まず、佐戸川先生の講演はいわゆるVTE(静脈血栓塞栓症)についての臨床診断と治療についてであります。
大震災の症例の検討結果が報告されました。VTEはDVT(深部静脈血栓症)とPTE(肺血栓塞栓症)に分類さ
れますが、重篤なPTEはそのほとんどがDVTに起因する訳で、早期に診断することが重要です。DVTの診断法
は下肢の浮腫や疼痛および色調の変化(Homans兆候)+Dダイマー高値ではそれを疑い静脈エコーを実施。
特に大腿部や膝窩部が重要なポイントになるらしいです。PTEについては心エコーや動脈ガス分析後、肺血流
スキャン(MDCT肺動脈造影T)にて肺動脈内血栓を同定すれば確定します。一般にPTEでは高齢・女性に多く、
20~30%が死亡する重症な疾患であり、ショック状態や頻拍・血痰ではまずPTEを疑うことから始めるべきで
あります。いわゆるエコノミー症候群やセミショックでは早期にPTEを疑い、MDCT検査を直ちに実施して確定する
ことが重要です。 後半の講演はは明日報告したいと思います。