毎年、あまりにも暑い時期にやるので、よく見に行ってるようでそれほどでもない、あきる野映画祭。
が、今年は2回も行って小津先生の『出来ごころ』、吉永小百合『北のカナリアたち』、地元・小林監督の『ちっぽけな流れから』、それにあの不朽の名作『砂の器』の4本を見ました。
『出来ごころ』は寅さんの原形のようなサイレント時代の喜劇で、澤登 翠の活弁付き。澤登さんの活弁はいろんなところでこの20年ぐらいに10回ぐらい聴いていますが、もはや名人としか言いようがなく、素晴らしかった。小津先生は友情をさらりと描くのがうまいですな~。
『北のカナリアたち』は冬景色が美しく、これだけ揃ったキャストの中で森山未来の演技が、雷ちゃんの『炎上』を彷彿させるほどうまかった!
『ちっぽけな流れから』には20年ほど前の、むかしの武蔵五日市駅がちょっとだけ出て来て、なつかしい気分になりました。
そして『砂の器』この作品はもちろん何度も見ていて、この映画祭で、それこそまだ先代の駅舎の頃の? 五日市映画祭時代にも上映しているはず。そのときは川俣キャメラマンがゲストで来られて、トークショーもありました。今はキララホールという、レコーディングにも使われるとう立派な会場でそれはとても快適なのですが、前回の上映時の、普通の体育館のようなところを暗幕だらけにしての上映が、なんだか無性に懐かしくおもいました。
そして『砂の器』。「和賀は父親に会いたかったんでしょうねぇ…」「そんなことは決まっている! いや、彼はいま…」と、マンガ『わし流 プロレス絵ンマ帳』でもパロディーにしたラストシーンの余韻のまま、会場の外に出ると、すっかり夜で、しかも雷雨でした。
ワシは自転車で来ていたので、それがおさまるまで1時間もひとり、雨宿りしていたのでした…。