『スペクター』(芳文社)掲載 1990年代前半頃作品 全13ページ
ある年の初夏、主人公の少年は姉とおばあちゃんと共に、近くの小川に蛍を見に出かけた。少年にとってそれは初めてみる、幻想的な風景であった。「一緒に蛍を見るのもっこれが最後かもしれんなぁ」そう言っていたおばあちゃんは次の冬に亡くなった。
そしてまた、夏。お盆に帰ってきたご先祖様を送り返す行事、灯籠流しに姉と弟は出かけた。そこに蛍の明かりが、ひとつ。少年はそれを追いかけて、誰もいない河原にやってきてしまった。そこにまた、蛍がひとつ、またひとつ…。それはもう、まるで人魂のようであった。そして…。
作者がすっかり忘れていたショートホラー。自分でいうのも何だが案外、叙情的な作品である。
ある年の初夏、主人公の少年は姉とおばあちゃんと共に、近くの小川に蛍を見に出かけた。少年にとってそれは初めてみる、幻想的な風景であった。「一緒に蛍を見るのもっこれが最後かもしれんなぁ」そう言っていたおばあちゃんは次の冬に亡くなった。
そしてまた、夏。お盆に帰ってきたご先祖様を送り返す行事、灯籠流しに姉と弟は出かけた。そこに蛍の明かりが、ひとつ。少年はそれを追いかけて、誰もいない河原にやってきてしまった。そこにまた、蛍がひとつ、またひとつ…。それはもう、まるで人魂のようであった。そして…。
作者がすっかり忘れていたショートホラー。自分でいうのも何だが案外、叙情的な作品である。