超空洞からの贈り物

様々なニュースや日常のレビューをメインに暗黒物質並に見つけ難い事を観測する、知識・興味・ムダ提供型共用ネタ帳です。

ソユーズ宇宙船の再突入事故、原因は電磁波干渉の可能性が浮上

2008年12月16日 20時18分41秒 | Weblog
ソユーズ宇宙船が2回連続で大気圏再突入に際して実行される降下モジュールと機械モジュールの分離作業に問題が発生した結果、降下モジュールの分離プロセスが正常に進まなかったソユーズ宇宙船は通常の大気圏再突入コースよりも深い角度で大気圏に突入する「弾道コース(ballistic mode)」で帰還するという不具合が生じていた問題に関連して、事故原因は電磁波干渉(Electromagnetic Interference)の可能性が高いことが米技術専門誌「IEEE Spectrum(IEEEスペクトラム)」に掲載されたロシア側による事故調査の課程をまとめた解説記事により明らかとなった。

 同誌によるとロシア宇宙局(Roskosmos)では、地上での調査の結果、ソユーズ宇宙船の降下モジュールと機械モジュールを接合している爆発ボルト(pyrobolt)に問題があったのではないかと推論。7月10日には宇宙空間で国際宇宙ステーションにドッキングしているソユーズ宇宙船の爆発ボルトを船外活動を実施して回収して、地上に持ち帰ることで、爆発ボルトに問題がないかどうか調査を実施。

 当初、ロシア宇宙局では爆発ボルトの欠陥は、単純な製造工程上に生じた不具合によるものと考えていたが、その後の調査により、爆発ボルトの欠陥はそういった単純なものではない可能性が浮上。現在は、爆発ボルトをX線断層撮影することにより、詳細な分析作業を進めている模様だ。

 原因究明にはまだ、時間がかかる見込みだが、同誌では今のところ、今回の事故原因としてもっとも可能性が高いのはEMIだと述べている。

 事故原因がEMIの可能性が強まってきたことを受けてロシアは既に10月に国際宇宙ステーションに到着したソユーズ宇宙船からEMIに対する耐性を増した新型の爆発ボルトを装備すると同時に、外部からのEMIに影響を受け難いように爆発ボルトの設置位置を変更した模様だ。

 画像はESAによるソユーズ宇宙船の構造図。問題の爆発ボルトは降下モジュール(Descendat module)と機械モジュール(Instrument module)を結合しているトラス構造部分の降下モジュール側の接合部分に用いられている。

最新の画像もっと見る