きららぎけいすけ氏のblog にもとりあげられているが,8/20の NHKスペシャル は,興味深い内容だった.
もちろん,水道サービスを民営化しても,うまくいっている地域もあるだろう.
しかし,私は,水道サービスの民営化には反対である.「安心して飲める水」の供給は,電力や通信のように技術やサービスを「競う」性質のものではない.
今回の番組では,マニラの水道民営化の失敗,カリフォルニアのある小さな町で水道公営化の是非を問う住民投票,ウェールズの水道の公営->民間会社->NPO運営変遷などの状況について,ドキュメンタリー的な構成になっていた.
それにしても,どうして,フィリピン政府は,このような「詐欺のまがい」の話しに乗ってしまったのだろう?
端からみると,フランスの世界的企業が地元財閥と結託して,マニラの市民の水道を人質にし,世界銀行のお金を食い物にしたとしか言えない.おそらく,世界銀行の中にフランスの某企業の意向に協力しているグループがいるのだと思う.
番組の取材の中で,民営化で値上がりしたマニラの低所得者層の人への水道料の請求書が,600ペソ==1180円(Yahooのレートから概算)だといっていた.
2001年の人口一人あたりの国民所得(GNI)でみると,フィリピンは926ドルしかない.ちなみに,アジアの他の国の2001年のGNIは,日本 32576ドル,台湾 12551ドル,韓国 8917ドル,中国 908ドルである.日本の1/30程度のGNIで,水道料金は,日本の1/4-1/2では,とてもまともな値段とは言えまい.
だいたい,水道の水で,コレラに感染するなんて,どうかしている.
フィリピン政府にも,問題はありそうだ.
日本のODAは,どこかのミサイルをつくり海軍や空軍を増強していている国にではなく,水道や井戸の整備などの基本的人権に関わる社会インフラの構築に困っている国を支援するために使うべきだ.
以下の本は,以前にも紹介したように思うが,水の問題に興味のある方に,オススメである.
NHKの番組では名前が伏せられていた,マニラの水道を破綻させた,フランスの某多国籍企業がどこかもわかる.
「はじめに」の2ページ目は,『淡水危機は,動かしがたい現実である.その現実に直面政府と国際機関は,「ワシントン・コンセンサス」に基づいて,水の私有化と商品化を提唱しだした.水に値段をつけろ,彼らは言う.水を売り出して市場にその未来を決定させろ,と.世界銀行や国連によれば,水は人間の必需品であっても人間の権利ではない.この言葉の解釈の違いはきわめて重要だ.金がある者にとって,必需品はいくらでも手に入る.しかし,人間の権利を売るのは許されないはずだ.』という,過激なフレーズで始まる.
原書は読んでいないが, 鈴木主税 先生 の訳は相変わらず,スムースである.
もちろん,水道サービスを民営化しても,うまくいっている地域もあるだろう.
しかし,私は,水道サービスの民営化には反対である.「安心して飲める水」の供給は,電力や通信のように技術やサービスを「競う」性質のものではない.
今回の番組では,マニラの水道民営化の失敗,カリフォルニアのある小さな町で水道公営化の是非を問う住民投票,ウェールズの水道の公営->民間会社->NPO運営変遷などの状況について,ドキュメンタリー的な構成になっていた.
それにしても,どうして,フィリピン政府は,このような「詐欺のまがい」の話しに乗ってしまったのだろう?
端からみると,フランスの世界的企業が地元財閥と結託して,マニラの市民の水道を人質にし,世界銀行のお金を食い物にしたとしか言えない.おそらく,世界銀行の中にフランスの某企業の意向に協力しているグループがいるのだと思う.
番組の取材の中で,民営化で値上がりしたマニラの低所得者層の人への水道料の請求書が,600ペソ==1180円(Yahooのレートから概算)だといっていた.
2001年の人口一人あたりの国民所得(GNI)でみると,フィリピンは926ドルしかない.ちなみに,アジアの他の国の2001年のGNIは,日本 32576ドル,台湾 12551ドル,韓国 8917ドル,中国 908ドルである.日本の1/30程度のGNIで,水道料金は,日本の1/4-1/2では,とてもまともな値段とは言えまい.
だいたい,水道の水で,コレラに感染するなんて,どうかしている.
フィリピン政府にも,問題はありそうだ.
日本のODAは,どこかのミサイルをつくり海軍や空軍を増強していている国にではなく,水道や井戸の整備などの基本的人権に関わる社会インフラの構築に困っている国を支援するために使うべきだ.
以下の本は,以前にも紹介したように思うが,水の問題に興味のある方に,オススメである.
NHKの番組では名前が伏せられていた,マニラの水道を破綻させた,フランスの某多国籍企業がどこかもわかる.
「はじめに」の2ページ目は,『淡水危機は,動かしがたい現実である.その現実に直面政府と国際機関は,「ワシントン・コンセンサス」に基づいて,水の私有化と商品化を提唱しだした.水に値段をつけろ,彼らは言う.水を売り出して市場にその未来を決定させろ,と.世界銀行や国連によれば,水は人間の必需品であっても人間の権利ではない.この言葉の解釈の違いはきわめて重要だ.金がある者にとって,必需品はいくらでも手に入る.しかし,人間の権利を売るのは許されないはずだ.』という,過激なフレーズで始まる.
原書は読んでいないが, 鈴木主税 先生 の訳は相変わらず,スムースである.
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