笠山は目をつむっても一周できるくらい歩いていますが
植物観察をしながら山頂を踏んでどれくらい時間がかかるのか。
いつもやっている観察会は登山が目的ではないので
主催者が設定したフィールドで
帳尻合わせして時間通りに終えるパターンですが
5月の案内では観察会と登山
どちらもメインになるので、こりゃ難しいですね。
累積標高から歩行距離、そしてその後の宿泊先までの移動時間など
とにかくルートと時間をシビアに設定して予定を出さないといけないので
とりあえず案内当日のことを想定して歩いてみました。
二次原生林ってあまり聞かない言葉ですが
原生林が一度何らかの攪乱によって破壊されて
その後、自然に回復してまた原生林の様相となったもの
で、良いですかね ^-^;
笠山は超特殊環境ゆえに植生がとにかく面白いですよ
毎年同じことを書いてしつこいですが(笑)
対馬暖流の影響を受けていることもあり非常に温暖
暖地性植物で構成されています
暖地性のタマシダ
南九州の森みたいな雰囲気なのよね。
ところが!笠山は火山であり、溶岩の隙間から冷気が噴出しています
この「風穴」の周辺は真夏でも12~15℃と天然のクーラー ^-^;
10℃前後の冷気が流れ出る場所もあります
冷涼な環境を好むコタニワタリ
つまり、暖地性植物と寒地性植物が混生するという
不思議な植生となっています
ホウビシダ(暖)とコタニワタリ(寒)の通常ありえないコラボ
「暖」の植物と「寒」の植物の出会いによって
他の場所では起こりえない自然交雑種が生まれます。
数多い希少種のうち2種については世界中探しても笠山にしかない
笠山固有種です ^-^。
盗掘が怖いからあまり詳しいことは書けませんが。
また、県内でも笠山でしか見られない植物は多いですし
国指定天然記念物のコウライタチバナは
笠山と済州島(韓国)にしかない世界的希少種です
コウライタチバナ
山頂に到着。
山頂から火口に下れます
よく似ていますが
左がテイカカズラの種子
右がサカキカズラの種子
サカキカズラは南方系でやや珍しい植物
当日は晴れることを期待していますが
私は雨男です(笑)