ニシレモンザメの奇妙な妊娠プロセス

　イラストはニシレモンザメが母親の胎内で育つ様子をCGで描いたもの。12カ月の妊娠期間の半ばを迎えると、人間の胎児のように胎盤に付着したへその緒を通じて母親とつながるようになる。

　だが、胎盤が機能していない妊娠3カ月頃までは、卵黄嚢（らんおうのう）という栄養袋から栄養を摂取する。卵黄嚢の栄養が使い果たされると、破れた袋が子宮壁に定着して血管が壁に送り込まれ、以降は母親の循環系が栄養摂取に利用される。

　6カ月頃には、人間より1万倍も鋭敏な嗅覚が発達してくる。嗅覚以外にも、他の動物のかすかな電圧を感知できる電気センサーなどがしだいに発達し、成長したニシレモンザメは数十メートル先で他の魚がヒレを動かしても感知できるほどになる。