Joy Yoga

中東イスラエルでの暮らしの中で、ヨガを通して出会う出来事あるいは想いなど。

ハヌカ ~光の祭り~

2011-12-28 09:48:05 | イスラエルの行事
12月20日から27日の間、こちらでは「ハヌカ」というユダヤ教のお祭りがありました。
私は歴史が不得手なのでごく簡単な説明に留まりたいと思いますが、このお祭りは紀元前2世紀頃にユダヤの民がギリシャの支配下にあった時の逸話に由来しているそうです。

当時この地を治めていたアンティオコス4世という人物は、ヘレニズム文化一辺倒で統治を進めていたためにユダヤ教徒を受け入れられず、一切の宗教的な習わしを禁じ、さらにはエルサレムを破壊するという行為にまで及びました。
それに対してユダヤ人たちは憤慨し、ハスモン家のメンバーを先頭に立ち上がり反乱を起こします。ついにはギリシャ軍に占拠されていたエルサレムの神殿を奪回しますが、その時に神殿内でひとつだけ破壊を免れた油壺が残っているのを彼らは見つけます。
その油壺に入っている油は1日分にも満たないはずなのに、いざ灯してみると8日間灯り続けたのだとか。そのためハヌカは8日間お祝いが続き、「光の祭り」の他に「神殿清めの祭り」とも言われています。
この神殿での奇跡を祝福する慣習がユダヤ社会では二千年以上経った今も引き継がれているわけです。

このハヌカも例に漏れず、ユダヤ暦に基づいていますので西暦に照らし合わせると毎年少しずつ前後にズレますが、概ね12月にやってきます。
日没後にハヌキヤと呼ばれる燭台に、初日は1本、2日目は2本という具合に毎日1本ずつ本数を増やしながらキャンドルに火を灯していきます。
写真は昨日の最終日8日目のもの。種火となるキャンドルがひとつありますので、よく数えるとキャンドルの炎が9つあるのがおわかりかと思います。



クリスマスをお祝いしないユダヤ人社会に居てもネットを開けば世の中はクリスマス。
みんなが盛り上がっている時期にそれを外野で見過ごすしかないのはどうも寂しいというのが実は正直なところ。
ですが、この優しい光のおかげで心が静かに温まります。


今年も残すところわずかとなってまいりました。
あの大震災によって、今年は多くの人が自分の価値観や人生観を根底から見つめ直す年になったと思います。
絶望の中に光を見出した人もいれば、その反対に明日という未来に暗闇しか見出せなかった人もいることでしょう。
たとえ誰かが試練に耐え得なかったとしても、それを弱さのせいだけでは片付けられないこともあるということを、私自身は少しばかり学べたかもしれません。
その学びを今後どう活かしていくのかということについての答えは急いで出すものでもないでしょうから、それはまたいつかの機会に。


今年も温かく見守ってくださった皆様に心から感謝をしつつ。

Namaste & Shalom,
Nozomi

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
☆ あきのさくらさん ☆ (Nozomi)
2011-12-29 23:13:04
キャンドルの炎のぬくもりを感じるために照明を消しました。
ぬくもりを確認するために、人は時に暗がりを必要とするものなかのかもしれませんね。
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あったかい (あきのさくら)
2011-12-29 10:32:39
ほんとだ。炎が9コある。

キャンドルの写真が、言葉を絡め取ってくれました。
真実はシンプルで、そういうものである。

あったかい気持ちでいっぱいです。
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