性が来られるのをずっと待っていました。

ところが…。

その後診察にいらっしゃらなくて、結局連絡がつかないままなのです。

 

現在、この絵はクリニック横の倉庫に眠っています。

今でも、このブログを書きながらこの絵を見ると、男性の深い愛情を思い出し目頭が熱くなります。

こんな風に思ってもらえる奥様は、きっとお幸せだったに違いないと。

同じ女性として、なんともうらやましいお話です。

 

実は、院長は油絵を描き始めてまだ8年ですが、既に300点もの作品を描いているのです。

すごいです! 

また、それにつきましては、おいおい、お話していこうと思います。

 

追伸  院長が、この「母子の絵」を倉庫から出して、クリニックに飾るそうです。

    よかったらご覧になってくださいませ。