「ローマ人の物語」1

塩野七生さんという作家(ローマ史の専門家)が1992年から2006年までかかって書き上げた書物である。文字どおりのローマ帝国興亡の歴史だ。

たまたまここ2日ほど体調が悪く、早退してヒマな時間があったこともあり、この文庫本を手に取ることになった。新潮文庫にすれば34巻まである。最初の「ローマは一日にして成らず」の2冊だけ買って読み出した。まさに歴史の醍醐味という感想だ。
これまでほとんど中国史、日本史の世界に興味を持ってきたのだが、ローマの興亡がもつ意味と教訓は実に豊かだという印象である。「温故知新」、それを地でいく物語。ローマの歴史から今の日本が示唆されることが非常に多いようである。

第一巻の帯の文章を紹介しておこう。
「知力では、ギリシャ人に劣り、体力ではケルト(ガリア)人やゲルマンの人々に劣り、技術力では、エトルリア人に劣り、経済力ではカルタゴ人に劣るのが、自分たちローマ人であると(中略)ローマ人自らが認めていた。
 それなのに、なぜローマ人だけが、あれほどの大をなすことができたのか。一大文明圏を築き上げ、それを長期にわたって維持することができたのか。…『なぜ、ローマ人だけが』と。」

イタリア政府より「国家功労勲章」を授与された作家で、今日が彼女の誕生日(1937年生まれ)だという。 
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