昨夜はちょっとしたハップニングがあった。
夕食に天ぷらを揚げていて、
その天ぷら鍋をひっくり返してしまったのだ。
台所の床は一面天ぷら油の海になり、
私はありったけの雑巾をもってきた。
拭いてくれたのは、主に夫と娘であった。
私は、右手に軽いやけどをしてしまったから、患部を冷やすことが先決だった。
火傷は大したことないと思っていたが、だんだん赤く腫れてきたから、
これは本格的に冷やす必要があると思って、夫にアイスノンをもってきてもらって冷やした。
が、しばらく冷やしているうちに解けてしまう。
すると、それを見ていた小学校5年の孫が、
頼んだわけでもないのに、冷凍庫から別のアイスノンをもってきてくれた。
使ったアイスノンは洗って、また冷凍庫へ入れていた。
孫は食卓で計算のプリントをしていたのに、私のことを気遣ってくれていたのだ。
この孫は、シャイで、ふだんはほとんどしゃべらない。
が、ピアノが驚くほどうまくピアニストのような演奏をする。
硬筆も東京都で同学年の中で2位に選ばれたというだけあって力強い字を書く。
絵も、以前、宝塚の手塚治虫記念館に連れて行ったとき、
夫と二人が並んで描いたのだが、
最後の最後まで手を抜かずに描くから、出来上がった絵は夫のよりも上手かった。
大人しいけれど、何をしても手を抜かずにする子だ。
母親である私の娘の言うことを痛々しいほどよく聞くよいこでもある。
あまりにもよいこ過ぎて、かわいそうになるくらいである。
その子が、昨夜は、こんな優しい思いやりを見せてくれたから、涙が出た。
で、火傷のほうは、大したことないと思っていたけれど、
夜中もずっと痛みがあったから、朝の4時ごろまで何度かアイスノンを取り替えた
寝たのは明け方近くになってからである。
懸命に冷やしたおかげで、痕は少し茶色っぽいが、大したことにならなかった。
それにしても、私も老化したものだ。
顛末を話せば長くなるが、
昨日は図書館の本の返却日だったから、午後出かけた。
返却して、予約してあった本を受け取ってからデパートに回った。
その後ちかくのスーパーも回ったが、結局何も買わずに
天ぷらなら家でしたほうが揚げたてでおいしいからと始めたのだった。
が、自分では意識していなかったが、あちこち歩いたことで疲れていて、
そのまま天ぷらに取り掛かったから身体が頼りなかったようだ。
私は心臓の薬をたくさん飲んでいるが、
その中に眩暈を催す作用のある薬も含まれていて、ときどきふらつことがあるのだ。
ふだんは一休みしてから取り掛かる台所仕事を
昨日は帰宅直後にとりかかったのがよくなかったようである。
ちょっとしんどかったから、夫と娘に手伝ってほしいと声をかけた直後にやってしまった。
天ぷら油をひっくり返したあとは二人が片付けてくれたが、
まあ、この程度のことで済んでよかった。
これからもっと年を取ってくるから、これからはもっと注意深くしないといけない。
また無理は禁物ということも思った。
しかし、不幸中の幸いは、
小5の孫息子の思わぬ優しさに触れることができたことだった。
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★ママ好きのわが孫息子婆も好きらしく火傷の世話してくれき
★ブログには家族のことを書くなとぞ言ひにし娘は父親つ子で
★義母義妹夫のことは書くなとぞ命令すなりわが産みし子は
★わが子でも夫の子でもありしかば夫をかばふ娘となりぬ
★姑はわれには厳しくありしかど孫なるわれの子らは溺愛
★姑の娘の義妹もわが子には叔母にて悪く言ふてはならぬ
★われの子でありつつ義母の孫なればわれのみの味方するにあらざる