伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

河鍋暁斎

2008年05月16日 | 展覧会・絵
河鍋暁斎を京都国立博物館へ見に行って来た。




詳しくはサイトArt Maniacsに書くとして(書けるのだろうか…)、
ここではちょっとしたエピソードとして、
展示作品に「地獄極楽巡り」という連作があった。

これは暁斎の絵の版元(?)の娘が14歳という若さで早世し、
その追悼として暁斎が描いたもの。

娘が阿弥陀如来の案内で地獄を巡り、
やがて最後に極楽へ召されるという内容。
地獄を面白おかしく見物して回るという趣向になっている。


この作品の博物館側の解説に、「その道中の陽気なこと」とある。

さすが関西の博物館、
係員の人も「ちりとてちん」を見ていたんだね。
この一文は「地獄八景」へのオマージュだろう。
思わずにやりとしたのだった。


それと売店で売っていた、コンドルについての絵日記。

これは暁斎が建築家・コンドルを弟子に取った時の、
コンドルのお稽古の様子を暁斎がイラストにしたもの。

それが絵日記風にひとつの本にまとめられて売っていた。
(暁斎記念館で常時売っているらしい)
暁斎はこういうイラストみたいな、
新聞の風刺絵みたいなのが得意で、沢山残っているようだ。


その本では、
他の日本人のお弟子が畳の上に座って絵を練習しているのに、
コンドルは西洋人だからおっちん(正座)が出来ない。

だから、常にだらりと寝そべって、
肘を立てて絵を描いている。

それを暁斎が、
コンドルの絵の練習風景として描いているのが面白い。

暁斎もコンドルに行儀が悪い、
ちゃんと座って絵を描け、とは言わなかったらしい。
コンドルが正座が出来ないので、大目に見ていたのだろう。
私はその本を立ち読みしただけで買っていないのだが(おいおい)、
面白そうな本だった。



常設展示の方にもかなりのものが並んでいて、
絵巻の部屋では「一遍聖絵」「法然上人絵伝」…、
何げに国宝が並んでいた。

「華厳宗祖師絵伝(?)」とかいうのでは、
あまり盛り上がらない場面が展示されていたが、
一番いいとこは、
今九州の博物館で「大絵巻展」というタイトルで出品されているようだ。


近世絵画の部屋では狩野なんとかの「雪汀図屏風」。
これは良かった。
かもめ(?)がまるで人間みたいに喋り合っている。
解説文も大絶賛。


そして、長く一階の仏像の部屋で麗しいお姿を見せてくれていた、
私のお気に入り「文殊菩薩騎獅像」が、
とうとう古巣の金戒光明寺へお帰りになった。

そちらへ行けばまた会えるのかもしれないが、
そう簡単には会えなくなった。
半ばレギュラー化しておられたので寂しいことだ。

彼の代わりに今は巨大なアベックの神像が鎮座しておられる。
木肌が荒く見えていて、ちょっと怖い雰囲気。


仏像室のレギュラーには六波羅蜜寺の四天王の内の二人
(多聞天と増長天?だったか)がおられるが、
見るたびに何となくぼろくなって来ているような気がするのだが、
気のせいだろうか…。

ちゃんとメンテナンスはしてもらっているのだろうか。
飾りっぱなしで、掃除もしてもらえていないのではないだろうか。
私の心配はとどまるところを知らない。



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