金属錯体からなる有機ナノチューブ
グリシルグリシンと脂肪酸が結合したペプチド脂質は、金属イオンへ配位することによって水中で自己集合し、金属錯体からなる有機ナノチューブを形成します。これまでは溶解度の制限によって少量しか製造できませんでしたが、200倍以上の量を5分の1以下の時間で製造できる新しい製造法を開発しました。
金属含有有機ナノチューブの大量製造法を開発
今回、ペプチド脂質をアルコールに懸濁(けんだく)させ、この懸濁液に金属塩水溶液を加えるだけで、金属錯体タイプ有機ナノチューブが形成することを見い出しました。アルコール懸濁後のペプチド脂質は板状構造ですが、金属塩を混合後、数分以内にナノチューブ構造へと変換します。
これまではペプチド脂質を水に溶解させるために、1当量のアルカリを加えた後、超音波照射と40 ℃程度の加熱が必要でした。しかも、20 mlに0.01 gという少量しか溶解することができませんでした。一方、今回開発した方法では、撹拌(かくはん)するだけでペプチド脂質を懸濁させることができるので、非常に簡便で低エネルギー消費の製造工程となります。また溶解度に制限されないため、製造量を飛躍的に増やすことができます。現在までに20 mlあたり2 gと、従来比200倍の製造量を達成しています。
大量製造が可能になった金属錯体タイプ有機ナノチューブは、ナノチューブ表面に多数の金属イオンが存在します。これまでに大量製造に成功した水酸基表面あるいはカルボキシル基表面をもつ有機ナノチューブに次ぐ、第3の大量製造可能な有機ナノチューブとなります。金属イオンとしては、カルボキシレートアニオン(-COO-)に結合しうるすべての金属イオンを用いることができると考えられます。現時点で製造に成功している金属イオンとしては、亜鉛、銅、コバルト、ニッケル、鉄、マグネシウムなどがあります。
グリシルグリシンと脂肪酸が結合したペプチド脂質は、金属イオンへ配位することによって水中で自己集合し、金属錯体からなる有機ナノチューブを形成します。これまでは溶解度の制限によって少量しか製造できませんでしたが、200倍以上の量を5分の1以下の時間で製造できる新しい製造法を開発しました。
金属含有有機ナノチューブの大量製造法を開発
今回、ペプチド脂質をアルコールに懸濁(けんだく)させ、この懸濁液に金属塩水溶液を加えるだけで、金属錯体タイプ有機ナノチューブが形成することを見い出しました。アルコール懸濁後のペプチド脂質は板状構造ですが、金属塩を混合後、数分以内にナノチューブ構造へと変換します。
これまではペプチド脂質を水に溶解させるために、1当量のアルカリを加えた後、超音波照射と40 ℃程度の加熱が必要でした。しかも、20 mlに0.01 gという少量しか溶解することができませんでした。一方、今回開発した方法では、撹拌(かくはん)するだけでペプチド脂質を懸濁させることができるので、非常に簡便で低エネルギー消費の製造工程となります。また溶解度に制限されないため、製造量を飛躍的に増やすことができます。現在までに20 mlあたり2 gと、従来比200倍の製造量を達成しています。
大量製造が可能になった金属錯体タイプ有機ナノチューブは、ナノチューブ表面に多数の金属イオンが存在します。これまでに大量製造に成功した水酸基表面あるいはカルボキシル基表面をもつ有機ナノチューブに次ぐ、第3の大量製造可能な有機ナノチューブとなります。金属イオンとしては、カルボキシレートアニオン(-COO-)に結合しうるすべての金属イオンを用いることができると考えられます。現時点で製造に成功している金属イオンとしては、亜鉛、銅、コバルト、ニッケル、鉄、マグネシウムなどがあります。