ドクトール隆の日常日記(秋田県大館市 伊藤内科医院)

日常診療とプライベイトに思う・・・

C型肝炎の最新治療展望!

2011年11月18日 08時04分21秒 | 診療&トピツクス

先日、能代にて肝臓病小グループ勉強会がありました。中外の主催

でした。講師は倉光智之先生(くらみつ内科クリニック院長)で初めて

お会いしましたが、気さくで肝炎治療に明るい素晴らしい先生でした。

さて、現行のC型慢性肝炎高ウイルスⅠ型の治療ではPEG-IFL+

RBV(リバビリン)2剤治療48週が標準化しているが、治療経過中、

ウイルスがなかなか消失しない症例(>12W)では72週が奨励され

ている。その奏効率SVRは50~60%程度で、SVR後の再発例も

30%前後であり、十分満足できる成績ではない。そこでHCVの増殖

に関係するプロテアーゼやRNAポリメラーゼ阻害薬の研究が進行して

おり、来年プロテアーゼ阻害薬のテラプレビルが使用できるらしい。こ

れも併用することでさらに効果のある持続的ウイルス除去率(SVR)

70~80%が期待されるらしい。ただし単剤ではウイルス耐性が誘導

されやすく、3剤併用することで耐性を回避できるとしている。またテラ

プレ使用後4~6週で重症な皮膚障害を併発する症例もあり、その管

理に注意が必要であるらしい。この3剤治療期間は24週(ただしテラ

プレ8週)で、かなり短くて済むのが嬉しい限りであります。これが実現

すれば患者さんには福音といえるでしょう!


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