刊行されたのは'78/12らしい、私はその頃、伊丹十三さんの本を読んでおり、
その流れで、伊丹十三さんが傾倒していた精神分析関係の世界に興味を持った。
私は'77年に高校を卒業した後1浪し、翌'78年に桑沢デザイン研究所に
入学したのだが、その多感な時期に出会ったのが『哺育器の中の大人』だ。
自分自身の人生という試料をフロイトの精神分析という顕微鏡で拡大観察した
岸田秀先生から、伊丹十三氏という類まれな聞き手が引き出す世界が新鮮だ。
そして私自身も自分の人生を『哺育器の中の大人』という顕微鏡で
拡大観察するのであった。