久しぶりに時事的な話題を一つ.
今回の新しい内閣では,内閣府特命担当大臣という肩書きの方が,6名いる.
そのうち,私の仕事に一番関係あるのは,
「科学技術政策,食品安全,情報通信技術担当」
大臣であろう.
しかし,今回,この役職に就任された方は,なぜか,
東京大学法学部卒業
通産省OB
という経歴をお持ちの方である.
通産省時代に,多少,情報通信技術にかかわっていたかもしれないが,もしそうだとしても,大昔のことあると思われるので,現在のITに関わる政策判断には役に立つとは考えられない.
「狂牛病」の例からもわかるように,食品の安全に関わる問題も,完全に先端科学の領域である.
どう考えても,21世紀の,食品安全,情報通信技術担当大臣が,法学部出身者で勤まるとは信じられない.
「厚生労働大臣」は,労働や年金の問題だけでなく,医療,公衆衛生,福祉の政策についてリーダーシップを発揮できなければならないはずだ.
しかし.今回,この役職に就任された方は,
慶応義塾大学商学部卒業
松下電器産業株式会社
郵政政務次官
運輸大臣
という経歴の持ち主である.
もちろん,医師や,公衆衛生の専門家でも,「厚生労働大臣」として適性があるかどうかは一概にはいえない.
しかし,商学部出身で,電器メーカー勤務の経歴の持ち主では,医療や公衆衛生の問題について,官僚の作成する資料(その理解には,科学,医学,疫学などの知識が必要であろう)を,適切に理解することも容易ではないと思われる.
自由民主党には,理科系の国会議員はいないのだろうか?
もしそうなら,竹中大臣を最初に抜擢したときのように,民間からそれなりの専門家を採用しても良かったのではないだろうか?
例えば,科学技術政策,情報通信技術担当大臣には,
ベテランなら,西澤純一 先生 (東北大学総長,岩手県立大学長,首都大学東京学長)
比較的若手なら,村井純 先生 (慶應大学教授)
なんてどうだろうか?
食品安全担当は,IT担当とは別けて,バイオ系や疫学に強い人,科学政策についても判る人がよさそうな気がする.
林 正男 先生(お茶の水大学)
はどうだろう?
追記:
この話しに関係する話題は,
5/18 の blog にもあります.