これが8年目の回答、かな。

2010-02-20 23:25:18 | 日記・エッセイ・コラム
以前このブログのコメントで『大切な人をなくされて何を学んだのだか…。』と問われた。
 
その時は正直上手く答えられなかった。
でも、それ以来ず~~~~っと頭のどこかに引っかかっていて、その問いへの答えを考えていた。
質問者の真意は不明だが、その質問だけは一人歩きをはじめたのだ。
1ヶ月近く経ち、なんとなくだがぼやけた回答らしきものが見えてきたので文字にする。
 
回答。
それは、『今を大切にする』ということ。
そして、『素直になる』こと。
 
 
あの日はいつも通りの朝で、いつも通り家を出た。
私の『行ってきます』の声に、二階で妻の返事があった。
そう、直接顔を見ずにその朝は仕事へ向かった……。
『もしもあの時、~』とか『もしかしたら…』という仮定のことを何度も何度も考えた。
考えたが、「死」という事実は変わらなかった。
どんなに泣いても恨んでも。
何度も考えるうちに、悲しみや寂しさにも少しずつ慣れてきた。
そして7年が経過。
 
いつかは私も死ぬ。
それが明日なのか、何十年先なのか、
今のところ見当がつかない。
考えても仕方ないと思いつつ、先程の何度も何度も考える負のスパイラル状態へと落ちてしまう。
そこから這い上がる為に、少しでも前向きに生きるような考え方をするようにした。
 
いつかは天国で妻との再会があると思っている。
但し、天国で門前払いの可能性アリ(笑)。
その時に、妻への土産話をたくさん持って行こうと決めた。
一緒に出られなかった娘の卒園式のことから、我々の孫のことまで(予定)。
だから、楽しい時間を大好きな娘や友人達と一緒に過ごしたい。
そして、楽しい思い出をたくさんたくさん作って天国へ向かおうと思う。
きっと、たくさんの楽しい土産話を妻は喜んで聞いてくれるだろう。
 
妻は自分の寿命の長さを知っていたのだろうか。
あの時のあの朝の私の『行ってきます』の言葉が、
最後に交わした言葉となるのを感じていたのだろうか。
今となっては問うこともできないなぁ……。
 
妻が息を引き取る寸前、私は病院に何とか間に合った。
が、声を掛けても返事は無く……。
あの時、妻は何を我々に伝えたかったのだろう?
最後の言葉は何と言いたかっただろう?
もしかしたら、何らかのメッセージを残したかったのではないだろうか?
感謝の言葉とか、娘を気遣う言葉とか……。
その言葉は伝えられず、亡くなった妻を思う。
私なら、どうする???
死期を直前にし、伝えたい事を伝えたい人に言えるだろうか?残せるだろうか?
言えるだけのパワーが残っていればいいが、もしかしたらそれすら無いかも知れない。
もしかしたら自らのことも分からなくなっているかも知れない。
そう考えると、素直に自分の気持ちを伝えられる時に伝えようと思う。
それが今なら今伝えよう、と。
伝えられずに死という局面に遭遇したとき、後悔しないように……。
最近は何事も躊躇わずできるようになった。
多分に年齢もそうさせているのだろう。
感謝したときは「ありがとう」と伝え、相手が凹んでいれば「頑張れ」と応援したい。
言葉で伝えられる時に、しっかり伝えようと思うようになった。
 
転職したのもそんな気持ちからだったのかも知れない。
まぁ、素直になり過ぎて失敗した面もあると反省もあるが(笑)。
 
後悔の無い人生を送りたいと思う。
だが、人生そう容易いものではない。
失敗も今まで幾つもしてきた。
これからも何度もあるのだろう、きっと。
日本人男性の平均寿命から推測すると、
いわとも選手は既に人生の折り返し地点は通過した模様。
死別男性の平均寿命は、そうでない男性の寿命より短いという統計結果もある。
これから、どんな人生が待っているのだろう。
 
今を大切に生きたいと思う。
素直になりたいと思う。
 
へなちょこシングルファーザーの再生計画は継続中。

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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おにーさん、真面目だなぁ。 (ふみ)
2010-02-21 08:39:25
おにーさん、真面目だなぁ。
性別は違えど同じく死別者としては、共感出来る部分多いです。
あたしは、メモを書くようになりました。
子ども宛に。
つれあいから、何か言葉が欲しかった。
「ふみの馬鹿!」
でもいいから、闘病2年半の感想が知りたかった。
パソコンも、机も、あちこち探して…出てきたのはへそくりにH画像に(^_^;)…。
あの闘病はなんだったの?
あたしはあなたのなに?


そうそう、いらえはないのですよ。

あたしは天国も極楽も信じていないから、いつか彼に会える、や、会ったらいっぱい話すとは考えられない。
時間がまるで違う。
彼は彼の時間なんだと。
あぁ、これはうまく言えないなあ…。


いつか。
いつか、
「死別したことも、あたしの人生」
と。
素直に思えるようになったら。
そん時はなにか一つ、終わるのかも。
死別の区切りかも。
今はまだ、途中で途上で日々でいっぱいいっぱい…です(これでも)。


素直、羨ましいですわ(^m^)。
返信する
追伸 (ふみ)
2010-02-21 08:49:42
追伸
「死別で学んだ」
最大のことは、
「死は、本当にくる。しかも、突然。」
だな、あたしの場合は。

それを学んだだけで、どうするのか。
高校の物理のように全て忘れ去るのか。
運転のように家族の送り迎えに活かすのか。
わからない。

「死は必ず訪れる」

それだけは学びましたです。
返信する
ふみさん> (管理人♪いわとも)
2010-02-21 22:35:11
ふみさん>
 
コメント、ありがとう。
ふみさんはメモなのですね。
私の妻もメモ類は残しています。
7年が経過し、亡き妻のたくさんの遺品を処理してきた。
が、メモ類だけが手付かず(笑)。
言葉や文字、それ自身がその意味や想いをこちらに伝えてくるから……。
 
 
死別って、パートナーに答えて欲しい質問はずっとずっと一方通行だね。
 
ふみさんの言う「死別したことも、あたしの人生」、共感だ。
 
自らの死やパートナーとの死別がやってくることは、解ってはいた。
が、まさか自分にあの時、突然起こるとは全く考えていなかった。
必ず訪れる「死」、考えないようにしたいことだけど、
我々はなかなかそう簡単には行かない。
だって、既に直面したから。
恐れ忌み嫌うこともあるけれど、死を想うことで対極にある生を強く意識しているんだね、我々。
死別直後はこんな風に考えられなかったが、何年もの時間の経過がそうさせたのかも知れない。
 
あの問いへの回答はこれで終了(笑)。
私、「押すな!」というボタンを押したくなるタイプなんだよ~。
だって、押してみないと解らないでしょ(爆)。
返信する
真面目にお答え下さいましてありがとうございました。 (ルカ)
2010-02-23 11:51:52
真面目にお答え下さいましてありがとうございました。

真面目にお尋ねいたしましたので嬉しく思います。ただ回答は全く期待しておりませんでしたが(笑)

いつか、いわともさんの死別の傷が勲章になる日を祈っております。

死別を経験したからこその学び、感謝、喜び、…奥様に笑顔と一緒にたくさん届けられますように

後悔少ない素敵な人生を。

返信する
学んだことは、あの日からのすべて。 (チカ)
2010-02-24 15:35:40
学んだことは、あの日からのすべて。
ひとりで子どもを育てること。
手続き・裁判・・・・人が死んだら、こんなに変わるのかって人間関係だとか、死別したからであった人だとか。

全部、死別してなかったら、学べなかった。
突然、死が来ることが、あることも。

私が学んだことは、私の生きる貯金にしたいと思う。
誰の役に、立たなくても。
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  (管理人♪いわとも)
2010-02-24 23:16:19
 
 
るかさん>
 
コメント、ありがとうございます。
 
あの問い以後、自分の心の中にあるもやもやしたものを言葉(文章)にしてみました。
自分の気持ちは整理されたようです。ただ、上手く他の方々へ伝わるかどうか……。
 
きっと、るかさんも我々同様の辛い『死別』を経験されていることと思います。
どうかご自愛下さい。
 
るかさんの辛い日々も「勲章」になると良いですね。
お互いに後悔少ない素敵な人生を過ごしましょう。
返信する
  (管理人♪いわとも)
2010-02-24 23:16:56
 
チカさん>
 
コメント、ありがとう。
久し振りだね、元気ですか?
 
ここまで来たのですね~。
チカさんのコメントを読むと、感慨深いものがあるよ。
チカさんのサイトへ初めてお邪魔したのはいつだっただろう?
あれから何年?あぁ、懐かしい。
 
当時、人生の低空飛行を続けていた私。
チカさんのところへ行かなかったら、今のたくさんの仲間達には会えなかった。
死別があったから出会えたんだね。
いつも『不思議だナァ』と思います。
これからもよろしく。
返信する
いわともさん、このブログの皆さん、こんにちは。 (Rutsu)
2010-02-27 11:08:08
いわともさん、このブログの皆さん、こんにちは。
私が死別を経験して学んだ事は・・・
諦めること。何に対しても誰に対しても、どうしようもないことはどうしようもないと受け容れること。
でもでも・・・まだまだなかなかそれが出来なくて、
日々・・・もがいているけれども。

死別してから知ったこといろいろあって・・・
随分と大人になった気がするけど・・・
そんなこと知りたくなかった。
知らなくていいからもとにもどりたい・・・・ですよね。 無理か・・・

ということは・・・まだ諦めていないということですね。まだまだ修行がたりないな。

いつまでたっても・・・
ひとりはいや。

またかきこみさせてくださいね。
返信する
  (管理人♪いわとも)
2010-02-27 22:05:46
 
 
Rutsuさん>
コメント、ありがとうございます。

私も死別を経験して知ったことがたくさんあります。
良い事も、悪い事も……。
 
『諦めること』、『受け入れること』、我々にとっては重要なキーワードだと思います。
(う~ん、もしかしたらもっと適切な言葉があるのかも知れない)
理屈では分かっていても、気持ちでは受け入れ難いものもあります。
 
我々は、人生における最大のストレスである『パートナー(配偶者)との死別』を経験したのです。
いわば、人生最大のピンチ。
深手を負ったのです。
Rutsuさん、あまり無理をしないで下さいね。
死別を経験しているだけで、もうそれで充分。
いや、充分すぎるか(笑)。
どうか自分を責め過ぎず、もっともっとご自身を大切にして下さい。
 
あの日からの経過年数で、考え方やモノの見方は変化します(と、思います)。
だから、結論は『今は、こう思う。今、こんな感じ。』で良いのではないでしょうか。
深い深い傷が少し癒えたら、少しずつ歩き始めましょう。
その時期はそれぞれが決断することだし、そのペースを他人に強要されることはありません。
傷の深さは人それぞれ。傷の癒え方も、癒えるまでの時間も、違います。
『死別後、何年経ったらこうならないとダメ!』ってことはないですから(笑)。 
今は辛く厳しい時期かも知れません。
でも、何かがつかめるといいですね。
 
書き込むことで考えが整理され、スッキリすることが良くあります。
また、書き込んで下さい。
返信する
もし、天国から見守っている立場なら、私のハズには (ルカ)
2010-03-02 13:43:40
もし、天国から見守っている立場なら、私のハズには

アクシデントではなく、「また、会えたね」って微笑んでほしい。(ねずみくんのチョッキ)
笑っていてほしいよ。
君をなくしたからこそ…こんなにも人生が愛しく思えるようになったと…言ってほしい。
辛くて悲しい時は、いつも傍らにいるから語りかけて欲しいよ。
また、好きな人ができたら報告してね。
相談にものるから…上手くいくように見守っているからね。
あなたの悪い癖はよく知ってるから。私が愛した人だからこそ…一番幸せでいてほしいな。
真意はそんなとこかな~(笑)
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