以前から,人間の脳室の形について「変な形しているな」とおもっていた.
2008-05-30の記事で紹介した本や,他の解剖学の本をみていて,気がついたことがある.
2008-05-24の記事「脳脊髄液減少症: 脳と圧力 -流体力学者の視点-」を書いた時は気がつなかったが,そのあと,流体の講義の準備と解剖学の本の相乗効果から,ふと思いついた.
脳室の形状については,例えば「脳外科医 澤村豊医師」のサイトの記事がわかりやすいと思う.
細かい計算をしてみたわけではないが,色々な解剖学系の資料を見た私見では,側脳室とよばれる左右の脳室が,あのような形をしているのは,
浮力による圧力を分散する
脳の重心位置のバランスをとる
ためであるように思う.
脳の内側の空洞で,脳脊髄液で満たされる部分は,浮力を受け持つ脳の表面積を増やし,また,側頭葉のマスを減らして,重心位置をかえ,断面2次モーメントを小さくする効果があるのだと思う.
脳脊髄液減少症の患者さんのCTかMRIの画像のなかに,側脳室が縮退している画像をみたことがある.
上述の視点で脳室の脳脊髄液との関連での流体力学的な効果仮説が正しいとすれば,脳脊髄液減少症の後遺症としての側脳室が縮退は,脳に以下のような負荷を与えているということになる.
脳表面に加わる単位面積あたりの応力の増加
脳の重心位置のずれ
# 脳が外から回転力をうけたときの,力のかかり方の変わる.
ブラッドバッチで,脳脊髄液のもれをとめても,色々な症状がのこっている患者さんで,側脳室が縮退が改善してない人の場合には,「側脳室の体積と表面積の減少」そのものが,上述の「脳への負荷」を発生させているという視点での,検査と治療が必要なのではないだろうか?
脳脊髄液の量がある程度以上回復していても,側脳室の体積と表面積のある程度の減少があるだけで,脳への浮力と重力の影響が大きくなることは,原理的に明らかである.
特に,脳室の「表面積」減少は,(圧力は「面積当りの力」であるので)脳への圧力の増加に直結している.
※文章を少し修正しました.カテゴリーを訂正しました. 2008/06/29
2008-05-30の記事で紹介した本や,他の解剖学の本をみていて,気がついたことがある.
2008-05-24の記事「脳脊髄液減少症: 脳と圧力 -流体力学者の視点-」を書いた時は気がつなかったが,そのあと,流体の講義の準備と解剖学の本の相乗効果から,ふと思いついた.
脳室の形状については,例えば「脳外科医 澤村豊医師」のサイトの記事がわかりやすいと思う.
細かい計算をしてみたわけではないが,色々な解剖学系の資料を見た私見では,側脳室とよばれる左右の脳室が,あのような形をしているのは,
浮力による圧力を分散する
脳の重心位置のバランスをとる
ためであるように思う.
脳の内側の空洞で,脳脊髄液で満たされる部分は,浮力を受け持つ脳の表面積を増やし,また,側頭葉のマスを減らして,重心位置をかえ,断面2次モーメントを小さくする効果があるのだと思う.
脳脊髄液減少症の患者さんのCTかMRIの画像のなかに,側脳室が縮退している画像をみたことがある.
上述の視点で脳室の脳脊髄液との関連での流体力学的な効果仮説が正しいとすれば,脳脊髄液減少症の後遺症としての側脳室が縮退は,脳に以下のような負荷を与えているということになる.
脳表面に加わる単位面積あたりの応力の増加
脳の重心位置のずれ
# 脳が外から回転力をうけたときの,力のかかり方の変わる.
ブラッドバッチで,脳脊髄液のもれをとめても,色々な症状がのこっている患者さんで,側脳室が縮退が改善してない人の場合には,「側脳室の体積と表面積の減少」そのものが,上述の「脳への負荷」を発生させているという視点での,検査と治療が必要なのではないだろうか?
脳脊髄液の量がある程度以上回復していても,側脳室の体積と表面積のある程度の減少があるだけで,脳への浮力と重力の影響が大きくなることは,原理的に明らかである.
特に,脳室の「表面積」減少は,(圧力は「面積当りの力」であるので)脳への圧力の増加に直結している.
※文章を少し修正しました.カテゴリーを訂正しました. 2008/06/29