最近、専門家によるサービス、プロのサービス、「プロフェッショナル・サービス」等について、考えさせられることが少なくない。
ビジネスの世界でよくとりあげられる、プロフェッショナル・サービスは、弁護士、会計士、医師、建築設計士、経営コンサルタントなどの専門家、あるいは、ホテルやレストランなどである。
私の生業としている、情報システムの構築やソフトウェアの開発は、医師や建築設計士と同じような側面と、コンサルタント的な側面があり、非常に複合的なプロフェショナル・サービスである。
一冊目の「コトラーのプロフェッショナル・サービス・マーケティング」は、知人に紹介されて購入したもの。
フィリップ・コトラー教授、
トーマス・ヘイズ教授、
ポール・ブルーム教授という、3人のマーケティングを専門とする有名教授の共著。訳書のタイトルに「コトラーの」とあるのは、まさにマーケティングの作戦か?
また、タイトルに「マーケティング」とついているが、前半は、「プロ」としての心構えや基本的作法について、戦略の視点からまとめられている。「サービスの質」を第一のキーポイントとして挙げられている部分を読んで、改めて、自らのサービスに関して省察する良い機会となった。
米国の、医療機関、会計事務所、法律事務所、経営コンサルタントなどを前提に書かれているが、ほんの少しだけ米国の事情を理解していれば、日本の場合におきかえても色々と参考になる。
「プロフェッショナル・サービス」に分類されるビジネスを、生業としている方には、必読書として、特に推薦したい。
二冊目の「上流顧客を満足させるプロフェショナルサービス」は、Amazon.co.jpで、他の本を物色していて購入したもの。
筆者の
酒井光雄 氏は、日本能率協会マネージメントスクールの講師等も務めるマーケティングコンサルタント。
プロとしてのサービスのポイントについて、(顧客の)「感動」と「もてなしの心」の視点からまとめてている。単なる「プロフェッショナル・サービス」ではなく、「一流」のサービスをめざそうという方には、特にオススメの一冊。
三冊目の「サービスの花道」は、地元の書店の店頭でみつけたムック。
どんなサービスがダメか、サービスとはどうあるべきかを、各界のさまざまな人が述べている。サービスの、多様性、多角性、プロとしての心構えについてとても勉強になった。
サービス業で、マネジメントに携わっている方に、オススメの一冊。
| コトラーのプロフェッショナル・サービス・マーケティングフィリップ・コトラー、トーマス・ヘイズ、ポール・ブルーム(共著)ピアソン・エデュケーションこのアイテムの詳細を見る |
目次
プロフェッショナル・サービスのためのマーケティング
プロフェッショナル・サービスのマーケティング―12のキーポイント
良質なサービスの提供
マーケティング活動の構築と強化
マーケティング情報の収集と活用
戦略計画と戦略的組織
市場細分化、市場選択、市場への訴求
顧客理解
サービス・ミックス
プロフェッショナル・サービスの価格設定
サービスの利便性確立
統合型マーケティング・コミュニケーション
プロフェッショナル・サービスのオンライン・マーケティング
顧客維持戦略と関係構築戦略
プロフェッショナル・サービス・マーケティングの今後
目次
お客様が感動する瞬間
サービスが高度化する時代のサービス
リピーターをつくるハイエンドサービス
ハイエンドサービスを実現するホスピタリティマインド
一流のサービスマインドを発揮する方法
一流のサービスを生み出すザ・リッツ・カールトンの人づくり
特集
私の好きなサービス嫌いなサービス
客の心をつかむプロ達