＜パン屑＞ マタイ6:34

明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である。　マタイ6:34

「明日のことまで思い悩むな」と言われても、それは無理なことである。今日は明日の前日であり、明日の予定は今日立てておかねば、明日では間に合わない。明日には明日の悩みがあるだろうが、今日の悩みは明日のことである。それが現代人の普通の生き方である。明日のスケジュールがしっかりしていて、しかもその通りになると言う保証があれば、少しも明日のことを悩まなくてもする。たとえば、牧師も次の日曜日の説教のことで悩む。説教が出来上がっていれば、安心できるが、そうでなければ、いらいらして悩む。明日どころか、わたしなどは次ぎの次ぎの日曜日（5月25日）の説教に苦労している。「明日のことまで思い悩むな」というテキストがそこに含まれている。何という皮肉か。
前期高齢者であるわたしにとって、後期高齢者の医療問題は「明日の悩み」である。これを悩むなと言われても、やはり悩む。この場合は、「悩む」と言うより「怒り」である。先日、テレビで瀬戸内寂聴（晴美）が全国の高齢者が議事堂の前で座り込みをすればいい。そうすれば、大勢の高齢者が一度に救急車を呼ばなければならないことになるだろう。このデモを実際に企画し、実行することは難しいと思うが、それぐらい怒っている。