恋愛映画はあまり観ないのですが、
どうしても観たかった映画
【窮鼠はチーズの夢を見る】
ようやく観にいけました。
男とか女とか関係なく、まるで波のように打ち寄せ、引いても引いても戻ってしまう。
強い力で魅かれてゆく。
誰しも一度くらい経験したことのある、切ない程に狂おしい恋愛の、ジタバタもがいて晒した醜態を集めたような、思い出の吐きだめみたいな映画に、まさしく吐き気がするほど泣きたくなった。
あんなズルイひとに惚れたら負けだ、ってわかっていても止められない。
だってたったひとつの例外だから。
あんな嫉妬深くてストーカー気質のひとに魅かれる訳なんてない。
でもそれにだって例外はある。
スツール、灰皿、ジッポー、カーテン。
何を見ても今ヶ瀬を思い出す。
今ヶ瀬の濡れた目線。
恭一の移りゆく心。
強く儚い今ヶ瀬。
脆弱で希薄な恭一。
見逃していいシーンがひとつもない。
大倉忠義くんと成田凌くんの演技も素晴らしい。
苦しくって苦しくってそれでも幸せだと微笑む。
愛おしくて愛おしくって切ない。
映画を観ながらお菓子を食べる今ヶ瀬の髪を、恭一がそっと撫でるシーン。
たまらなかった。
少しずつ今ヶ瀬に心を寄せてゆくさまが、その小さなしぐさのひとつひとつでよくわかる。
強烈な想いに呑み込まれ過ぎて、感想がうまく書けません。
余韻に包まれてるだけで切なさがぶりかえすから。
それでも未来を感じさせるラストだったのが、小さな救い。
やばい。
もう今ヶ瀬が恋しくなっている。
叶わない恋なのにね。