水産部と営業部の会議で、森(加藤あい)と大前(篠原涼子)がお茶だしを
している。
入手したマグロの販売について、営業の東海林(大泉洋)が
「ここからは営業部の仕事だ。水産部は手を引いてくれ。」
と言い出したことで会議は紛糾し、お茶を出していた水産部の
人間が森にぶつかり、お茶がこぼれてしまう。
もたつく森を尻目に、てきぱきとデスクを拭く大前を里中(小泉孝太郎)が
見つめていた。
森を気に入った水産部社員が、里中に
「さっきお茶を入れてくれたのは誰か?」と聴いたのだが
大前を見ていた里中は、「大前さんです。」と言ってしまう。
結局会議は、桐島(松方弘樹)の提案で、水産部と合同で国産マグロに関するプロジェクトが立ち上がり、
東海林たち営業が販売を請け負うことになり、里中たちマーケティング課も協力することになった。
森と大前が部署に戻ると、会議中のはずの水産部の社員から
大前に「ランチを一緒に食べよう」とナンパメールが届いた。
面白がる若手社員:浅野(勝地涼)、嘱託:小笠原(小松政夫)、男性派遣社員:近(上地雄輔)、森を尻目に
大前は「食事は一人で食べる主義です。」と返すと
「赤いセーターの可愛い君が云々」というメールが更に多数届く。
彼らは大前と森を間違えていたのだ。
誤解を解くのもうっとおしいと、大前は
「仕事中は会議に集中しなさい。」「うっとおしいんぢゃ」
などと、森を装ってメールを物凄い速さで入力して返信するのだった。
メールを返すと丁度休憩時間。
森が「私、一人でご飯が食べられないんです。ご一緒に・・・」
などと、もたもた喋っている間に、いつもの定食屋に向かう
大前と外に出る小笠原。
近は、弁当を持っていて断られる。
よその部署の女性社員:黒岩(板谷由夏)を誘うと、一寸嬉しそう
だったが意地を張って断ってくる。
浅野は森を誘いたいが勇気が無く尻込みしていると、浅野や東海林と一緒に
社食に向かっていた里中が、エレベータ前で森に声をかける。
(なぜか派遣元(はけんもと)社員も一緒にエレベータに乗り込んで社食へ)
「一人で食べていると、皆に見られている気がするんです。」
という森。
「女の子って大変なんだね。」と答える里中。
浅野は「大前さんは友達がなさそう」だと言う。
派遣元(はけんもと)社員は、「彼女は制御不能というか・・・」
などといいだし、東海林と大前の悪口で盛り上がる。
森と里中が話しているのを離れたテーブルで見ていた
他の部署の派遣社員が、里中に気があるらしく森の態度にヤキモキしている。
洗面所で、森に「私たちおしゃれ派閥に入らない?」と
森を取り込もうとして香水を振り掛けたりして誘う。
お洒落グループは昼食や合コンを共にするらしい。
午後の会議。
東海林が回転寿司に流通させることを提案するが
大前の理論武装で却下な空気。
小笠原が会議で発言し、自分が孫と見学したマグロ解体ショーの話をすると
黒岩は「それは提案ではなくて感想です。」と否定的。
ところが東海林は、ブームのマグロ解体ショーを、先日の売り場面積拡張に成功したデパートの一角で行うことに決定。
(小笠原に華を持たせたかったらしい。)
早速腕のいい解体師を探し始めるが、ブームの折、なかなか見つからない。
どうやら、小笠原が見たカリスマ解体師は「ツネさん」といい
スケジュールも多忙なようだ。
そんな中、ハケンのおしゃれ派閥に入った美雪が合コンの会場で
とりまきのオバサマといる「マグロの神様」のツネさんを偶然見つける。
美雪の連絡で大前の住み込んでいる店にいた東海林、賢介は直談判に急行する。
店のママ天谷(白川由美)は「二人のうちどっちがいいの?」
などといって大前をからかう。
大前は、「里中は性格がいいが仕事ができない。東海林は仕事ができるが派遣差別主義者」だという。
店についた東海林は、小笠原からきいた話を自分が見たように喋って
巧みにツネさんを口説き、翌日、1日だけ空いていた週末の土曜日にスケジュールをもらうことができた。
会社に訪ねてきたツネさんに、大前がお茶を出すと
「おぉ、春ちゃん」とツネさんが声をかける。
どうやら、二人は知り合いらしい。
デパートへ打合せに出向いた東海林に店長:緑川(渡辺いっけい)は、よくぞあの人気者を獲得したと上機嫌。
当日は本部からも視察が来るという。
しかし、店長が大前の名前を出すので東海林は不機嫌だ。
おしゃれ派閥が二千円のランチに行くと言うので、たじろぐ森。
しかし、一人になるよりはと出かけた店には
黒岩も連れの2人に食事をおごることで「一人飯」を避けていた姿があった。
ショーの前日、マグロの仕入れに行った市場で、70キロ台のマグロ10本の
現物を目にした東海林は不安にかられて、つい不用意に
「こっちは会社の運命が」と言ってしまい、ただお客さんに喜んで欲しかった
ツネさんの機嫌を損ねる。
東海林を振り切った瞬間にツネさんが台車に接触して利き腕を骨折してしまい、緊急事態に。
仕入れたマグロが深夜にはデパートに到着し、広告も打ち、
後には引けない状況の中、解体師の代役を探すしかない東海林。
何とか東海林を助けたい賢介は、板前やすし職人を手当たり次第当たってみるが、断られるだけで見つからない。
代役が見つからないと責任問題になると絶句する緑川に、東海林も辞表を用意し覚悟を決める。
見かねた賢介は大前が住み込んでいる店に向かい、店長の信頼が厚い春子に一緒に謝りに行ってもらえないかと頼み込む。
しかし、大前はハケンの自分にそれを依頼するのは筋が違うといい、里中はこの申し出を断られる。
東海林を助けたい一身で、普段は大人しい里中が
めずらしく感情をあらわにして声を荒げる。
里中を追い返した大前を見て、天谷は「それでいいの?」というが
まだ大前の気持ちは動かない。
部屋に戻った大前の携帯に、入院中のツネさんから電話がかかる。
事故だったとはいえ、スケジュールに穴をあけたし
元々身体の衰えを感じていたというツネさんが、大前に引退をほのめかす。
覚悟を決めた東海林たちは、満員のお客を前に頭を下げて解体ショーの中止を伝える。
そして、東海林がデパートの本部長に土下座しているその最中、店内のアナウンスが解体ショーの開始を伝える。
「まもなく、地下一階特設ステージで「春ちゃんのマグロ解体ショー」が行われます」
そこに現れたのは長い風呂敷包みを抱えた大前だった。
上着を森に投げ、法被を羽織ると風呂敷から解体用の長包丁が現れる。
見事な包丁さばきと、イキのいい客との掛け合いで土曜の解体ショーは
大成功に終わる。
東海林が市場にツネさんへの挨拶に行くと、大前とツネさんが
話し込んでいるのを見かける。
「ツネさん。身体が資本なんだから早く治して。」と、これからも仕事を
続けるようにいう大前。
ツネさんは、「春ちゃんは、俺の一番の弟子だ。」「昔から春ちゃんは、いつも絶対に弱音を吐かなかった。」「雪の日だって・・・」と大前との思い出に浸る。
月曜、大前が出勤すると桐島は大前に礼をいい休日出勤の特別手当も
出すという。一緒に居た派遣元(はけんもと)社員も「いくらでも出してくださるようですよ」と耳打ちするが
「手当てはいらない。」「あれは仕事ではない。」
「派遣という同じ刃の上を渡る仲間が、仕事に穴をあけそうなので穴埋めをしただけだ。」
といって、桐島の申し出を断るのだった。
昼。
森は勇気を出して「おしゃれ派閥」に入ることを断る。
それを遠巻きに見た黒岩は、また職場の2人にご馳走して
「一人飯」を避けるところだった。
就業時間が終わり、帰りのバスを待つ大前に
桐島から話を聞いた東海林が礼を述べにやってくる。
そして、派遣に偏見を持っていたことを謝るが
とりあわない大前に
「自分が好きだから、助けに来てくれた・・・」
と言いかけると、雪が降り始め手のひらに落ちる雪を
眺めて天を仰いだ大前に説明をするのがもどかしくなり
ついキスをしてしまう。
バス停に居る大前を見かけた里中も駆け寄ってきたが
その場面を、大前に好意を持っている里中も目撃してしまう。
あぁ、んでもって今週もエピソードの前後に責任なんぞとりません。
一口メモ:派遣元(はけんもと)というのは人材派遣会社のこと。
勤め先が派遣先(はけんさき)となります。
派遣社員の雇用契約は、契約を派遣元と結ぶことによって(つまり、お給料は派遣元会社から出ている)
人材派遣会社から派遣されて派遣先に働きにきています。
派遣先は、派遣元会社から派遣社員を手配してもらうことで
派遣元会社に金銭の支払い義務が発生するのです。