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幸福の王子は再建されるか

2012年01月03日 21時49分23秒 | 生活・文化
幸福の王子は、一羽のツバメに頼み、医者にかかるお金もない貧しい人々へ身から宝石を取り外し、運ばせた。
最初は、可憐に煌びやかな英雄的銅像に寄り付いたツバメは、次第にみすぼらしくなっていく王子の愛情に身をつくすようになっていた。
寒い冬が来て、王子はツバメに暖かい国へ帰るように言うが、ツバメは王子の元を離れず、そのまま凍死した。
宝石を失った王子の銅像は街の人々により取り壊されることになった。

何と献身的なツバメなのか。
しかし、ツバメは報われることなく、王子と共に天国へ行った。
その後、宝石を貰った貧しい人々は医者に行くことが出来、病気を治すことが出来た。
その幸福は何ものにも変えられるものでなかった。

過去の英雄を称えて建てられた銅像も煌びやかな宝石なくしては滅ぼされるに至った。
豊かな人々の崇拝は過去の栄光と宝石。
その栄光と宝石のプライドが貧しい人を生みだし、
その宝石がその貧しい人々を救い、栄光は滅んだ。
英雄は称えられても人々を誘導することが出来ない。
身を滅ぼすことでしか貧しい人々を救えないのか?

宝石で救われた人々は何を思うだろう?
崇拝すべきは英雄でもツバメでもない。
何を市民の象徴とすべきか?
献身へ変化した王子とツバメから、まやかしの世の中を廃絶する、普段の世の中へ戻すことに市民の活動があると知る。
一時の幸福はいずれ失われる。
永遠の幸福とは、作り出すことでなく、間違いを廃絶するために新たに変わり続けることだと知る。

間違いを正すために闘う英雄の魂は一つ、その身を滅ぼすことで他を救う。
これしか今はわからない。