超空洞からの贈り物

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近未来型“計算知識エンジン”ウルフラムアルファの頭脳

2009年06月25日 07時11分17秒 | Weblog
「グーグルキラー現る!?」とネット上で話題になった検索エンジン“ウルフラムアルファ”www.wolframalpha.comが5月18日に正式公開され質問を打ち込むと答えを教えてくれる近未来的システム、といった前評判が立ち、映画『2001年宇宙の旅』に登場する人工知能HALを連想する声が多く聞かれた。現在は英語版のみで、日本ではなじみが薄いが、実際はどのような検索エンジンなのか。管理・運営する「ウルフラムリサーチ」社に話を聞いた。

「ウルフラムアルファはそもそも検索エンジンではないんです。新聞記事やブログ、個人のホームページなどを検索するわけではありません。弊社が蓄積したデータを使い計算を行ったり、答えを導いたりする“計算知識エンジン”なんです。例えば『ヨーロッパで3番目に大きな都市はどこですか』とか『時速10kmで30分間走ったらどのくらいのカロリーを消費しますか』と質問すると、その答えを地図やグラフも用いて表示します。逆に、『箱根で一番いい温泉は?』という主観的な質問には答えることができません」

では、大量のデータが蓄積されれば、『トラとライオンはどちらが強い』といった微妙な質問に答えるHALのような存在が生まれるのか? サーチエンジンや情報検索を研究する早稲田大学基幹理工学部の山名早人教授に可能性を聞いた。

「それには、複雑な自然文の意味を理解できる自然言語サーチの開発が必要でしょう。実用化は2020年ごろといわれています。加えて、人間の心理や不確実なことまで考慮して計算ができる高度なアルゴリズムが必要ですが、それはかなり先の話でしょう」

山名先生によると、未来の検索エンジンとして、日本語で英語やドイツ語のサイトを検索して、結果を日本語で表示してくれるようなシステムなども研究中なのだとか。また、画像をもとにネット上から類似の画像を検索するシステムの開発も進んでいる。10年後は、目的に応じて検索エンジンを使い分けているかもしれない。

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