てんぱっていきまっしょい。

国内旅行をこよなく愛する人間の日記です。でも最近は出かけてないよねぇ。(現在コメントは事前承認制にしています。)

映画:さんかく窓の外側は夜(6)

2021年12月21日 | 映画:さんかく窓の外側は夜

前回、警視庁捜査第一課殺人犯捜査第9係の刑事である半澤日路輝(はんざわ ひろき) - 滝藤賢一 を
自分たちの結界役として、敷地の外で待たせ
中に入って行った 
冷川理人(ひやかわ りひと) - 岡田将生 と 三角康介(みかど こうすけ) - 志尊淳
冷川は、息遣いが荒くなっていく康介に
三角くん、よく見て。
と、伝える。

そこに、実体はないが 非浦英莉可(ひうら えりか) - 平手友梨奈 の気配が現れ
誰? 威嚇する。

大丈夫、(康介)具合悪いの?
そう問いかける半澤に

ここは、変です。とても。
そう伝える冷川。

あぁ、やっぱり。(や、意味ちがうけど。)

故意に作られたポイント・・・。

あなた、誰?
再び非浦英莉可の気配が現れる。

恐ろしさに倒れ込む康介。
彼が冷川に抱きかかえられる様子を見た半澤も、さすがに異変があると気づき
近づこうとするが、冷川が制止し康介を連れて結界へと戻る。

事務所に戻り、倒れた康介を寝かせる二人。

何やった。

分かりません。

これやばいぞ、どうすんの。

冷川は、康介の頬を軽く叩いて名前を呼び、意識を取り戻そうとする。

昔の康介の記憶

あの時、他の子に肩を小突かれて仲間外れにされた康介。
河原のブロックに足をかけ、水辺で遊ぶ他の子どもを呼び戻そうとする。

なんだよ、まだいたのかよ。

おい、こっち見んじゃねぇ。

うぜぇんだよ、嘘つき。

あっち行け、死ね。

一人の子どもが傘を杖が代わりして、ゴム長を履き水辺を歩く。
しかし、水の底には頭の帽子に釣り糸を絡ませた、あの黒い影のような人影がいた。
元の道へ帰ろうとした康介だったが、振り向いて子どもたちを見ると
3人のうち一人が姿を消したらしく、2人が助けを呼んで大人を探していた。
濁った水の上には、ゴム長が片方だけ浮いていた。

三角くん、三角くん・・・。

冷川の自分を呼ぶ声で目を覚ました康介。
あれは夢、昔の出来事だったのだ。

え、アレ?

康介は、自分が黒い影を放置したことで、子どもが死んでしまったことを後悔していたのだった。
悲しい夢に涙を浮かべる康介。

彼に寄り添い、肩を抱く冷川。
大丈夫、大丈夫です。
そう言って、康介を落ち着かせる。
超現実主義の半澤でも、そんな康介のナイーブさに気持ちが動かされた様子だった。

翌日、公園で康介と待ち合わせた半澤。
ヒウラエリカについて、データを照会したらしい。
全国に十数人、同性同名の女性がいたが前科がある者はおらず
バラバラ殺人の被害者とも、誰一人接点がないという。

どうなんだろうな、そんな女は実在しないんじゃないか?
半ば康介を慰めるような気持ちで、半澤は問いかけた。
康介の身体を気遣っている様子さえ見受けられた。

倒れたことで心配をさせてしまい、詫びる康介。

半澤は、「冷川は変わった奴で一緒にいるのは大変だよなぁ。」と
これでも康介を気に入っているらしい。

ひとつだけ言っておく、のまれんなよ。

えっ?

冷川がこんなふうに他人とツルむのは初めてだから、いいことだとは思うが
冷川がまともな人間であると、自分は断言してやれないからというのだ。
半澤は本部から呼び出され、本部に戻っていく。

ベンチに一人取り残された康介が、ふと隣をみると
そこには非浦英莉可が座っていた。

アナタ、誰?

自分の隣に座っているこの女性は、あのビルの入り口で気配を感じた女性と同じ人物だと気づく康介。

彼女が、いきなり康介の腕を掴む。
すると康介は、大人のままであの夢で見た河原にいた。
その前には非浦英莉可がおり、彼女が見上げた先には
土手の上で道を引き返した、子どもの頃の自分がいた。
そして、視線を康介に戻そうとすると、康介が立っていたはずの場所には
冷川が立っていた。

えっ?
驚く、英莉可。ベンチで我に返り、腕を掴んだままの康介に忠告する。

あなた、誰かに縛られてる。

英莉可の腕を振りほどこうとして、何故か腰のあたりに痛みを覚える康介。
そのままベンチから崩れ落ち、地面に倒れて気絶してしまう。

冷川が康介を迎えに来る。そしてこう言ったのだ。
ダメですよ、簡単に人を入れたら。

気がつくと、事務所のソファーに寝かされている康介。
鏡のある場所に行き、服をまくりあげて腰のあたりを映すと
そこには、マジックのようなもので逆三角形が描かれていた。

そこへ冷川が帰ってくる。
彼は、康介が倒れていたので連れ帰って来たのだと言う。
だが、康介は腰の印のことで、冷川が自分に何をしたかと尋ねた。

すると冷川は、康介の魂がオープン過ぎるため
他の誰かに入ってこられないように、自分だけのものにするために契約を結んだのだという。

はぁっ?
状況がのみ込めない康介。

それより、いいことに気が付いたという冷川。
あのビルの物件地図を取り出して、これはとても良くできた装置であり
おそらくこの場所は人の負のエネルギー持った人間を引き寄せ
邪気を吸い取って貯めておくダムのようなもの、いやまさに貯金箱だと。
自分も丁度考えていたところで、今は清掃業だがどうせなら汚して、片づける。
両方できたらいいと。
この貯金箱もなんだかの利益を生むための装置で、同じ発想の人間がいたことは驚いたと。

ちょっと待って、利益ってなんですか。
アナタの言っていることは、呪いをかけて
そして解いてやることで金もうけをする。そういうことですか。

えぇ。そうですよ。

まさか、非浦英莉可を放置していたのも、金儲けに繋がるから。

どうしたんですか、三角くん。

嘘だろ、何なんだよ、訳わかんねぇ。

どうしたんですか、何を怒ってるんです。

人が死んでるのに、アンタはなんとも思わないのかよっ!
こんな勝手に変な契約で人を縛り付けて、俺も金儲けの道具のひとつってことですか。

答えずにいる冷川に、康介は言葉を続ける。
アンタ本当はどんな人間なんだよ。
(血まみれの床に、万華鏡が落ちて壊れる描写)

どんな、人間?

駆け寄った康介が、冷川の手を取り自分の胸にあてる。
冷川の過去を覗こうとしたのだ。

小さなのぞき窓が沢山ついた部屋
床に座る子どもの頃の冷川と思われる少年が、万華鏡を鼻歌まじりに見ている。

そんなの僕にだって分からない。
康介の横に、少年時代の自分を見る冷川がいた。

満足しましたか?
ぶっきらぼうに答える冷川に、
もういいです、お世話になりました。
そう告げて、康介は彼の事務所を去って行くのだった。


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