乳酸菌には整腸作用があるほか、インフルエンザやアレルギーにも効果が期待できるとして
注目を集めています。では、どのような食べ物に乳酸菌が多く含まれているのでしょうか。
乳酸菌と言えばヨーグルトを思い浮かべがちですが、そのほかにもさまざまな食品に
乳酸菌が含まれています。
はっ酵乳が使われた動物性乳酸菌を含む食品 ヨーグルトやチーズといった動物性食品を
発酵させる乳酸菌のことを動物性乳酸菌と呼びます。乳を、乳酸菌によって発酵させることで、
旨味や風味が増すとともに、身体にもよい効果が期待できます。
◆動物性乳酸菌を含む食品には、以下のようなものがあります。
●はっ酵乳(ヨーグルト) とは、乳(または乳と同等以上の無脂乳固形分を含む乳など)を、
乳酸菌(または酵母)ではっ酵させ、糊状(または液状)にしたもの、または凍結したもので、
無脂乳固形分(脂肪を除いた固形分)は乳と同じ8.0%以上、乳酸菌(または酵母)の
数はmlあたり1000万個以上と規定されています。 具体的には、 ・ハードヨーグルト
・ソフトヨーグルト ・飲むヨーグルト ・フローズンヨーグルト のことです。
●乳製品乳酸菌飲料 はっ酵乳に糖液や香料などを加えたもの。
この中には生菌タイプ(生きた菌を使ったもの)と、殺菌タイプがあります。無脂乳固形分は
3.0%以上、生菌タイプのものは乳酸菌(または酵母)の数は1mlあたり1000万個以上。
生菌タイプにあたるのがヤクルト(カゼイ・シロタ株)やピルクル(カゼイ・NY1301株)です。
乳製品乳酸菌飲料(殺菌タイプ)にあたるのがカルピス。殺菌済みだから常温保存できる。
●乳酸菌飲料 こちらも、はっ酵乳に糖液や香料などを加えたものですが、無脂乳固形分は
3.0%未満、乳酸菌(または酵母)の数は1mlあたり100万個以上とされています。
●チーズには、ナチュラルチーズとプロセスチーズがあります。
生きた乳酸菌が含まれているのはナチュラルチーズで、「乳に乳酸菌や凝乳酵素を
加えて固めたもの、またはそれを熟成させたもの」と定義されています。
●発酵バター 生クリームやバターを乳酸菌によって発酵させてから作るバターのこと。
一般的なバターは発酵していませんが、一部メーカーによっては発酵バターにこだわって
生産・販売しているところもあります。
◆植物性乳酸菌を含む食品には、以下のようなものがあります。
●漬け物 糠漬けや醤油漬け、塩漬け、味噌漬けなど、しっかり発酵させた漬け物には
乳酸菌が豊富に含まれています。これは、素材にもともと付着している乳酸菌が、
野菜などからしみだした糖分をエサにして乳酸を作りだし発酵するためです。
しかし、市販の漬物には乳酸菌はほとんど入っていない場合があり、逆に、本来ない
保存料のソルビン酸などの添加物まで入ったものがあります。
●味噌や醤油は、原料である大豆に麹や塩を混ぜ、乳酸菌による発酵によって作り
出されます。一般的に販売されている商品は、出荷前の殺菌によって乳酸菌が
死滅してしまうことが多いので、本格的な熟成方法である「天然醸造」の味噌を選ぶ
ことです。