超空洞からの贈り物

様々なニュースや日常のレビューをメインに暗黒物質並に見つけ難い事を観測する、知識・興味・ムダ提供型共用ネタ帳です。

筋萎縮性側索硬化症の異常凝集体を除去する治療抗体の開発に成功-ALSの根治治療への道を開く-

2018年06月20日 19時24分06秒 | 健康・病気
 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は全身の筋肉を動かす運動神経が変性し、一般的には発症から3年から5年以内に人工呼吸器補助無しに生命を維持できなくなる難病です。現在、大きく経過を改善させる有効な治療法は知られていません。ALSはTDP-43というタンパク質が異常凝集を形成することで引き起こされると考えられています。今回漆谷教授らが中心となり開発した細胞内抗体は異常凝集したTDP-43の分解を早めて除去し、その毒性を顕著に抑えることが示されました。細胞内抗体を実際に患者さんに応用するにはまだ課題がありますが、今後の研究の発展により画期的治療法開発につながる期待が持てます。

■本研究成果のポイント

 ・筋萎縮性側索硬化症の異常凝集体を除去する治療抗体の開発に成功しました。

 ・自己分解型細胞内抗体は、細胞内でALSの治療抗体を作らせるシステムで、発症に関わるTDP-43の異常構造のみと結合して分解を進めますが、正常に働いているTDP-43とは反応しません。

 ・自己分解型細胞内抗体はプロテアソームとオートファジーという2大分解経路での分解を促す2つのシグナルを有しており、細胞内で作られた後、速やかに分解されます。

 ・自己分解型細胞内抗体は培養細胞におけるTDP-43の異常凝集体を減少させ、細胞死を著明に抑制しました。

 ・自己分解型細胞内抗体は胎児マウス脳においてもTDP-43の異常凝集体を著明に減少させ、さらに脳内で細胞内抗体を作らせた胎仔マウスは正常に出産、発育をしました。

■概要

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、全身の筋肉が萎縮し力が入らなくなくなる重篤な神経難病で、進行とともに全身の運動ニューロンが消失します。進行を遅らせる治療の開発は徐々に進んでいるものの、根治的な治療法はまだありません。長らく原因は不明でしたが、本来細胞の核内に存在するTDP-43というRNA結合タンパク質が、ALS患者の運動ニューロンの核から消失し細胞質で異常な凝集体を形成していること、さらにこの凝集体によって神経細胞死に至る様々な有害事象が起こることが判明し、TDP-43の異常な凝集体を除去することがALSの根治治療に直結するという可能性が注目されていました。

 本研究グループは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因タンパク質であるTDP-43の異常凝集体を除去する新たな治療抗体の開発に成功しました。この自己分解型細胞内抗体は、結合する凝集体が存在しない細胞では速やかに分解されてしまうため抗体蓄積による有害事象の懸念も少なく、分子標的治療として極めて有望であると考えられます。

リリース(PDF)

ちょっと古い記事みたいですが
少しでも患者の方々の希望になればと思い

医師が考えるインフル対策 最も効果的なのは?

2018年02月03日 19時18分49秒 | 健康・病気
 インフルエンザが猛威をふるっている。毎日ラッシュの電車で、やむを得ず他人と“近距離”接触していることに不安を感じている人も多いはず。そこでまず、もちろん予防が大切だ。「医師10万人のアンケートで分かる!インフルエンザ対策」によると、医師たちが考えるインフルエンザ予防にもっとも効果が高い対策は、「手洗いをする」ことだった。 医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」に参加する10万人の医師ネットワークに、メドピア(東京)が特別アンケート調査を実施したもの。手洗いが最も効果があると思う理由は、「触れたものから口の粘膜にウイルスが移行する頻度が一番高い」「手指についたウイルスが、特に鼻をさわることで上咽頭、鼻腔粘膜から感染することがわかっているので。うがいは効果なし。マスクは、鼻や口を触る頻度が減るから次いで効果がある」などだ。



 次に効果があるのは「人混みに行かない」こと。なかなか難しいことだが、もちろん「感染の機会が多ければ多いほど感染の可能性が上がるので、出歩かないのが一番」というアドバイスは納得だ。そして「睡眠・休養をとる」ことも大切。「ウイルスに対抗するにはまずは体力」だし、「免疫力の維持とアップには睡眠と休息」だ。

 インフルエンザにかかりやすいと考えられる人として、「免疫が低下」、「人との接触が多い」、「高齢者」、「小学生以下の子ども」、「予防注射(ワクチン)を打っていない」が上位に。「ストレス過多・睡眠不足・疲労なども免疫力低下と関係し、罹患しやすくなる」というコメントもあり、たとえ健康であっても、睡眠不足の時は気をつけた方が良さそうだ。



 ところで、インフルエンザにかかった時に起こる最も怖い症状は、医師たちによると「インフルエンザ脳症・脳炎」。「どのような患者さんがなぜ発症するか不明であり、治療も確定したものがなく、予後に関しても死亡率も高く、回復しても後遺症が残る可能性があるから」というのが理由。肺炎や脱水症状なども怖い。とにかく体調を崩したら、まず病院へ!

近赤外線を使ったがん治療法を開発

2018年02月02日 15時34分58秒 | 健康・病気
小林久隆 さん 米国立衛生研究所主任研究員。

 テレビのリモコンに使われる近赤外線を武器に、がんを攻撃する治療法を開発した。成果はオバマ前米大統領の目に留まり、一般教書演説で紹介された。

 「がん治療のつらい副作用を抑え、患者の治療への恐怖心をなくしたかった」

 中高時代はテニスに明け暮れ、1浪を経て京都大医学部に進学。「物理や数学では一番になれないけど、知識を結びつけて生かす実学なら自信があった」

 世界一の研究環境を求めて米国立衛生研究所(NIH)に渡り、免疫の力を使った治療法の開発に取り組んだ。得意な化学の知識を生かし、近赤外線をあてると、細胞を傷つける物質を発見。がんに集めたところで近赤外線を照射し、がん細胞だけを壊す「光免疫療法」への道が開けた。

 「これなら世界を変えることができる」

 2011年の発表からわずか3年あまりで、臨床研究が米国で始まり、効果も見えてきた。国内でも3月に着手する予定だ。

 実用化が視野に入ると業務も増え、好きなテニスをする暇もない。「医者の不養生」と苦笑いするが、医師の初心は忘れない。「人の役に立ってこその医学研究。この治療法を早く完成させ、多くの患者に届けたい」

がん細胞だけを攻撃する抗体作製技術の開発~副作用のない抗体医薬品の開発が可能に~

2014年08月02日 00時07分25秒 | 健康・病気
【研究概要】
 東北大学大学院医学系研究科の加藤幸成教授の研究グループは、がん細胞に高発現するムチン型糖蛋白質ポドプラニンに対するがん特異的抗体(CasMab;キャスマブ)を作製することに成功しました。一般的に、がん細胞に高発現する膜蛋白質は正常細胞にも高発現していることが多く、がん細胞だけを攻撃する抗体医薬品を戦略的に作製することが困難な原因となっていました。本研究により、がん細胞と正常細胞の両方に発現している膜蛋白質に対しても、がん細胞だけに反応し、副作用のない抗体医薬品を開発することが可能となりました。
 本研究結果は、8月1日午前10時(日本時間同日午後6時)英科学誌Scientific Reports(サイエンティフィック・リポーツ)に掲載されます。


【研究内容】
 ムチン型糖蛋白質のポドプラニン(Podoplanin)(注1)は、肺がん、食道がん、悪性中皮腫、悪性脳腫瘍、卵巣がんなどの複数の難治性がんに高発現しているため、抗体医薬(注2)の格好の標的となります。しかし、ポドプラニンはリンパ管内皮細胞、肺胞上皮細胞、皮膚基底細胞、腎上皮細胞などにも高発現しているため、これまでは正常細胞を攻撃することによる副作用が懸念され、ポドプラニンを標的とした抗体医薬品の開発は断念されていました。その結果、ポドプラニンのようながん細胞高発現蛋白質は数多くあるにも関わらず、候補分子から外れるという状態が続いていました。
 そこで加藤教授らは、がん細胞と正常細胞に同じ糖蛋白質が発現している場合、蛋白質に付加された糖鎖(注3)の種類の違いや糖鎖の付加位置の違いに着目し、その差を見分ける抗体を戦略的に樹立する方法を立ち上げ、CasMab(キャスマブ)法(注4)と命名しました(図1)。



CasMabは、ペプチドと糖鎖の両方を同時に認識する、全く新しい概念の抗体です。ポドプラニンに対してCasMabを作製したところ、ポドプラニンを発現するがん細胞に強い反応性を示しましたが、ポドプラニンを発現する正常細胞には全く反応しませんでした(図2)。このことから、ポドプラニンに対するCasMabは、副作用を心配することなく抗体医薬として開発を進めることができると考えられます。このCasMab法を用いることにより、これまで開発が断念されていた複数の糖蛋白質に対して、副作用のない抗体医薬を開発することが期待されます。



 本研究の一部は、文部科学省創薬等支援技術基盤プラットフォーム、文部科学省地域イノベーション戦略支援プログラム、文部科学省科学研究費補助金によってサポートされました。


【用語説明】
注1.ポドプラニン:
 別名Aggrus(アグラス)とも呼ばれ、血小板凝集因子として同定された。あらゆるがん細胞に発現しており、がんの悪性化に関わっている。一方で、肺、腎、リンパ管、皮膚などの正常組織にも多く発現していることが知られている。

注2.抗体医薬:
 抗体とは、リンパ球のうち、B細胞が産生する蛋白質で、特定の分子(抗原)を認識して結合する。血液中や体液中に存在し、細菌やウイルスなどの微生物に結合すると、白血球による貪食が起こる。またがん細胞に結合しがん細胞を殺す働きもあり、多くの抗体医薬品が臨床で使用されている。

注3.糖鎖:
 様々な糖がグリコシド結合によってつながりあった一群の化合物のこと。特に細胞膜に発現している蛋白質のほとんどには、特定の糖鎖が付加されており、細胞接着やウイルス感染など、細胞のコミュニケーションに重要な役割を果たしている。

注4.CasMab(キャスマブ):
 Cancer-specificmonoclonal antibody(がん特異的抗体)の略。


詳細(プレスリリース本文)

総合ビタミン剤にはほとんど医療効果なし

2013年12月19日 21時16分38秒 | 健康・病気
 医学界の専門家が学術雑誌の論説欄に、総合ビタミン剤には慢性疾患を抑制する効果はほとんどないため「総合ビタミン剤の摂取は控えた方がよい」と寄稿した。2度の新たな臨床試験の結果も添付している。

 医学雑誌のアナルズ・オブ・インターナル・メディシンによると、厳密な調査の結果、総合ビタミン剤には認識機能や心臓血管の状態を改善させる効果がないことが判明した。これまでの一連のリポートも、欧米人はおおむね栄養状態が良いため、こうした栄養補助食品が健康面で彼らにもたらす恩恵はほとんどない、と示唆している。先月にもビタミン26種類の調査リポートが発表されている。

 4人の医師と公衆衛生の専門家は論説欄に調査結果を添付した上で、「伝えたいことは単純だ。要は栄養補助食品だけでは慢性疾患や死亡を防げない。栄養補助食品を利用する理由はなく、避けた方がいい」と記述している。

 さらに、他の臨床試験ではベータカロテン、ビタミンE、ビタミンAを取りすぎると死亡リスクが高まることが判明した、と付け加えた。

 世界のビタミン市場は巨大だ。市場調査会社ユーロモニター・インターナショナルによると、昨年の売上高は前年比3%増の234億ドル、うち総合ビタミン剤は2.5%増の142億ドル。米国疾病管理予防センターによると、03~06年には約40%の米国人が総合ビタミン剤やミネラル剤を摂取していると公表していた。07年以降のデータは入手されていない。

 ビタミンの業界団体はこの論説を批判している。昨年1万5000人の男性を対象に実施した臨床試験では、総合ビタミン剤を毎日摂取すると、がんにかかるリスクがわずかに減少することを示唆するデータが出ていると指摘。ところが一部専門家は、昨年の試験結果を異常値とみなしている。

 米国自然製品協会のジョン・ショー執行ディレクターは「誰もが知っている通り、この国の消費者の多くは食事だけで望ましい栄養素を摂取できていない。不足分は総合ビタミン剤やミネラル剤などの栄養補助食品で補える」と述べる。



 新しい試験の1つは、ビタミンが65歳以上の男性医師5947人の認識機能にどのような影響を与えるかを調査した。調査対象者は毎日、米製薬大手ファイザーの総合ビタミン剤「セントラム・シルバー」か、プラセボ(偽薬)を渡された。調査員は試験開始当初に認識機能を調べた後、12年間のうちに最大 3回審査したが、ビタミン剤と偽薬のそれぞれの投与群との間に認識機能の変化の違いは見られなかった。

 この調査を主導したのは、ハーバード大学医学部とブリガム・アンド・ウィメンズ病院のフランシス・グロッドシュタイン教授だ。彼女はこの調査結果には失望したものの、論説の執筆者と同じくらいにビタミン剤を無価値なものと思っていない、と話す。あまり教育水準が高くなくて貧しい食生活をしている人たちを長期的に調査・試験すればまた異なる結果が出るはずだ、と指摘している。

 ファイザーによると、セントラム・シルバーを含む総合ビタミン剤は「主に何らかの病を診断、治療、あるいは予防することではなく、食事だけでは必須栄養素が不足する際に足りない分を補うことを意図している」。

ウォール・ストリート・ジャーナル

何事もほどほどに
健康は運動と食事のバランスでどうぞ
あくまでも補助食品という認識です

幸福になるために必要な自由時間は1日7時間!?

2013年07月01日 22時54分00秒 | 健康・病気
幸せを実感するための、仕事とプライヴェートな時間のバランスを考えたことがあるだろうか? 

その答えが調査により判明した。

1日に7時間だそうだ。

仕事や雑事に追われる多くの人にとって、現実的ではないというのが正直なところだろう。では、どうすれば自由な時間をもてるのだろうか?



幸福を実感するには、どれくらい自由時間が必要なのだろうか? 労働時間とプライヴェートな時間、家族との時間の適切なバランスは?

その答えが判明した。それは、「7時間」だ。いや、正確には6時間と59分だ。しかし現実はかなり異なる。イギリスの保険サーヴィスグループ「Direct Line Insurance」が行った調査によると、多かれ少なかれ、わたしたちはその半分ちょっとくらいしか自由時間を取っていない。その長さは4時間14分だという。

2,000人に対して実施されたこの調査によると、日々のプレッシャーは、わたしたちが自分自身や他人のために取っておきたい時間やスペースを侵食している。そしてどうやら1995年以降は、労働時間がだんだん大きな割合を占めるようになってきている。

イギリス版『ハフィントン・ポスト』で取り上げられたこの研究によると、わたしたちがオフィスで1日に8時間働いているとすると、それが長いとはいえ、それでもうまく1日をスケジューリングすることで十分な時間が残るはずだ。しかし実際には、わたしたちの82%はスマートフォンやタブレットなどのデヴァイスを通じて、仕事時間以外でも強迫的にメールをチェックしている。

「Future Foundation」が発表した別のリポートの説明によると、わたしたちは自分たちのキャリアや仕事が情報端末の利用に大きく依存していると感じている。そして電子機器とのかかわりはどんどん深くなっていて、いついかなるときもチェックしなければならないと思っている。このため仕事であろうとなかろうと、わたしたちはより多くの時間を電子機器による業務に捧げて、スポーツや趣味や、家族や友人との時間を削っている。

データはイギリスの市民に限られるが、彼らは家族といるときさえも多くの時間をソーシャルネットワークに費やしている。そのうちの47%は、あらゆる状況においてもFacebookにポストしたりTwitterでツイートをしている。

こういった事柄から、日々のルーティンから完全に自由である7時間を捻出するのは困難なことがわかる。とはいえ、家族といるときにスマートフォンの電源を切ったり、自由時間の計画をきちんと立てることは可能だ。

「生活と仕事の完璧なバランスの基礎となるのは、オフィスから出たら情報を遮断することです。多くの人が本当に挑戦しなければならないことはこれだけです」と、「Direct Line」の広報、マット・オーウェンは語った。

一見矛盾しているように聞こえるかもしれないが、完全に空白な時間を残しておくということは、例えば何もせずにソファでリラックスしているときに、インターネットをチェックしてもいけないということだ。つまり、古代ローマの巨匠たちが教えているように、“閑暇”は常にクリエイティヴに過ごすのがよいのだ。

また、この調査は一種のガイドラインも作成した。できるだけ多くの自由時間をもてるようにするために、朝食は22分、ソーシャルメディアのチェックは18分といった具合に、1日の理想的な時間配分を示したタイムテーブルだ。


WIRED NEWS (ITALY)


個人の自由の定義付けにもよるけど
SNSを利用するのも自由と感じるなら問題ないかな?と

ただ閑暇を常にクリエイティブに過ごす
大切だけど、これが自由を奪う気もします

なぜ肥満になると肝がんなどの発症率が上昇するのか?

2013年07月01日 15時59分56秒 | 健康・病気
がん研究会は、マウスを用いた実験から、肥満になると2次胆汁酸を産生する腸内細菌が増加し、体内の2次胆汁酸の量が増え、これにより肝臓の肝星細胞が細胞老化を起こすこと、ならびに細胞老化を起こした肝星細胞は、発がん促進作用を有する炎症性サイトカインを含む細胞老化関連分泌因子(SASP因子)を分泌することで、周囲に存在する肝細胞のがん化を促進することを明らかにしたと発表した。

同成果はがん研究会がん研究所がん生物部の大谷直子主任研究員、同原英二部長らによるもの。詳細は英国の科学雑誌「Nature」オンライン版に掲載された。

近年の研究から、肥満は糖尿病や心筋梗塞のリスクを高めるだけでなく、がんの発症率を高めることも明らかになってきており、肥満抑制の必要性が求められるようになってきた。

これまでの研究から、正常細胞に発がんの危険性があるストレスが生じると、細胞老化が起こり、細胞増殖が不可逆的に停止することが知られている。また近年の研究から、細胞老化を起こした細胞は次第に細胞老化関連分泌因子(SASP因子)を分泌するようになることで、周囲の細胞に炎症反応や発がんを促進することが明らかとなってきており、研究グループではこれらの報告から、肥満に伴う発がんに細胞老化が関与しているのではないかと考え、マウスの生体内で細胞老化反応をリアルタイムに可視化できるシステムを開発し、肥満により細胞老化が誘導されるかどうかについての検討を行った。

その結果、低濃度の化学発がん物質で処理後、高脂肪食を30週間与えてマウスを肥満させたところ、すべてのマウスで肝臓に細胞老化反応が起こると同時に肝がん(hepatocellularcarcinoma:HCC)を発症するようになったが、普通食を与えた肥満していないマウスでは細胞老化反応も肝がんの発症も見られないことが確認され、これにより、肥満により細胞老化反応と肝がん発症の両方が促進されることが明らかになったという。



また、免疫組織染色法により肥満したマウスでは、肝臓の間質の細胞の1つである肝星細胞が細胞老化を起こしていたことが確認された。さらに、細胞老化関連分泌因子(SASP因子)を分泌していることが見出されたほか、細胞老化関連分泌因子(SASP因子)の主要因子であり炎症性サイトカインの1つであるIL-1βの遺伝子を欠損したノックアウトマウスでは肥満による肝がんの発症率が低下することも判明。同様の結果は薬剤を用いて肥満したマウスの肝星細胞を除去した場合にも見られたことから、肥満により細胞老化を起こした肝星細胞が細胞老化関連分泌因子(SASP因子)を介して周囲に存在する肝細胞のがん化を促進していることが判明したとする。

そこで、肥満により肝星細胞が細胞老化を起こすメカニズムの解明に向け、肥満に伴うさまざまな生体変化を解析したところ、肥満したマウスでは1次胆汁酸をもとに2次胆汁酸を合成する腸内細菌が増加していることが判明したほか、肥満マウスに抗生物質を投与して2次胆汁酸産生菌を死滅させたところ、細胞老化を起こした肝星細胞の数が減少し、肝がんの発症率も低下することが確認されたという。また、その際に人工的に合成した2次胆汁酸を同時に投与すしたところ、抗生物質による肝がん発症率の低下が見られなくなることも確認したという。

これらの結果、肥満により増加した腸内細菌が産生する2次胆汁酸が門脈を通して肝臓に運ばれ、肝星細胞に細胞老化を起こし、細胞老化関連分泌因子(SASP因子)を分泌するようになることで肝細胞のがん化が促進されたことが示されたとする。



さらに研究グループでは、これらマウスで得られた研究結果がヒトにも当てはまるかどうか調べるために、臨床サンプルを用いた解析を実施。具体的には、ヒトの場合、肥満に伴い発症する非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholicsteatohepatitis:NASH)が肝がんへと移行することが知られていることから、がん研有明病院で手術を受けた患者の中から、BMIが25以上でNASH肝がんと診断された肝がん切除サンプルを用いて検討が行われた結果、約3割で肝星細胞に細胞老化および細胞老化関連分泌因子(SASP因子)の発現が認められたとのことで、ヒトにおいても少なくとも一部のNASH肝がんにおいては同様のメカニズムが働いていることが示されたとしている。

なお、研究グループでは今回の成果をもとに今後、ヒトの糞便中に含まれる2次胆汁酸産生菌の量を測定することで、肝がんの発症リスクを予想できるようになる可能性が考えられるとするほか、2次胆汁酸産生菌の増殖を抑制する薬剤または、食品添加物を開発することで肥満に伴う肝がんの発症を予防できる可能性もでてくるとしている。

<プレスリリースPDF>がん研

衣類用スプレー、吸い込み呼吸困難の恐れ 国民生活センター

2013年04月05日 00時43分07秒 | 健康・病気
 フッ素樹脂やシリコーン樹脂を含む衣類用のスプレーを吸い込むと呼吸困難やせきを引き起こす恐れがあるとして、国民生活センターは4日、使用時の換気に注意し、乳幼児の近くで使わないよう呼びかけた。製造会社側にも、注意表示を目立たせるなどの事故防止策を求めた。

 同センターに寄せられた相談によると、大阪府の40代の女性が昨年8月、室内で紫外線カット効果をうたう衣類用スプレーをバスタオルに使用して息苦しくなり、スプレーが原因とみられる肺障害と診断されて1週間入院した。

 スプレーには風通しのよい場所での使用を求める記載があったが、使用方法などと併記されて目立たなかった。

 防水スプレーについては1990年代に同様の事故が相次ぎ、注意表示を目立たせるなどの措置が取られている。

 同センターが3月までに静電気や汗じみ防止をうたう衣類用スプレー7商品を調べたところ、うち4商品で噴霧した液体の粒子は、防水スプレーの事故事例と同程度の吸い込みやすい大きさだった。4商品のうち2商品には「吸い込むと危険」などの記載がなく、別の2商品も太字で強調するなどしていなかった。

 同センターは「防水スプレーほどリスクが認識されておらず、注意喚起が不十分な場合がある。風通しのよい場所で使い、周りの人も含めて吸い込まないように気をつけてほしい」としている。

国民生活センターリリース(PDF)


主なテスト結果等

○粒子径
7銘柄中4銘柄で、吸入により肺深部に到達し、沈着する率が高いとされる10μm以下の粒子の存在率が高く、中毒事故のリスクが高いとされる範囲に入るものでした。

○付着率
7銘柄中5銘柄で噴霧直後の付着率が低く、中毒事故のリスクが高いとされる範囲に入るものでした。

○表示
•防水スプレー以外のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等を含む衣類用のスプレー製品には、汗ジミ防止や静電気防止といった効果がうたわれていました。
•多量に使用する用法のものや、使用量に関する記載のないものがありました。
•フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の表記が銘柄によってまちまちでした。
•吸入に関する注意表示が全くないものや、目立つように表示されていないものがありました。
•乳幼児に関して、全ての銘柄で保管場所の注意表示はありましたが、使用時の注意表示があったのは7銘柄中1銘柄でした。



使ったことはありませんが…
使う方は検証結果を見といたほうが良いかも

使う際は要注意です。

中国、死者の15%の直接的な要因が大気汚染

2013年04月03日 12時03分42秒 | 健康・病気

http://sankei.jp.msn.com/images/news/130403/chn13040300480000-p1.jpg

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130403/chn13040300480000-n1.htm

 2日付の中国紙、21世紀経済報道によると、中国で2010年に大気汚染が原因で健康を損ない死亡した人は123万4千人で、中国全体の死者の約15%を占めた。清華大で先月31日に開催された研究会で明らかにされた。

 専門家によると、呼吸するたびに微小粒子状物質「PM2・5」などの汚染物質が血液に流入するため、呼吸器系にとどまらず、脳や心臓の疾患も増加するという。

 有害物質を含んだ濃霧が最大で中国全土の4分の1を包み、全人口の5割弱の約6億人が影響を受けた昨年末から今年初めにかけては、大気汚染に関わる発病率が例年と比較して20~30%増加した。

 北京大医学部の公共衛生学院の郭新彪教授は「持続的な発展のためには、大気汚染とそれがもたらす健康被害にしっかりと対処していく必要がある」と強調した。


参考

粒子状物質の測定は、中国北東部の一部地域では1000マイクログラム以上に達した。
米国AQI指数では300以上は"人体に危険"とみなされ、AQI指数は500でカンストします。
詳細 シアトルタイムズ (英語)

http://seattletimes.com/html/nationworld/2020288471_chinapollutionxml.html



http://cdn.theatlanticcities.com/img/upload/2013/01/15/CD_BeijingAir_FINAL_FOR_SOMMER.jpg


どーにか対策しろよ
迷惑なんだよ

少女をホテルへ 警察官を免職

2012年12月21日 17時25分11秒 | 健康・病気
 少女に警察手帳を見せてホテルに連れ込んだとして逮捕された警視庁の26歳の巡査長が、懲戒免職の処分を受けました。



 懲戒免職となったのは警視庁第2機動隊の大原和訓巡査長(26)です。

 警視庁によりますと、大原巡査長は、先月6日の夕方、千葉県松戸市内で17歳の少女に自分の警察手帳を見せたうえで、「未成年の売春について話を聞きたい」などと声をかけ、近くのホテルに連れ込んだとして、わいせつ目的の誘拐の疑いで逮捕されました。

 大原巡査長は、勤務を終えたあとの午後2時ごろから同僚とビールなどを飲み、電車で帰宅途中でしたが、手前の駅で下車していたということです。また、同じ時間帯に10代から20代の女性、合わせて4人にも警察手帳を見せて声をかけていたということです。

 警視庁は「警察官としてあるまじき言語道断の行為で、職員に対する指導を徹底し、再発防止につとめたい」とコメントしています。


そーす


11月に速報で流れてたニュースですが
懲戒免職は当然でしょうね…

なんでこんなアホなやつ減らないんですか?
公務系はニュースで名前晒されるの確定だし

真面目に勤務してる人が迷惑をうける