＜パン屑＞ マタイ25：8

油を分けてください。わたしたちのともし火は消えそうです。　マタイ25：8

10人の娘がいた。彼らは王子の結婚式で王子を迎えるという重要で、しかも非常に名誉ある任務が与えられた。王子を迎えるのにもっとも大切なことは「ともし火」をともして迎えるというセレモニーであった。彼女たちは大はりきりで、十分な油を準備して王子がくるのを待っていた。しかし、人生には予想もしなかったことが起こる。理由はわからないが王子の到着が大幅に遅れた。待ちくたびれた娘たちは寝込んでしまった。いざ、王子が到着したとき、5人の娘たちは油が切れてしまって迎えに出ることはできなかった。外の5人の娘たちは、どんな異変が起こっても油ぎれがないように、無駄と思われる油壺を別に用意していた。それで、いざという時、それが役だった。
今度のオリンピックで、事前にマスコミによって騒がれた選手たちが軒並みに敗れた。彼らは本番前に、過重な練習とマスコミ対応で、エネルギーを使い果たしてしまったらしい。その代わり、あまり騒がれなかった選手たちの活躍がめざましかった。
とくに、男子マラソンで金メダルを勝ち取ったワンジル選手（ケニア）は、レース後、流暢な日本語で「我慢した」と発言した。この我慢は苦しい中を歯をくいしばって頑張ったという意味ではない。むしろ、レース前も、レース中も、エネルギーの消耗量を強い意志によってコントロールしたという意味であろう。
何か、現代の諸問題に対する答えがここにあるような気がする。