2008年5月12日に中国、四川省一帯を襲い8万人にも上る死者と500万人にも上る被災者を出した「四川大地震」の原因として震源地の近くある三峡ダムに蓄えられた膨大な貯水の重みが断層にひずみを与えたとする考えが中国国内の専門家の間で広まっていることが3日、英テレグラフ紙の報道により明らかとなった。
三峡ダムは1993年に着工した中国・長江中流域の三峡に建設中の世界最大級の大型重力式コンクリートダム。2004年からは貯水を開始し、2009年竣工に向けて最終段階に入っていたものとなる。
四川省成都地理院の范筱(Fan Xiao)主任技術者は、テレグラフ紙のインタビューに応じて「この地域は地震多発地帯となるが、この地域で過去にマグニチュード7以上の地震が発生したことはなく、マグニチュード7.9という地震規模や、その特徴からして四川大地震は過去に例がない特異な地震だった」とした上で「地震の原因としては複数考えられが、ダムの存在によって地震が誘発されたというのは考えられなくはない」と述べ四川大地震が建設中の三峡ダムによって引き起こされた可能性は排除できないとの見解を示した。
テレグラフ紙はまた、コロンビア大学・ラモント・ドハティー地球科学研究所のクリスチャン・クローズ(Christian Klose)博士の発言として「(四川大地震を引き起こした)龍門山断層は過去100万年に渡って大きな地震を引き起こしたことはなく、(2004年から貯水を開始した)三峡ダムの水の重みによって断層にひずみを引き起こしたことが、今回の地震につながったのではないかと」とする説も紹介している。
ダムの存在によって地震が誘発されるという考え方は昔からダム反対論者の間で指摘されてきたもので、必ずしも排除されるものではないが、四川大地震のような大地震の発生原因とダムの存在を結びつけることはかなり突飛な考え方に近く、これまで専門家の間でこうした考え方を真っ正面から取り上げることは少なかった。
テレグラフ紙の報道が、独断専行型の印象操作報道なのか、あるいは本当にダムの存在が四川大地震を引き起こす原因となったのか、三峡ダムの建設そのものが中国の国家プロジェクトとして進められているということもあり、今のところは外野の研究者が得られる情報は極めて限定されている。
三峡ダムは1993年に着工した中国・長江中流域の三峡に建設中の世界最大級の大型重力式コンクリートダム。2004年からは貯水を開始し、2009年竣工に向けて最終段階に入っていたものとなる。
四川省成都地理院の范筱(Fan Xiao)主任技術者は、テレグラフ紙のインタビューに応じて「この地域は地震多発地帯となるが、この地域で過去にマグニチュード7以上の地震が発生したことはなく、マグニチュード7.9という地震規模や、その特徴からして四川大地震は過去に例がない特異な地震だった」とした上で「地震の原因としては複数考えられが、ダムの存在によって地震が誘発されたというのは考えられなくはない」と述べ四川大地震が建設中の三峡ダムによって引き起こされた可能性は排除できないとの見解を示した。
テレグラフ紙はまた、コロンビア大学・ラモント・ドハティー地球科学研究所のクリスチャン・クローズ(Christian Klose)博士の発言として「(四川大地震を引き起こした)龍門山断層は過去100万年に渡って大きな地震を引き起こしたことはなく、(2004年から貯水を開始した)三峡ダムの水の重みによって断層にひずみを引き起こしたことが、今回の地震につながったのではないかと」とする説も紹介している。
ダムの存在によって地震が誘発されるという考え方は昔からダム反対論者の間で指摘されてきたもので、必ずしも排除されるものではないが、四川大地震のような大地震の発生原因とダムの存在を結びつけることはかなり突飛な考え方に近く、これまで専門家の間でこうした考え方を真っ正面から取り上げることは少なかった。
テレグラフ紙の報道が、独断専行型の印象操作報道なのか、あるいは本当にダムの存在が四川大地震を引き起こす原因となったのか、三峡ダムの建設そのものが中国の国家プロジェクトとして進められているということもあり、今のところは外野の研究者が得られる情報は極めて限定されている。