レッスンでは、大抵、生徒さんから近況を英語で言ってもらう。他の英会話でも、だいたいネイティブが What's new? とか Anything new? とよく聞くものだ。外国人は気軽に聞くのだが、これほど日本人を悩ますものもない。近況と一言で言うが、英語で近況で言うのは、なかなか難しいものである。
この間のレッスンでは、ある生徒さんに近況をお聞きすると、少しお肌のトラブルがあったので病院へ行ったとのこと。熱心に英語を練習されている方で、教室のドアを開けた瞬間から英語を話し始め、こちらが説明のために日本語に切り替えたとしても、すぐ後に英語で話し始めるという気合の入れようである。難しいな、何て言うのかな、と言いつつ、一生懸命英語で話し続ける。それでこの間病院へ行った経緯を英語で説明をなさった。医師に薬を処方され、『いつ治りますか』と医師に聞いたところ、『日にち薬ですね』と医師に言われたとのこと。この『日にち薬』を英語で何というのかと教室で質問を受けた。
『日にち薬』とは一体何だろうか?
こういった場合、私はすぐに答えない。生徒さんと一緒に答えを考える。私が言えても仕方がない。私達の仕事は、生徒さんが自力で英語を話せるように手助けをすることだ。私は、答えない代わりに質問をする。質問をすることで、自分で考える習慣を身につけてもらう。質問をして、自分の頭で考えて、自分の中に答えを見出すように仕向ける。
さて『日にち薬』とは英語で何と言うのだろうか。直訳して day medicine 等と言ったとしても、何のことやらわからない。
どういう状況で『日にち薬』と言われるのだろうか。
医者は、患者に適切な薬を処方する。患者は言われた通りに、薬を飲む。あとは薬の効能により、自身の体の自然治癒力にまかせる他はない。
回復をあせるのではなく、じっくりと時間をかけて回復を期待することが『日にち薬』ということだろう。ということは、簡単に言うと、医者は患者に『日にち薬』と言うことで、どういう意図でアドバイスをしているのかと考えると、薬を飲んだら効果が出るまで、じっくり待ってほしい、ということ。要するに『待つ』。待つということは英語で wait 。したがって、
・The doctor said I should wait for a while.
いつまで待つか。よくなるまでである。
・The doctor said I should wait for a while until I get well.
get well は回復するという意味。
さらに考える。
回復するということは、いつも通りになること。いつも通り=元気=オーケー。よって、
・After 2,or 3 days, you will be O.K.
回復ということは、再度オーケーになること。again を使い
・After several days, you will be O.K again.
というのもよいだろう。
他にも
・You will need a couple of days. Then, you will be fine. なども簡単かつ正確であろう。
『日にち薬』というのが、考えたら、こうも簡単になるのである。
数個の質問だけで、先の生徒さんは上記のような英語を自力で出すことができた。
大事なのは答えではない。
問いである。
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