「Elysia chlorotica(ウミウシ)」に餌の藻「Vaucheria litorea」を与えると、何も食べずに1年ほどの寿命を全うして生き延びます。これは、光合成によって栄養を作り出しているためですが、そのために必要な葉緑素は単体でははたらきません。葉緑素のもつDNAは不完全なため、おおもとの植物細胞の核にあるDNAが必要になるからです。植物細胞をもたないウミウシがどのようにして葉緑素を機能させ続けているのかが大きな謎でした。
アメリカのメーン大学のMary Rumpho-Kennedy教授による最新の実験の結果、ウミウシのDNAの中に藻から取り込んだDNAが発見されました。この体内のDNAと葉緑素のDNAが組み合わさって、葉緑素が維持されているようです。
なぜこのようなことが可能なのかはいまだ不明ですが、ウミウシの性染色体の中にもこの藻のDNAが発見されたことで、葉緑素を維持する能力は遺伝している可能性も考えられるそうです。
このVaucheria litoreaという藻は、細胞が細長い形をしていますがウミウシはその細胞壁を食い破って、ストローのように葉緑素を吸い出すのだそうです。
-ウミウシの生態-
食性は、肉食から草食まで幅広い。裸鰓目には刺胞動物や海綿、コケムシ、群体性のホヤといった群体性の動物を餌にするものが多いが、中には魚の卵や他のウミウシを襲って食べるものも知られており、メリベ類は小型のエビのような、活動的な甲殻類を巧みに捕食する。一方アメフラシや嚢舌目に属するものはほとんどが草食で海藻などを食べる。
有毒な付着生物を食べることで、体内に毒を蓄積している種も多く、多くは食用には適さない。派手な色合いをしているものは、そのような点で警戒色ではないかと考えられている。一方で、派手な色は、熱帯のサンゴ礁などでは、隠蔽色としてはたらくとも言われる。コノハウミウシやヒカリウミウシは点滅する蛍光を放つ生物発光の能力がある。
特殊な性質として、裸鰓目のうち刺胞動物を捕食するミノウミウシの種の中に、餌の刺胞を体内に取り込み、それを背面に保存して、自分が敵から身を守るために使うものがある。これを盗刺胞という。また嚢舌目には、やや類似の現象であるが、海藻を餌とし、餌の葉緑体を自分の細胞内に取り込み、しばらく光合成をおこなわせるものがある。 ウミウシは雌雄同体であるが、受精は異個体間で交尾することで行われる。卵塊は渦巻き状。孵化した幼生はヴェリジャー幼生と呼ばれ、巻貝のような殻を持っている。ヴェリジャー幼生は浮遊生活をおくるが、やがて変態し、殻を失って底生の成体となる。
~総括~
DNAの取り込み→新たな進化の可能性→キメラアント!!w
新しい発見や仕組みが解明されていくのは、興味深いことですな。
雑学の部類に入るのだろうけど…
こうなると、動物と植物の境界がますます曖昧になっていくね。
実は、カラフルなウミウシはダイバーにも人気らしい。
そして、ウミウシを食した日本人がいるらしい…
昭和天皇。
さすがです。
アメリカのメーン大学のMary Rumpho-Kennedy教授による最新の実験の結果、ウミウシのDNAの中に藻から取り込んだDNAが発見されました。この体内のDNAと葉緑素のDNAが組み合わさって、葉緑素が維持されているようです。
なぜこのようなことが可能なのかはいまだ不明ですが、ウミウシの性染色体の中にもこの藻のDNAが発見されたことで、葉緑素を維持する能力は遺伝している可能性も考えられるそうです。
このVaucheria litoreaという藻は、細胞が細長い形をしていますがウミウシはその細胞壁を食い破って、ストローのように葉緑素を吸い出すのだそうです。
-ウミウシの生態-
食性は、肉食から草食まで幅広い。裸鰓目には刺胞動物や海綿、コケムシ、群体性のホヤといった群体性の動物を餌にするものが多いが、中には魚の卵や他のウミウシを襲って食べるものも知られており、メリベ類は小型のエビのような、活動的な甲殻類を巧みに捕食する。一方アメフラシや嚢舌目に属するものはほとんどが草食で海藻などを食べる。
有毒な付着生物を食べることで、体内に毒を蓄積している種も多く、多くは食用には適さない。派手な色合いをしているものは、そのような点で警戒色ではないかと考えられている。一方で、派手な色は、熱帯のサンゴ礁などでは、隠蔽色としてはたらくとも言われる。コノハウミウシやヒカリウミウシは点滅する蛍光を放つ生物発光の能力がある。
特殊な性質として、裸鰓目のうち刺胞動物を捕食するミノウミウシの種の中に、餌の刺胞を体内に取り込み、それを背面に保存して、自分が敵から身を守るために使うものがある。これを盗刺胞という。また嚢舌目には、やや類似の現象であるが、海藻を餌とし、餌の葉緑体を自分の細胞内に取り込み、しばらく光合成をおこなわせるものがある。 ウミウシは雌雄同体であるが、受精は異個体間で交尾することで行われる。卵塊は渦巻き状。孵化した幼生はヴェリジャー幼生と呼ばれ、巻貝のような殻を持っている。ヴェリジャー幼生は浮遊生活をおくるが、やがて変態し、殻を失って底生の成体となる。
~総括~
DNAの取り込み→新たな進化の可能性→キメラアント!!w
新しい発見や仕組みが解明されていくのは、興味深いことですな。
雑学の部類に入るのだろうけど…
こうなると、動物と植物の境界がますます曖昧になっていくね。
実は、カラフルなウミウシはダイバーにも人気らしい。
そして、ウミウシを食した日本人がいるらしい…
昭和天皇。
さすがです。