Dr. Jason's blog

IT, Engineering, Energy, Environment and Management

水道の民営化?

2005-08-21 | Environment
   きららぎけいすけ氏のblog にもとりあげられているが,8/20の NHKスペシャル は,興味深い内容だった.

 もちろん,水道サービスを民営化しても,うまくいっている地域もあるだろう.
 しかし,私は,水道サービスの民営化には反対である.「安心して飲める水」の供給は,電力や通信のように技術やサービスを「競う」性質のものではない.


 今回の番組では,マニラの水道民営化の失敗,カリフォルニアのある小さな町で水道公営化の是非を問う住民投票,ウェールズの水道の公営->民間会社->NPO運営変遷などの状況について,ドキュメンタリー的な構成になっていた.
 
 それにしても,どうして,フィリピン政府は,このような「詐欺のまがい」の話しに乗ってしまったのだろう?
 端からみると,フランスの世界的企業が地元財閥と結託して,マニラの市民の水道を人質にし,世界銀行のお金を食い物にしたとしか言えない.おそらく,世界銀行の中にフランスの某企業の意向に協力しているグループがいるのだと思う.
 
 番組の取材の中で,民営化で値上がりしたマニラの低所得者層の人への水道料の請求書が,600ペソ==1180円(Yahooのレートから概算)だといっていた.
 2001年の人口一人あたりの国民所得(GNI)でみると,フィリピンは926ドルしかない.ちなみに,アジアの他の国の2001年のGNIは,日本 32576ドル,台湾 12551ドル,韓国 8917ドル,中国 908ドルである.日本の1/30程度のGNIで,水道料金は,日本の1/4-1/2では,とてもまともな値段とは言えまい.
 だいたい,水道の水で,コレラに感染するなんて,どうかしている.
 フィリピン政府にも,問題はありそうだ.


 日本のODAは,どこかのミサイルをつくり海軍や空軍を増強していている国にではなく,水道や井戸の整備などの基本的人権に関わる社会インフラの構築に困っている国を支援するために使うべきだ.


 以下の本は,以前にも紹介したように思うが,水の問題に興味のある方に,オススメである.
 NHKの番組では名前が伏せられていた,マニラの水道を破綻させた,フランスの某多国籍企業がどこかもわかる.

 「はじめに」の2ページ目は,『淡水危機は,動かしがたい現実である.その現実に直面政府と国際機関は,「ワシントン・コンセンサス」に基づいて,水の私有化と商品化を提唱しだした.水に値段をつけろ,彼らは言う.水を売り出して市場にその未来を決定させろ,と.世界銀行や国連によれば,水は人間の必需品であっても人間の権利ではない.この言葉の解釈の違いはきわめて重要だ.金がある者にとって,必需品はいくらでも手に入る.しかし,人間の権利を売るのは許されないはずだ.』という,過激なフレーズで始まる.
 原書は読んでいないが, 鈴木主税 先生 の訳は相変わらず,スムースである.


「水」戦争の世紀

集英社

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夏休み読書月間 (8) 有機化学入門

2005-08-06 | Environment
 現代社会において,我々の身の回りには,「化学物質」が溢れ様々な問題の原因となっている.
 理工系でない人も,日常生活の上で化学物質と適切に対峙するためには,ある程度の化学的知識,特に有機化学の知識は必要と思う.
 # 化学物質過敏症の方は,なおさらですね.何事も原理を知ることは大切.

 本書は,毒物や食品添加物などの専門家で,千葉大学名誉教授, 現新潟薬科大学学長 である.山崎幹夫先生による,有機化学の啓蒙的入門書(縦書き)である.
 メタンから,アルコール,アスピリン,ショ糖,ペニシリン,DNAまで,21のトピックスについて,化学の歴史もふまえながら,読み物風にまとめられている.

 有機化学のエッセンスを楽しみながら学びたい方にオススメ.
 

新化学読本―化ける、変わるを学ぶ
山崎幹夫
白日社

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アスベスト公害:過去の失敗から学習できない人々

2005-07-25 | Environment
 最近,あちこちで,アスベストの健康問題,環境問題がとりあげられている.

 YOMIURI ONLINE の 7/22 の記事 によると,以下のような経緯があったらしい.
----------
作業現場でのアスベスト(石綿)の飛散防止を盛り込んだ「特定化学物質等障害予防規則(特化則)」が施行された1971年、旧労働省が職員や業者向けに出版した特化則の解説書の中で、アスベスト飛散が労災だけでなく、公害問題に発展する可能性があると指摘していたことが21日、分かった。

 当時、公害は旧厚生省の所管で、出版翌月に旧環境庁が発足したが、旧労働省の指摘は生かされず、周辺への飛散防止対策は、89年の大気汚染防止法改正まで講じられなかった。
----------
 一体,この国の,中央官庁幹部は,健康,環境など「科学的」かつ「社会的」問題をどのように捉えているのだろうか?


 7/24 の産経新聞の「主張」の記事によれば,以下のように厚労省の副大臣の発言を,事務次が否定するようなことが起こっている.
----------
 ...厚労省の西博義副大臣は国会で政策の失敗だったと答弁した.細田博之官房長官も,過去の政府の対応を検証し,行政責任が明確になった場合の被害者への保証も検討する考えを記者会見で示した.
 ところが,副大臣の答弁の翌日,同じ厚労省の戸苅利和事務次官は記者会見で「その時々に置かれた状況の中で可能な試みはしてきた.」と語った.
----------
 
 また,このことについては, TBSのNEWSiのWebサイトの7/21のニュースでも報道されている.
----------
戸苅事務次官は、21日の定例記者会見で「アスベストの代替品の開発が進まない中、規制は確実に行ってきた。しかし家族に健康被害が出ていることは事実なので、関係省庁や企業などの連携、連絡体制に問題がなかったかよく見極める必要がある」
----------

 一部の諸外国では,すでに1980年代から,アスベストの使用が禁止されたり規制されたりしていることは,広く知られている.
  MSN-Mainichi INTERACTIVE の7/10の記事 によれば,アイスランドでは1983年から,ドイツでも1993年から,石綿の使用が全面禁止されている.
 10-20年前に,ヨーロッパのいくつかの国では,政府が規制できたことが,日本でできなかったことの説明としては,全く合理性に欠ける見解である.

 また,米国なら事務次官クラスの官僚が,大臣や長官等の発言を公式に否定するということは,訴訟を覚悟しているか,辞職するときかどちらかだが,どうも,戸苅氏の場合は違うようだ.

 問題の戸苅事務次官は,インターネット上の情報によれば,以下のような経歴らしい.
 (http://www.jil.go.jp/jil/kouen/no_15.html より抜粋)
---------
 戸苅 利和(とがり・としかず)
 昭和22年11月28日、東京都生まれ。昭和46年、東京大学経済学部を卒業して労働省に入省し、職業安定局庶務課長、労働基準局監督課長、職業安定局雇用保険課長、大臣官房会計課長などを歴任。平成7年に大臣官房総務課長、平成8年に労働基準局賃金時間部長、平成10年に職業安定局次長を経て、平成11年7月より労働省大臣官房長。
---------
 所謂完全な文科系である.労働問題はそれなりの知見をお持ちかもしれないが,やはり,経済学部ご出身では,化学物質による環境や健康への問題などの,科学的な問題への適切な理解や判断は難しいのかもしれない.このような問題を統括する責任者は,医療,公衆衛生,環境などの分野で,少なくとも修士レベルの知識を持った人材があたるべきだと思う.


 アスベストのうち,つい昨年まで日本で使用がみとめられていた白石綿は,クリソタイル(Chrysotile) という.
 クリソタイルを含むアスベストの発ガン性については,IARC(国際ガン研究機関)その他の研究において,発ガン性の評価についてはほとんど確定している.発ガン性については,既に,1995年に輸入・使用などが禁止された,別種のアスベストである青石綿(クロシドライト)と茶石綿(アモサイト)と大差ない.つまり「議論の余地のない」危険物質である.

 国際化学物質安全性計画(IPCS)が作成している 国際化学物質安全性カード (国立医薬品食品衛生研究所による日本語版) には以下のように明記されている.
 身体への暴露: 粉塵の拡散を防ぐ!あらゆる接触を避ける!
 長期または反復暴露の影響: 肺に影響を与え、肺繊維症、中皮腫を生じることがある。人で発がん性を示す。


 どうして,日本の政府や官僚は,過去の公害や薬害の失敗から学習することができないのだろうか?
 是非,厚生労働省,国土交通省,環境省,その他の関係各方面と,政府が一体となって被害者の救済と今後の対策に当たってもらいたい.


追記:
 日本でのアスベストの問題について,まとまった情報を概観したい場合には, 中皮腫・じん肺・アスベスト センター の Webサイトが役に立つ.

 
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環境対策は道楽ではない! 先進国の責任

2005-07-14 | Environment
  ニューズウィーク日本語版 の2005.7.20 号 pp.38-39 に『「緑の党」のブルーな未来』と題した,最近のドイツにおける「緑の党」の人気低落についての記事があった.

 その中に
 ------
 ...自然保護や平和主義,フェミニズムといった緑の党の伝統的な争点のは,
 多くの有権者から道楽の一種とみなされている.「仕事がない人間は,オゾン
 ホールのことなんか気にしていられない」...
 ------
 という気になる文章があった.

 確かに,最近,ドイツでは,高い失業率(12%)と経済の不振が政治問題となっている.
 しかし,それでも,2002年の統計では,ドイツの国民総所得(GNI)は,1876320百万ドルであり,依然としてヨーロッパで一番である.世界でも,米国,日本につぐ値である.また,ドイツでは失業しても,餓えて死んだり,飲み水に困ったりはしない.


ヨーロッパのGNI 1000億ドルクラブ  (2002年,百万ドル)

 ドイツ  1876320
 イギリス 1510771
 フランス 1362007
 イタリア 1100713

メンバーは,たった4カ国しかない.

ちなみに,

 米国   10207039
 日本   4323919
 中国   1234157

つまり,日本は好況ではないが,イギリス,フランス,イタリアの3カ国の合計よりもGNIが多いということである.


ヨーロッパの一人当たりGNI 2万ドルクラブ (2002年, ドル)

 ルクセンブルグ 39470
 ノルウェー   38730
 スイス     36170
 デンマーク   30260
 アイスランド  27960
 スウェーデン  25970
 イギリス    25510
 フィンランド  23890
 オーストリア  23860
 オランダ    23390
 アイルランド  23030
 ベルギー    22940
 ドイツ     22740
 フランス    22240

一人当たりのGNIは,人口が少ない小国の方が総じて高めであることがわかる.
ちなみに,
 イタリア    19080
であり,2002年度は,2万ドルクラブからは落選であった.

また,
 米国      35400
 日本      34010
 カナダ     22390
 シンガポール  20690
 オーストラリア 19530
 台湾      12858
 韓国       9930
 ブラジル     2830
 ロシア      2130
 中国       960
 インド      470

 世界の大半の国は,一人あたりのGNIは,5000ドル以下である.
ドイツは,一人あたりの GNIで,ヨーロッパの2万ドルクラブの中では,低位ではあるが,世界的にみれば上位に位置している.このような国で,自然保護や環境対策が道楽とみなされるというのは,少々狭いものの見方であると言わざるを得ない.

 米国,日本,EUのGNI上位の先進国こそが,エネルギー対策や環境対策の新技術を開発して,それを発展途上国に提供していかなければならないはずだ.
 

 中国の物価は日本の1/20~1/30といわれているが,一人あたりのGNIは1/35 以下である.(2002年の統計) ここから,中国やインドが先進国の本当の仲間に入るのはそう簡単ではないことがわかる.

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世界195カ国中の2つのクラブ

2005-07-03 | Environment
 思うところ会って,昨日,imdas 2005 を購入した.「各国データ一覧」(pp. 1259 - 1269)という資料のページをパラパラと眺めていて,2つのグループが目についた.


以下の数字は,なんでしょう?

3万○クラブ:
 リヒテンシュタイン 50000
 ルクルセンブルグ  39370
 スイス       37930
 ノルウェー     37850
 アメリカ合衆国   35060
 日本        33550
 デンマーク     30290


以下の数字は,きっとすぐに判りますね.

一億○クラブ:
 中国        130420万
 インド       106540万
 EU         45460万 (imidas 2005, p.480)
 アメリカ合衆国   29400万
 インドネシア    21990万
 ブラジル      17850万
 パキスタン     15360万
 バングラデシュ   14670万
 ロシア       14320万
 日本        12770万
 ナイジェリア    12400万
 メキシコ      10350万



 結局,両方のクラブに属しているのは,いまのところ,米国と日本だけだ.EUは後者には入るが,前者にははいらない.

 まず,世界における日本のあり方を考えるとき,小学校の社会科では,このようなことから,ちゃんと教えないとダメだと思う.
 さらに,日本に生まれ育っただけで「恵まれた」という視点も必要だ.
 



imidas イミダス 2005

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東京湾を震源とする地震

2005-06-01 | Environment
 今夜は,東京を中心に,すでに,3回の有感地震があった.
  気象庁の地震情報 によると,概要は,以下のとおりである.

----------

 1日22時02分頃地震がありました。
 震源地は東京湾 (北緯35.5度、東経139.8度) で震源の深さは約40km、
 地震の規模(マグニチュード)は3.3と推定されます。

 1日20時44分頃地震がありました。
 震源地は東京湾 (北緯35.5度、東経139.8度) で震源の深さは約50km、
 地震の規模(マグニチュード)は4.2と推定されます。

 1日19時40分頃地震がありました。
 震源地は東京湾 (北緯35.5度、東経139.8度) で震源の深さは約50km、
 地震の規模(マグニチュード)は3.7と推定されます。

----------

 震源の深さが,浅くなってきているので,注意が必要だと思う.今夜の夜中,明日の明け方,明日の昼ごろ,あたりは,注意した方が良いだろう.
 震源の深さが30km以下になって,マグニチュード5程度の地震になると,特に,海辺,川辺,埋立地等は,ある程度の被害が出ると思われる.

 ミネラルウォーター,非常食,乾電池,お風呂の水,などを再確認しよう.
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この数日は,南関東では,埋め立て地や高層ホテルはさけようか...

2005-05-29 | Environment
 民間の天文台で,長年,FM電波の変動と地震活動の関連現象を観測研究(VHF電波伝播観測による地震前兆研究)している, 八ヶ岳南麓天文台 地震前兆観測研究センター から,「5/27前後4日に南関東圏でマグニチュード7級の地震が発生する可能性」についての情報が出ているという記事を,週刊FRIDAY 2006.6.10 号で読んだ.
 八ヶ岳南麓天文台の情報は,過去にも何度かメディアでもとりあげられていて,2003年の9月の千葉県南部を震源とする地震のときは,発生時期が少しずれた(遅れた)だけで,だいたい予測どおりだったことを思い出した.
 八ヶ岳南麓天文台 Webサイトの最近の記述によると,様々な間接的な観測妨害活動が行われていること,事情を知らない人からの不条理な電話問合わせ等への対応の負担があること等から,今後は,一般への情報公開はしないことにしたらしい.

 google で少ししらべたら,電波と地震前兆との関連では, 行徳高校 自然科学部 でも,地震前兆電波観測のWebを立ち上げてている.こちらは,計測データのグラフなども出ていて興味深い.また,付属のblogの「ちきうの気持ち」 5/28の記事 は,非常に冷静だと思う.(顧問の先生の記述かなぁ?)

 私は地球物理の専門家ではないが,「(地震などと関連した)地殻の大きなひずみが,電磁波を発生したりして,それが大気中である周波数の電波に影響を与える」という八ヶ岳南麓天文台所長の串田嘉男氏の説は,原理的には理解できる.
 実験をみたことがあればするとすぐにわかるが,石や岩に大きな圧力をかけて粉砕すると,結構な電磁波が観測される.地震ほどのエネルギー地殻に変動があるときは,相当の電磁波が発生するだろう.プレートのずれなどによる地震の場合,実際に地殻が動く(すべる)まえに地殻にはとても大きな力が加わっていいるはずなので,そこでの地殻の歪みが電磁波として,地震の前に観測されるのかもしれない.


 いずれにしても,しばらくは,千葉,東京,神奈川方面では,埋め立て地や,高層ホテルなどは,避けた方がよいかもしれないと思う.

 幕張メッセの敷地は,埋め立て地だったはずだ. 「幕張メッセのそのむかし」 というサイトによると,元々の海岸線はだいたい京葉線のあたりだそうだ. イベントの予定がある人は,「地震があるかもしれない」ことを頭に入れておこう.


 
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杉並病!

2005-05-26 | Environment
 きさらぎけいすけ氏の 5/25のblog に, 「第8回全国化学物質過敏症患者の会」 「杉並病」 に関する記事があった.

 私は,小学校3年の秋から修士を出るまで,中野区に住んでいた(区内で数回引っ越し)ので,杉並はお隣の区であり,杉並区民である友人や知人も沢山いる.しかし,「杉並病」については,ほとんどしらなかった.
 「杉並病」あるいは「杉並シンドローム」とは,1996年頃から東京都杉並区の都清掃局杉並中継所井草森周辺の住民が,視神経異常,呼吸器の異常,皮膚の異常,発汗,その他の様々な化学物質過敏症に類似した健康被害を訴え続けている問題である.
杉並不燃ごみ中継所が原因物質の発生源ではないかという住民運動が起きている.
 すでに,被害者支援グループなどによって,ある程度疫学的な研究も行われており,問題の原因と疑われている不燃ゴミ中継所健から半径750mの範囲での被害状況については,だいぶはっきりしているらしい.

 しかし,「廃棄物系化学物質による健康被害者支援科学者グループ」によれば,以下のような状況にある.
-----------------
 杉並病は廃棄物処理にかかわる行政が起こした大気汚染被害である。すでに第28回、29回の発表会で報告し、「人間と環境」(1)で被害の原因について紹介した。不燃ゴミの圧縮過程で起きたこの事件は国の公害等調整委員会が「化学物質を特定せずに杉並不燃ゴミ中継所との因果関係を認めた」にもかかわらず、なぜかその時期を稼働から5ヶ月しか認めなかったために現在も稼働中であり、新たな被害者が発生している。杉並区では平成15年度の環境白書で影響がないと公表しており、区議会議員のなかには「杉並病」すら否定している者がいる。このことを受けて一般区民の中にはすでに被害が収束したと考えている人がいる。また、杉並区の安全宣言を信じて全国で同様な施設が建設されている。しかし、重大な落とし穴がある。現在の環境を守る法律、特に大気に関しては抜け穴だらけなので、環境基準や条例が守られているといっても被害がないことにはならない。重要なのは被害の実態調査を行政が実施しないだけなのである。さらに問題なのは世界では当たり前の「化学物質過敏症」が環境省によって否定され、健康保険が適用されていないことである。シックハウスはさすがに厚生労働省や他の省庁も認めることとなり、指針値や基準も設けられ、一部の病院では被害者に健康保険も適用されているとのことである。

 このような社会的環境で杉並病の被害者は移住派も含め、現在、精神的、身体的、経済的に限界状態にある。声をあげる力も残されていないように見える。なお、この事件で賠償を受けた人はいない。
-----------------
(http://www.suginamibyo.com/ より引用)


 つまり,国,都,区ともに「被害の存在を公式に認めていない」ということのようだ.また,2000年に「硫化水素が原因物質」であるとの都の見解が出されたが,結局,問題の詳細は解明されていない.
 東京都には,「東京都環境科学研究所」というりっぱな研究所があるので,本来,政府あるいは環境省の政治的意図とは異なるスタンスで,原因究明ができるはずなのだが,そうならないのは,都知事やその側近が「物理」「化学」「生物」や「大気」あるいは「化学物質過敏症」について,基本的な知識を持ち合わせていないことがネックになっているのかなと思う.

 きさらぎ氏の blog の中で,
----------------
春の芽吹きの時期の新芽や若葉に、ゴミ中継所から出るヒラヒラした小さなものがびっしりついてとても気持ちが悪いと言っていた。写真には写らないので信じてもらえず、困っているようだ。きっと透明な高分子化合物なのだろう。
----------------
 ...という記述があったが,実際に何かの物質が葉っぱに付着して肉眼で見えるなら,まず,現物のサンプルを10セットぐらい,日時,場所のメモとともにガラス瓶などにいれて保存して,それを,しかるべきところで調べてもらいことができる.
 また,最近のデジカメは,400-500万画素のCCDを搭載した高解像度で近接撮影できるものもあるので,普通に肉眼で見えるものは,撮影して画像の資料として捉えることができるはずだ.


 すでに,半径750mの範囲の地域について疫学的調査がされているとすると,その倍の半径1500mぐらいの範囲の大気について,特定のすでに知られた有害物質の量をトラッキングするのではなくて,どの物質がポテンシャル面的に減衰しているかを調べると,結果的にどの物質が問題の原因の一つであるかが判るのではかいとと思う.
 都内なので「そらまめ君」のシステムですでに計測24時間されている大気汚染データとの面的,時間的な相関について比較,考察する必要があるだろう.
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自動車排気ガスとせんぞくの関係

2005-05-16 | Environment
 5/15 の産經新聞に,「排ガス -> ぜんそく 関係は?」という見出しで,環境省が「気管支ぜんそくをはじめとする呼吸器疾患と自動車の排ガスとの因果関係を突き止めようと ...今年度から5年がかりで大規模な調査に乗り出す」という記事があった.

 ちゃんとした,疫学調査をすること自体は良いことだが,「いままで,何してたの?」という違和感を強く感じた.


 ちょっと調べると,毎日新聞では,以下のように報じていた.
-----
環境省:
ぜんそくなど、排ガスとの関係研究へ--幹線道沿いの小学生対象に

 環境省は26日、首都圏と中京地区、阪神地区の交通量の多い幹線道路沿いに住む小学生約1万6000人を対象に、自動車排ガスと気管支ぜんそくなど呼吸器疾患との関連を調べる大規模疫学研究を始めると発表した。今年度から5年間、ぜんそく発症の有無や症状の重さなどを追跡調査し、排ガスが健康に与える影響を明らかにする。これほど大規模な研究は世界にも例がないという。
 ディーゼル排気微粒子などの排ガスは、呼吸器疾患の発症と関係があるとみられている。しかし、大気の汚染度とぜんそくの発症率、吸い込む汚染物質の量と症状の重さなど具体的な因果関係はよく分かっていない。
 そこで同省は、東京都内の環状7号、同8号と名古屋市内の国道302号、阪神地区の国道43号のそれぞれ沿線に住む小学生1~3年生を対象に研究を計画。保護者の同意を得て血液を検査し、ぜんそくを発症しやすいアレルギー体質かどうかを確認したうえで、健康状態の推移を追跡。幹線道路と自宅の距離や、対象者の生活実態、汚染状況のサンプル調査などから、一人一人が吸い込む汚染物質の量を推計し、健康状態とつき合わせて、排ガスの影響を評価する。【江口一】
毎日新聞 2005年4月27日 東京朝刊
-----
(http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/env/news/20050427ddm003040019000c.html より)

 ぜんそくと排ガスについては,4/25日の記事に書いた 「ディーゼル排ガスと健康」のシンポジウムでも発表された,嵯峨井勝先生(青森県立保健大学健康科学部教授)が,国立環境研におられたころから色々と研究されていて多くの論文がでている.
 二酸化炭素濃度だけをみてもだめで,二酸化炭素とPMの相乗効果がはっきりと,ぜんそくを引き起こす引き金になっていることが判っている.

 環境省の担当者は,まず,これまでに発表されている世の中の論文を,もう一度勉強すべきではないだろうか?


 先の産経新聞の記事によると,環境省では,以下のように話しているらしい.
-----
 「緻密に暴露量を算出し,継続して調査することで汚染物質がどのくらいぜんそくの発症の要因になっているのかを明確にしたい」
-----

 その前に,すでに我が国で定められた環境基準が諸外国の最新の基準と比べてどうか?実際の幹線道路およびその周辺の大気汚染が,24時間365日どのように変動するか?(天候風向きも考慮して)などを,緻密に解析し直すべきではないだろうか?

 実は,大気汚染のデータそのものは豊富にあるのだ.
 せっかくの 「大気汚染物質広域監視システム」  からの24時間測定データがあるのだから,これを,気象,大気環境,呼吸器医療,小児科臨床,疫学等の学際的研究チームを組んで,継続的に研究すべきだと思う.
 4/24のシンポジウムでの「酸性雨調査研究会/日本環境学会プロジェクトチーム」の東京の大気汚染についての発表もこのデータが用いられていた.

 そうえば,山本英二先生(岡山理科大学総合情報学部教授)が,日本の環境関連の研究は「疫学的な視点が弱い」とおっしゃっていたなぁ...
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Jason's Library 「建築構造力学」「超高層への果てなき闘い」

2005-05-15 | Environment
 前の記事の補足.

 武藤 清先生の「建築構造力学」の古典的教科書と,プロジェクトXのDVDです.
 特に,建築構造,耐震建築に興味のある方に.

大学課程建築構造力学

オーム社

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(表紙の画像がないのが残念ですね.)


プロジェクトX 挑戦者たち 第3期 Vol.4 霞が関ビル 超高層への果てなき闘い

NHKエンタープライズ

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(番組は見ましたが,こちらのDVDは私自身は持っていません.あしからずご了承ください.)
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霞ヶ関ビル,貿易センタービル... 「本番テスト」されていません.

2005-05-15 | Environment
 昨日の高層マンションの話しのづつき.

 我が国最初の高層ビルは,1968年にできた,地上36階,地下3階,147mの 霞ヶ関ビル だ.施主は三井不動産,建築施工は鹿島建設であるが,構造設計は,東京大学工学部名誉教授の武藤清先生らによるものである.所謂「柔構造」の耐震建築である.
 この武藤先生の「柔構造理論」は,関東大震災でも壊れなかった, 上野の寛永寺 五重塔(寛永16年1639年の建築) にヒントを得たものであるのはよく知られている.この「霞ヶ関ビルの建築ストーリー」は, NHKのプロジェクトX にもとりあげられている.
 二つ目の高層ビルは,1970年にできた,地上40階,地下3階,152mの世界貿易センタービル(浜松町)だ.そのあとは,新宿副都心にも沢山の高層ビルができた.

 私の記憶が正しければ,1968年の霞ヶ関ビルの竣工,東京の高層ビルは,一度も震度5以上の大きな地震を経験していない.たとえ,武藤先生の理論や,その理論に基づく構造シミュレーションと設計が正しくても,実際の建物トータルとして,設計どおりに出来上がっているか?動的な構造や耐力は設計どおりになっているかどうかはわからない.

 同じ理論で設計されたいくつかのビルは,阪神の震災の中でちゃんと生き残った.しかし,東京や神奈川,埼玉の建物は,一度も「本番テスト」はしていない.また,阪神の震災でも,実際の施工の違い==工事の実装の出来不出来によって,多くの建物が倒壊したことも忘れてはならない.
 大地震で,一度も「本番テスト」されていないのは,最新設計の免震ビルも同じだ.

 私がソフトウェアの道に進んだのは,シミュレーションの面白さに取り憑かれたためだ.実験が難しいからこそシミュレーションが行われている.しかし,シミュレーションだけでは判らないことは沢山ある.
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関東にはしばらく大地震がありませんが...海辺の高層マンション本当に大丈夫ですか?

2005-05-13 | Environment
 本日,電車の中で,ある高層マンションの広告をみた.

 私の記憶では,私が東京およびその近郊に住むようになってから(38年ほど前),東京には,震度5以上の地震は来ていないと思う.
 しかし,この1000年ぐらいのスパンでは,70-80年に一度の大きな地震が,来ていることについては相当色々なデータがそろっている.
 また,東京の海辺の多くは,400年ぐらい昔からすこしづつ埋め立てられたところが沢山あることは,広く知られている.

 そういう中で,関東大震災でも被害がすくなかった地域ではなく,海辺,それも周辺のあちこちが埋め立て地であるようなところに,50F立て以上の高層マンションを立てて,本当に大丈夫なのだろうか?
 どのような境界条件と,どのようなパラメータで,どの程度の分解能(空間的,時間的)のあるコードで,構造的なシミュレーションをした結果の設計なのか?大変興味がある.
 あのような地域での建築確認時には,どれくらい,大地震での構造的安全が検討されるのだろうか?
 また,建物の構造が大丈夫だとしても周辺の地盤や道路,橋は大丈夫なのだろうか?

 もし,マンションだけのこっても,道路や橋,(同時に,上下水道や電気,ガス)が保たなければ,そこでは当然生活してはいけないのだが...周辺のインフラの被害についてはどのようにシミュレーションしているのだろうか?

 
 わたしは,一応,材料力学や構造力学,建築工法等も,少し勉強した.もし,私に豊富な資金があって,1億円以上のマンションを買う場合でも,海辺や川沿いの高層マンションを買う度胸は持ち合わせていない.目の前で,構造シミュレーションのコードと結果を見せてもらっても,無理だなぁ...

 
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Jason's Library 「水」の怖いおはなし.

2005-05-12 | Environment
 きざらぎけいすけ氏の 5/11のblogは「日本における水資源問題」の記事 だったので,それに関連した本を2冊紹介する.この2冊は,期せずしてどちらも,2003年に出版されたものだ.

『地球の水が危ない』の著者,高橋 裕 先生は,東大名誉教授の河川工学,水循環の専門家である.

 もう一方の『「水」戦争の世紀』の筆者,Maude Barlow 女史 は,政治活動家,評論家であり,オタワのカナダ人評議会(Council of Canadians)の理事を努めている.Tony Clarke 氏 は,市民運動家であり,市民活動を支援するポラリス研究所(Polaris Institute)の理事を努めている.どちらもクローバリゼーション国際フォーラム(International Forum on Globalization)の理事も努めている.世界でもっとも水資源に恵まれている国の一つである カナダのNPOの理事がこのような本を著わしているのは凄いことだと思う.
 それぞれ,経歴も,立場も違う筆者による,異なる切り口の本だが,共通するテーマは「資源としての淡水が不足している」ということである.

 日本は,イオン交換システムによる淡水ブラントでは世界一の技術をもっていると思う.個人的な意見としては,飲み水が不足している国々には,日本政府の援助(借款ではなく)で淡水化プラントを設置するのが良いと思う.


 それにしても,フランスやイタリアのミネラルウォーターの末端での市場価格が,カリフォルニアと,東京でこうも違うのは何故だろうか?どこかに,暴利をむさぼっている人たちがいるに違いない.


 水資源に関心があるすべての人に,オススメの2冊.




岩波書店

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集英社

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ナノ粒子の健康への影響 市民シンポジウム「ディーゼル排ガスと健康」

2005-04-25 | Environment
 4/24の午後は, 酸性雨調査研究会 日本環境学会 の共催による,市民シンポジウム「ディーゼル排ガスと健康」に参加した.

パンフレットによると,
「自動車メーカーは自動車NOX・PM規制の対処方法として、ディーゼル燃料の高圧噴射化をすすめていますが、このことによつて排気ガス中のPMが、人の目に見えないナノ粒子となり、人の健康に新たな悪影響を与える可能性も指摘されています。」
ということがテーマの背景となっている.

講演は以下の4件だった.

1) 米国毒性学会(3月)報告: ナノ粒子研究の世界的な動向
  島田章則 鳥取大学獣医病理学教授
 
2) ディーゼル微粒子の呼吸器及び生殖器等への影響
  嵯峨井勝 青森県立保健大学健康科学部教授

3) 短期的健康影響を明らかにする疫学研究の動向
  山本英二 岡山理科大学総合情報学部教授

4) 常時監視データーからみた東京の画的汚染
酸性雨調査研究会/日本環境学会プロジェクトチームによる報告


1) の島田先生の講演は
 a) 呼吸器系の構造と機能の復習
 b) ナノ粒子の概要
 c) 米国毒性学会の報告
 d) 14nmのナノカーボンが肺胞の血管壁を突破した実験の報告
というもので,大変よくまとめられていた.c) では,米国ではすでに,ナノ粒子の毒性について様々な可能性が具体的に指摘されていることが報告された.d) では,マウスでの実験で,14nmのナノカーボンの粒子が肺胞の細胞壁(肺胞上皮細胞,基底膜,血管内皮細胞)を通りぬけた様子,赤血球の周辺にナノカーボンが付着した状態などの,電子顕微鏡写真が示された.
 島田先生は,獣医学がご専門であり,ナノ粒子に加わる力,ナノ粒子の肺胞血管壁突破のメカニズムの詳細や,突破される粒子の大きさの閾値については,今後の研究課題となっている.
 ウィルスの大きさは,だいたい20nm-250nmであり,その殆どは,空気感染で容易に血管内に侵入するのだから,14nmのナノ粒子が肺から血管に入っても当然かもしれない.(ヘルペスやHIVのウィルスがちょうど100nmのオーダである.)
 この発表を聞いて,神様がほ乳類の肺を設計したときには,ウィルス以外の100nmオーダーの粒子は,自然の大気中にはほとんどなかったのだろうと思った.
 
2) の嵯峨井先生は,ディーゼル微粒子の生体への影響の研究の第一人者である.国立環境研から青森県立保健大学にうつられてからの研究だけでなく,10数年前の議論や,大気汚染訴訟での被告側とのやりとりなどについてもお話があった.

3) の山本先生からは,日本の環境関連分野での疫学研究の弱さが指摘された.

4) の酸性雨調査研究会/日本環境学会プロジェクトチームからは,1985-1995年の,東京都周辺の2次元的に広い範囲における,大気汚染状況についての分析が報告された.

このままいくと,高圧噴射の軽油ディーゼルは,ちょっとあぶなくて使えないのではないかと思う.(排ガス中の粒子が100nm以下では,普通のフィルターなどの現在の技術では排気を制御することはできそうもない)

 市民シンポジウムということで,一部冗長な説明,工学的に不十分な考察もあったが,全体としては,勉強になったシンポジウムだった.

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牛海綿状脳症(BSE) 問題 続編1

2005-04-18 | Environment
 きらさぎけいすけ氏のblogで 私のBSEに関する記事(4/16)へのフォロー があったので,さらに調べてみた.

 イギリスの有機農業家マーク・パーディ(Mark Purdey)氏は,伝達性海綿状脳症 (transmissible spongiform encephalopathies : TSE) について,様々な研究をおこなっており,その成果は, パーディ氏のWebサイト(英文) にまとめられている.
 [TSEとは,牛のBSE、人のクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD),変異CJD(vCJD),ゲルストマン・シュトラウスラー・症候群(GSS),クールー病,羊のスクレイピー,鹿やカモシカの慢性消耗病(CWD),猫の猫科海綿状脳症(FSE)などの様々な神経退行性の病気の総称である.]

 このWebによると,パーディ氏は,有機リン系農薬がBSEに影響しているという仮説や,土壌や環境中のマンガンの過剰と銅の不足がBSEの原因になっているという仮説を発表している.
 また,英国ケンブリッジ大学の追試によって,プリオンたんぱく質の銅が減少した部分にマンガンが過剰に付着することが確認されているという.それから,米国ケース・ウエスタン大学の調査では,CJDに侵された脳組織中で通常の10倍のマンガンの増加と銅の50%の減少が記録されているらしい.さらに,神戸大では,紫外線照射によるマンガンのプリオン細胞培養実験を行っているともいう.
 
 日本においては,一部の 食の安全に関する活動家 有機農業の団体 だけが,パーディ氏の活動や講演を取り上げているように見える.また,それに対して,日本の学会の主流派の先生には, これらのパーディ氏の仮説とそれに関する追試等の報告はあまり評価されていない ようだ.

 まさに,「なんか,変」ではないだろうか?

 私にとっては,大元が「有機リン系の農薬」だけかどうかは別としても,「環境中の金属イオンのアンバランスが,神経組織中のタンパク質に著しい悪影響を及ぼした結果TESが発症する」という,メカニズムは,工学的にも直感的に理解し易いモデルなのだが...

 

コメント (3)
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