
今さっき電話があった。
動物病院からだった。
ハナちゃんの状況がもう待てない状態なので、まだ血が固まるとこ
ろまで行ってはいないけれど、昨日よりは多少、固まるようにはな
ってはいるが、これ以上待つと本人の方がくたばってしまうと言う
事で緊急手術を行ってもよいですかと言う話だった。
女房ともそのことについては昨夜帰ってから話していた。
血が止まるようになると言っても、そんな一日やそこらでどうにか
なるものではないので、それまでにハナちゃんが頑張れるかどうか
だよねと言う話をしていたのだ。
電話の内容はまさにそのとおりだった。
今手術をするのは危険な状態ではあるけれどもう待っていたら余計
に危ない、危ない橋ではあるのだけれど、ハナちゃんの状態を考え
るともう待てないと言う事だ。
ハナちゃんは今年12歳。
完全室内飼いだから、避妊はせずに自然のままで行こうと決めた。
ただ、避妊をしておかないと、こういう事も起きうるから、避妊は
しておいてほうがいいよと言われてはいた。
それは頭にあったけれど、12年間風邪はおろか下痢すらしたこと
もない丈夫な子だったので、大丈夫と思っていた矢先の悲劇である。
やはり避妊しておくべきだったと今更後悔してもしょうがない。
そうしようと決めたのは私である。
危険な手術で午後一杯掛かるといっていたけれど、もしもの事があ
ったならそれは全てわたしの責任だ。
ハナちゃんにどう責任を取ったらいいのか分からない。
わたしは無神論者だ。
だが、虫のいい話かもしれないが、神様なんてものが居るのなら、
どうか命だけは助けてやって頂きたい。
わたしが替わりになれというなら結構だ、喜んでこの身体差し出そ
う。
手術がうまくいけば、夕方6時頃見舞いに来てください、もしもの
事があれば、その時点でお電話差し上げますと言っていた。
この電話機が、わたしたちが見舞いに行くまで鳴らない事を祈るし
かない。
祈るものすらないが「ハナちゃん頑張れ」と願うしかないのである。