超空洞からの贈り物

様々なニュースや日常のレビューをメインに暗黒物質並に見つけ難い事を観測する、知識・興味・ムダ提供型共用ネタ帳です。

スーパーコンピューターで疾患の分子マニュアルを作製-治療法開発への貢献に期待

2009年01月16日 22時09分13秒 | Weblog
さまざまな疾患の原因となる組織特異的変化を集めた初の総覧(catalog)が、国際研究チームにより編集された。この情報は、心疾患、乳癌(がん)、自閉症およびパーキンソン病など多数の疾患の理解および治療の向上に役立つと思われる。

 ヒトの疾患は、特定の組織あるいは器官でのみ発生する多数の分子間の複雑な相互作用の結果生じるものであるため、完全に理解することが難しいという。「ヒトを対象にこのような相互作用を直接調べる実験を行うことは不可能であるため、疾患が生じる機序や、関与する分子および遺伝子について理解するには限界がある」と、筆頭著者の1人である米マサチューセッツ総合病院(ボストン)小児外科研究所のKasper Lage氏は述べている。

 同じく筆頭著者であるデンマーク工科大学(DTU、Lyngby)生物学的配列解析センターのNiclas Tue Hansen氏によると、今回の研究では、スーパーコンピューターを用いて、既に発表された数百万件の論文の知見に基づき、人体全体に広範な組織の生物学的プロセスのモデルを作成した。この方法により、ヒトを対象とした実験をせずに多数の疾患における分子の相互作用について幅広いマップを作成することができたという。この研究は米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」12月30日号に掲載された。

 「この知見は、多数のヒト疾患に関与する経路、遺伝子および蛋白(たんぱく)についての知識を進歩させる可能性を秘めており、重篤な疾患の優れた治療法の開発にも貢献すると思われる」と、共著者の1人で米ハーバード大学(ボストン)医学部教授のPatricia Donahoe博士は述べている。


最新の画像もっと見る