夕方の銭湯は珍しくとても空いていた。
サウナには、驚くほどやせっぽっちな女の子が一人だけだった。
正確にいうと、彼女が驚くほどやせっぽっちだと気づいたのは、サウナを出た後だった。
なぜなら彼女は、その中でサウナスーツを着こみ顔にタオルを巻いて、一番角の上段で長い時間過ごしていたから。
先にサウナを出て広い湯船を独占していた私の目に映ったのは、サウナから出てスーツを脱ぐほとんど骨と皮だけの女の子だった。
何が彼女を追いつめるのか。
何にすがれば幸せなのか。
何度も何度もスーツを着こみ、サウナを行き来する女の子をのぼせながら夢現で眺める私の姿と、海の向こうの戦争をニュースで見ている私の姿のどこに、違いを見いだせばいいのだろう?
信じるものが救われる世の中ならば、とっくに皆幸せになっているはずなのに。
のぼせた頭じゃ到底答えなんて、見つからないけれど。。
サウナには、驚くほどやせっぽっちな女の子が一人だけだった。
正確にいうと、彼女が驚くほどやせっぽっちだと気づいたのは、サウナを出た後だった。
なぜなら彼女は、その中でサウナスーツを着こみ顔にタオルを巻いて、一番角の上段で長い時間過ごしていたから。
先にサウナを出て広い湯船を独占していた私の目に映ったのは、サウナから出てスーツを脱ぐほとんど骨と皮だけの女の子だった。
何が彼女を追いつめるのか。
何にすがれば幸せなのか。
何度も何度もスーツを着こみ、サウナを行き来する女の子をのぼせながら夢現で眺める私の姿と、海の向こうの戦争をニュースで見ている私の姿のどこに、違いを見いだせばいいのだろう?
信じるものが救われる世の中ならば、とっくに皆幸せになっているはずなのに。
のぼせた頭じゃ到底答えなんて、見つからないけれど。。