今回の私の貧乏旅行を心配するコメントをいただいた。
そうですよね。この歳になって夜行バスを利用して旅行するなんて。
でも、貧乏旅行は楽しいですよ。
この貧乏旅行は、亡くなった私の畏友、村形明子さんを見習っているところもあります。
彼女も好奇心の旺盛な人でしたから、年中あちこち旅行されていました。
が、いくら肩書は京大名誉教授という立派なものであっても、
国家公務員でしたから恩給にも限りがありました。
それで彼女もよく夜行バスとか利用していました。
泊るところも、学生の利用するゲストハウスなども利用していました。
肩書を知れば、人は丁重に扱ってくれますが、
実際は、そんなに豪勢な旅はできません。
自費での旅行は切り詰めたものでした。
その代わり、年中旅行していられたのです。
特に、ご両親の亡くなられた春先になると、
家でじっといられなくなると言われていました。
それは私にもよくわかります。
私も昨年母を亡くしてから、
家にじっとしていられなくて、あちこち行きまくっています。
旅に出ると母に会えるような気がするのです。
長距離バスに乗っているとき、
遠い地のホテルに泊まっているとき、
などに母と一緒にいるような気持ちになれるのです。
飛行機や新幹線を使う旅行より、
貧乏旅行こそ、そういう気持ちに浸れるのです。
そうそう、読者のハイジさんの娘さんが見つけてくれた村形さんのご学友の白象さんも、
そのblogを拝見していると、よくご旅行なさいます。
これは、やはり村形さんと同じく、
人一倍好奇心が旺盛ということであられるのでしょうか。
さすが学者さんであられるから、
そのblogの記事も高尚な視点で書かれたものが多く、
私などは大いに学ばせていただいていますが、
年老いても、学びの心を失わないところなど、
村形さんとそっくりと思いながら読ませていただいています。
村形さん亡きあと、
村形さんを偲べるものは何でもいいから読ませていただきたく思っている私です。
思い出せば、
黒幕子さんのお世話されている会にも村形さんに講演をお願いしたことがありましたね。
しかし、学者然とした村形さんの講演は少し硬すぎましたか?
その節には、黒幕子さんにもお世話になりました。
*
★肩書はすごかりけれども贅沢な旅せず質素でありし歌友
★好奇心衰へるなく晩年も愛媛高知と旅して死にき
★入院をして死ぬまでの短さよ二週間前メールをくれて
★教へ子が振り向き見れば死にてゐしほどにその死はあつけなかりし
★来週が三回忌なりまだ暑き九月五日が命日なりき
★旅好きでありし学者の真似をしてよく旅をするわれになりしか
★旅すれば母と村形明子さん思ひ出すなりホテルの部屋で
★旅好きでありし私の母の旅やはり貧乏旅でありしか
★贅沢な旅をするよりたくさんの旅することを母も選びて
★貧乏な旅をしながら供養せむ母と歌友なりし学者を