神奈川工科大学/災害支援関連ブログ

2011年4月開始の「東日本大震災被災者支援ブログ」を名称変更し、さらに広い支援活動に関する実践、教育、研究を掲載します

南三陸町でのボランティア報告 その7

2011-10-14 10:04:07 | ボランティア
(下島君のボランティア報告、これが最終回です。)

(中略)
 その工務店の社長は、今後も支援してくれる人たちに感謝の意を示し続ける、それが自分のできることだという。
 みな、てんでばらばらに、異なる理想を語る。けれど、どの人もみな復興へ向かうポジティブな気持ちに溢れていた。話を聞きながら、私は宮沢賢治の童話をぼんやりと思い出していた。
 僕たちは決して銀河鉄道の乗客ではない。なぜなら彼らは生き残り、これからも生きていこうと前向きになっている。だから、ここはイーハートーブのポラーノの広場なのかもしれないと、そう思った。私たちはポラーノの広場を見つけたのだ。水ではなく、お酒を飲んではいるけれど。
 日が沈み、板張りの宴会場でジャズの演奏がはじまった。最初の曲はサマータイム。吹き抜けの天井にベースの音が反響する。
 好き勝手に過ごしていた大人も子供も、一斉に宴会場に集まってきた。被災者も、ボランティアも、みな同じ音楽に耳を傾け、拍手をする。

 まさしきねがいに いさかうとも
 銀河のかなたに  ともにわらい
 なべてのなやみを たきぎともしつつ
 はえある世界を  ともにつくらん
  (宮沢賢治『ポラーノの広場』より)


<下島君は詳細で長文の原稿を書いてくださっていましたが、ここに紹介したのはその一部です。短いボランティア活動の中でも、さまざまな出会い、それを通して考えさせられたことがあったこと、それを皆さんに伝えたいと思いました。>
KAIT支援ブログ管理者

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