太り過ぎた牛のような孤独の
かく脂汗を毎日のようになめ
いたずらに魂を傷めていました
世界は閉じた自分の中にだけあると
決め込んでいたことに
気づきもしませんでした
空は高かったことに気づいたのは
飛べるようになってからです
すべての答えは自分の中にある
というのは本当でした
しかしそれを理解するには
自分だけの力ではできませんでした
私達は愛を必要としていました
この世に一人でも憎むものがいることが
どんなに命を傷めるかを
学ばなければなりませんでした
そのためにこそ全ての過ちがありました
憎悪も 悲哀も 不幸も
戦争も
失ったものは再び得られるでしょう
死を恐れさえしなければ
タンポポの種が
地に落ちることを
恐れさえしなければ
(2003年)