少し早い出勤時間、浅間山が朝日に光る。
あの日もこんな浅間山をも少し遠くから見ていた。
12月9日、義兄の命日だ。
四年前の今日、突然命の灯が消えてしまった。
金沢の旅から帰りお土産を届ける。
「パパが風邪引いて寝てるんだよ、医者に行けっていうのに頑固だからさ…」姉にお土産を渡し義兄とは顔を合わせなかった。
翌朝、出勤前にコンビニ寄る。
なんとなく胸騒ぎ、スマホを見ると姉からのライン…
「パパが倒れた。今、病院。」
「ダメそう」
「ダメだ」
なんだか分からないまま病院へ急ぐ。
救急外来の受付で名前を言うと処置室に案内された。
血の気のない土色の顔をした人が横たわる…、突然の想像したこともなかった出来事に呆然とする。
何も考えられなかった。
それからのことは、次から次へとやらなくてはならないことに追われ気が付くと葬儀が終わっていた。
大切な人が突然消えてしまう…考えたくないことだが人の別れとは必ずやってくることだ。
自分が先に消えるか相手が先に消えるかは分からない、自分が消えれば、その先のことは分からないのだ。
忘れてはいけないこと『幸せとは自分の大切な人が笑顔で暮らせること』だ。
大切な人がこの世にいてくれる、生きていてくれる。その人が笑顔で暮らせている、ならば自分も幸せに暮らせているのだ。
貴方がこの世に存在するだけで良い。
先日、俳優の渡辺徹さんが亡くなられた。
糖尿病の持病があり敗血症だったそうだ。
義兄と全く同じ、糖尿病があり風邪のウイルスからの敗血症、まだ60代であった。
この頃、有名人著名人でも自分達の世代、名をよく聞いた人が他界されたニュースを聞くことが増えた。
知り合いでも病んでいるとか聞くことがある。
私も来年は60歳になる。
父が倒れたのは64歳、父方の祖母は68歳。義兄は67歳で突然死。
長いと思っていた人生の終わりもそう遠くは無いかなと思うこの頃。
なのに、つまらないことに日々翻弄されている。
自分が突然消えても悲しむ人はいないと思うが、後片付けに手をわずらわせて恨まれないように…身軽にしておかなくてはと改めて思う。