5月25日の火星着陸以来、5ヶ月超に渡って火星の土壌や大気などの科学探査活動を継続してきた火星探査機「フェニックス」が6月に観測活動開始した直後に、採取した土壌サンプルを「オーブン」と呼ばれている実験容器内になかなか投入するができなかったのは、オーブンのドア部分を製造した業者が指示とは異なる部品を納入し、また、観測機の開発を担当したアリゾナ大学側でも指示とは異なる部品であることを気づかずに部品の取り付けを行ったことに原因があったことが15日、英科学雑誌「ネイチャー」がまとめた「フェニックス」チームに対するインタービュー記事によって明らかとなった。
「フェニックス」チームによるとオーブンのドアの構造は直前に設計の変更が入ったのにも関わらず、部品の製造業者となるハニービー・ロボティックス(Honeybee Robotics)社は古い設計図に基づき部品を製造。また、「フェニックス」チーム側も送られてきた部品が古い設計図に基づいたものとは気づかずに部品の取り付けを行ってしまい、これが元で、結果的にオーブンドアがなかなか動かずにドアの上に載せられた土壌サンプルがなかなか、オーブン内に落下しない原因となってしまった模様だ。
「フェニックス」チームでは、こういう問題が起きてしまった原因として、観測機開発期限が迫っていたことを受けて、チームの内部で十分に検査する態勢が整っていなかった、と述べ、チームの能力に問題があったのではなく、開発のために十分な時間が与えられなかったことが原因とする見解を示している。
画像はNASAが公開した実際に土壌を投下したオーブンのドア部分の映像。ドアの上部に投下された土壌はドアを「パタパタ」動作させることによってドア内のオーブンに落下するはずだった。
「フェニックス」チームによるとオーブンのドアの構造は直前に設計の変更が入ったのにも関わらず、部品の製造業者となるハニービー・ロボティックス(Honeybee Robotics)社は古い設計図に基づき部品を製造。また、「フェニックス」チーム側も送られてきた部品が古い設計図に基づいたものとは気づかずに部品の取り付けを行ってしまい、これが元で、結果的にオーブンドアがなかなか動かずにドアの上に載せられた土壌サンプルがなかなか、オーブン内に落下しない原因となってしまった模様だ。
「フェニックス」チームでは、こういう問題が起きてしまった原因として、観測機開発期限が迫っていたことを受けて、チームの内部で十分に検査する態勢が整っていなかった、と述べ、チームの能力に問題があったのではなく、開発のために十分な時間が与えられなかったことが原因とする見解を示している。
画像はNASAが公開した実際に土壌を投下したオーブンのドア部分の映像。ドアの上部に投下された土壌はドアを「パタパタ」動作させることによってドア内のオーブンに落下するはずだった。