「中国戦線、ある日本人兵士の日記」

新日本出版社から21年に刊行された310ページに及ぶ大部の書。この書を出版までもっていったのは、「ある日本人兵士」の娘さん。
父が1937(昭和12)年から1939(昭和14)年に除隊できるまで、中国(当時「支那」と呼んでいた)に派遣されていた一人の日本兵だったが、彼が従軍していた間に記していた日記をもとにして出版にこぎつけた書である。

私の父も、母と結婚し、私と弟の二人が生まれてまもなく兵役に就くことになり、中国に派遣され、1942(昭和17)年にこの地で死んだ。公的には「戦病死」だったから、交戦中での死ではなかったが、これが逆に私たち遺族(母と二人の子)にとっては、父が死の床でどれだけ悔しい、悲しい思いをして息を引き取ったか想像にあまりある。詳しいことは全くわからない。当時の本籍は新潟市だったから、この市役所に「戦病死」関連のことを知りたいと照会したが、戦中戦後の火事などで詳細はまったく分からない、ということだった。

今となって、父の死を想像する中で、上の書を知った。「ある日本人兵士」は小林太郎という名である。兵役に従事している状況が詳しく分かる。「ウチの親父もこういう状態で数年間彼の地で苦闘したのか」という思いがわくのだ。


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