ときおり
光の中で
木のように
立ち尽くしていると
叫びだすような喜びに
全身を貫かれてしまう
ことがある
沈黙の形に
閉じ込めてはいるけれど
魂はもう空を飛んでいる
微笑が 光の珠のように
瞳からこぼれ出て
声にならぬ愛の言葉が
私の全てを埋めて
あふれかえってしまう
何もかもを
だきしめてしまいたくなる
ああ
木々が
全てのことに耐えて
立ち尽くし
続けているのは
このせい だったのか と
ただ 立ち尽くしているだけで
風にそよぐ木々は
ふりそそぐ光を
私たちのための声に
変えているのだ と
(1997年ごろか)