泉飛鳥塾

「古(いにしえ)の都・飛鳥」の原風景と共に、小さな旅で出会った風景等を紹介したいと思います!

太古の昔から多くの神々が宿る 「飛鳥の神社(甘樫坐神社・難波池神社・引計皇子(をけおうじ)神社」

2017年08月07日 18時22分17秒 | 歴史

飛鳥地域には、太古の昔から多くの神々が宿り、現在では「ムラ」の鎮守として祀られています。

今回は、色々な伝承を持ち太古の昔から多くの神々が宿る「飛鳥の神社(甘樫坐神社・難波池神社・引計皇子(をけおうじ)神社」紹介したいと思います。

〇「甘樫坐神社」(あまかしいますじんじゃ)

奈良県明日香村の甘樫丘の麓に鎮座する神社です。社伝によれば、この神社は大禍津日(おおまがつひ)神・神直日(かむなおび)神・大直日(おおなおび)神・伊邪那岐(いざなぎ)神・豊玉比売(とよたまひめ)命・推古(すいこ)天皇の6柱を祭神としてしています。

甘樫丘の麓に鎮座する「甘樫坐神社」では、毎年4月の最初の日曜日に「盟神探湯」の神事が行われています。「盟神探湯」と書いて「クガタチ」と読みます。文字通り、神に盟(ちか)い湯を探(さぐ)る所作が、クガタチです。

「盟神探湯」は裁判の一種として考えられ、煮え湯の入った釜に手を入れ「正しき者にはヤケドなし、偽りし者はヤケドあり」という極めて荒い裁判の方法です。「日本書紀」によれば允恭天皇の時代、415年に氏姓制度の混乱を正すため、甘橿の神の前に諸氏を会して「盟神探湯」を行ったと伝えています。

現在では、周辺の豊浦地区と雷(いかずち)地区の氏子たちによって、境内の立石の前に釜を据え、「盟神探湯」の神事を保存・継承しています。実際に釜に差し入れるのは、生身の手ではなく、熊笹を代用しています。笹の葉の色が変わらなければ、嘘をついていないとされてます。私も行いましたが、笹の葉の色は変わっていませんでした。「良かった~・・・」

神事を神殿の前ではなく、立石の前で行なうのは、神社がなかった古い時代は、立石が岩座(いわくら)、すなわち神の降臨する神聖な場所だったからであるとのことのようです。「立石」と呼ばれる謎の石は、この豊浦のほかに、村内の岡・上居・立部などにも残っています。

 毎年この場所において、地元の劇団「時空」さんによる「盟神探湯」の神事の寸劇が行なわれています。寸劇では、隣の豊浦寺の仏像が何者かによって傷つけられたという事件が想定されています。やがて、3人の容疑者が浮かび上がったが、いずれも自分の仕業ではないと言い張る。そこで、3人は盟神探湯の場に引き出され、湯釜に手を入れて発言の正邪を判定することになるというような内容です。多くの方が、「盟神探湯」の神事の寸劇を見に来られています。
約1600年も昔の神事が、継承されているって凄い事ですね!

           

〇「難波池神社」(なんばいけじんじゃ)

明日香村豊浦にある「向原寺(豊浦寺)」は、かつては「飛鳥五大寺」の一つとされ、日本最初の寺とも言われる「豊浦寺」がありました。現在は、江戸時代から続く「向原寺」が建っています。603年推古天皇が豊浦宮から小墾田宮に移った後に、「豊浦寺」を建立したとされています。近年の発掘調査で、寺院の遺構に先行する建物跡がみつかり、これを裏付けています。

「甘樫坐神社(あまかしにますじんじゃ)」の向かいにある「難波池神社」は、「向原寺(豊浦寺)」の一角にあります。この場所に、「難波池」と称される池があります。「難波池の由来」として、この池は『日本書紀』欽明天皇13年仏教伝来の記事に、排仏派の物部尾輿が仏像を投げ込んだ「なんばの堀江」であるとの伝承をもちます。そして後世の記録には、この仏像は、この地を通りかかった、信濃の国の本田善光という人物が発見し、長野の善光寺に祀られたという伝承もあるようです。

色々な伝承が残る、不思議な場所ですね!

          

〇「計皇子神社」(をけのみこじんじゃ)

明日香村八釣に鎮座する弘計皇子神社は、近飛鳥八釣宮(ちかつあすかのやつりのみや)の伝承地とされます神社です。第23代顕宗天皇が祀られているお社です。

第21代雄略天皇の御子であった22代清寧天皇には子供が有りませんでした。天皇の血筋を継ぐ者を探し求めていたところ、雄略天皇が暗殺した市之辺忍歯王(イチノヘノオシハノミコ)の妹・飯豊王(イイドヨノミコ)が居たようです。

角刺の宮で「飯豊王」が執政を行っていた時、山部連小盾(やまべのむらじおだて)という人物が播磨の国の長官に遣わされます。その土地の住人の新築祝いに同席することになったオダテ。宴の行われていた竈の傍に、火焚き役の少年が二人いました。火焚き役の少年二人にも宴の舞いを舞わそうということになりましたが、兄弟二人はお互いに譲り合います。譲り合いの末、兄が先に舞って、次いで弟が舞いながら歌をうたいました。「私たちは市之辺忍歯王(イチノヘノオシハノミコ)の子供です」という内容の歌に驚いた小盾(オダテ)は、この二人こそが雄略天皇の追手から身を隠していた「意祁命(おけのみこ)と袁祁王(をけのみこ)」であることを悟ります。この知らせを聞いて喜んだ「飯豊王」は、二人を角刺の宮に呼び寄せることになりました。

兄弟のどちらが天皇に即位するかでも譲り合いが起こりましたが、弟の歌によって復帰が叶ったこともあり、まずは弟のヲケノミコが第23代「顕宗天皇」として即位します。「近飛鳥の宮」で天下を治めたと伝えられる天皇です。ちなみに、弟のヲケノミコ亡き後は兄のオケノミコが第24代「仁賢天皇」として即位しています。

飛鳥の地は、探せばもっともっと色々な古代の歴史に会える不思議な場所ですね!

         

 

 

 

 

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太古の昔から多くの神々が宿る 「飛鳥の神社(飛鳥坐神社・大原神社)」

2017年08月02日 16時12分16秒 | 歴史

 飛鳥地域には、太古の昔から多くの神々が宿り、現在では「ムラ」の鎮守として祀られています。

平安時代に著された「延喜式」には、延喜式内社が高市郡内54座の内、村内には「飛鳥坐神社」を含め11座が鎮座していたことが記されています。

これら延喜式内社は、古代には国家から奉幣が行なわれるなど、由緒ある神社として位置づけられていました。

前回に引き続き、太古の昔から多くの神々が宿る「飛鳥の神社(飛鳥坐神社・大原神社)」を紹介したいと思います。

「飛鳥坐神社」(あすかにいますじんじゃ、あすかにますじんじゃ)

古来、「飛鳥の神奈備」と呼ばれてきた森に鎮座しています。『日本書紀』686年の記事に、「飛鳥神社」の名が見えることから、この頃にはすでに創建されていたことがうかがえます。「日本紀略」によると、当地に遷って来たのは、829年のことです。平安時代の『日本紀略』には、天長6年(829)3月に飛鳥社を高市郡賀美郷の甘奈備山から同郡同郷の鳥形山に遷座するよう神託があり、この時に現在地に遷座したとされています。

「飛鳥坐神社」を有名にしているのは、毎年2月第1日曜日に行われるセクシャルな神事「おんだ祭」です。天狗とお多福演ずる夫婦和合の所作が笑いを誘います。子宝、安産、縁結びに御利益があると言われており、たくさんの方が参られます。

また境内には、数多くの「陰陽石」が点在しており、生々しい性信仰が、いまも息づいています。特に「奥の大石」と呼ばれている石があります。その名のとおり、境内のもっとも奥に鎮座しており、周囲は瑞垣によってかこまれています。高さは約1メートル。境内に点在する陰陽石のなかで、もっとも大きなものです。

飛鳥坐神社は「陰陽石」や「おんだ祭り」で有名な神社ですが、「子宝祈願のパワースポット」として、また男女の出会いを演出してくれる「縁結びの神さま」の神社です。

「飛鳥坐神社」は、太古の昔から神々が宿る不思議な場所ですね!

              

 

〇大原の里にある小さな神社「大原神社」

「大原の里」は、藤原鎌足の誕生地とされています。中大兄皇子とともに大化の改新を推進し、藤原氏の祖となった人物です。大原神社の右の田んぼには、明治初年まで「藤原寺(とうげんじ。鎌足誕生堂)」が建っていて、江戸時代の国学者である、本居宣長も訪れていたようです。

この辺りは、「藤原鎌足産湯の井戸」や、母親である「大伴夫人の墓」などが遺されています。

「大原の里」は、飛鳥時代に天武天皇と藤原夫人がかわした微笑ましい万葉歌に残っています。天武天皇と藤原夫人の微笑ましい歌のやり取りは、同じ石に万葉歌碑として遺されています。この歌が詠まれた時に、藤原夫人がいた大原がこの辺りです。天武天皇がいる飛鳥浄御原宮とは、わずか1kmほどの距離しかありません。

・天武天皇「わが里に 大雪降れり 大原の 古りにし里に 降らまくは後」(わがこの里に雪が降ったぞ。そなたが住む大原の古ぼけた里に降るのは、ずっとのちのことだろう。)

・藤原夫人「わが岡の おかみに言ひて 落らしめし 雪のくだけし そこに散りけむ」(私が住むこの岡の水神に言いつけて降らせた雪の、そのかけらがそちらの里に散ったのでございましょう。)

この歌は、もちろん大原にも雪は降っていて、こちらが先と軽く言い合う微笑ましいやり取りになっています。

「大原の里」は、万葉集の世界がよみがえるような素敵な場所ですね!

次回は、クガタチで有名な「甘樫坐神社」・「難波池神社」・「引計皇子(おけおうじ)神社」を紹介したいと思います。

                 

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