一ヶ月ぶりぐらいで,オフィス最寄りの巣鴨駅近くの古書店にはいって,貴重な本を入手した.
米国の哲学者で,ハーバード大学名誉教授だった
ネルソン・グッドマン
(Nellson Goodman) の「世界制作の方法」(「WAYS OF WORLDMAKING」の翻訳)である.
全くの浅学のため,グッドマンも本書も,
ソフトウェア技術者協会の機関誌「Seamail」(Vol.14, No.4, 2004) に載った,
岸田孝一氏の論文「概念設計についてのノート」の中で言及されたのを見るまでは知らなかった.
岸田氏の論文は,ソフトウェアを「実世界をモデル化したもの」として概念的にとらえ,その上で,「設計」について論じたものだった.
私は,情報システムやソフトウェアの設計を生業としている.また,日常の業務とは別に,「ソフトウェアの設計」について研究しており,関連する文献を色々と集めている.
岸田氏の論文をみて,そこで言及されていた,グッドマンの本に非常に興味をもったので,Amazon.co.jp で「世界制作の方法」を検索したところ,版元品切れであり,マーケットプレースでも,7000円以上の値段がついていたので,とりあえずは,ペーパーバッグの原書を入手していた.
現在,マーケットプレースでの価格は,なんと9800円である.1987年の出版で,定価2500円であったので,約4倍の価格になっている.
私が巣鴨の古書店で入手した価格は,わずかに 1500円だった.この翻訳には,原書にはない,用語解説と,訳者あとがきがあり,学術的文献としての資料性も高い.
神保町の大きな古書店でなく,地元の小さな古書店にも,どんな希少本がうもれているかわからない.古書店の店主が詳しくない分野の本は,コレクターズアイテムとなって元の値段の数倍で取引されているようなものでも,今回のように定価の40-60%で販売されているかもしれないのだから.
原書に興味がある方はこちらをご覧ください.