ぼやきぼやかれ、ふりふられ。

映画や本や神社や展覧会。あとは日々のつれづれです。

狩野派の世界2021

2021-06-18 16:11:00 | 絵画・芸術・展覧会
静岡県立美術館で開催中の
「忘れられた江戸絵画史の本流
〜江戸狩野派の250年」
展に行ってきました。

室町時代から江戸末期まで400年に渡り画壇の中心に君臨し続けた絵師集団「狩野派」ですが、それについてどのくらい知っているか?と言われたら、有名な数人の名前が思いつくくらい。

そんな狩野派の江戸時代250年をその活動の広がりとともに楽しめる展覧会です。

奥絵師4家
表絵師12家
総勢80人の画家による112点の大展示!!

多くの屏風画はもちろん、
これほどの作品群を地方の美術館で堪能できるなんて!
静岡県立美術館と学芸員さんに感謝です。

同じモチーフを時代時代の絵師たちが描いていたり
少しずつその特徴に変化が見られたり、
ゆったりとした流れのようなものが感じられます。

地元、富士山や三保の松原を描いた作品も多数。
こういうのも、何だか嬉しいです。

作品の解説や狩野派の潮流についての解説も
とても細かくなされていて
嫌が応にも江戸狩野派というものが
みえてくるようでした。
同時に開催されていた
「江戸狩野派の古典学習〜その基盤と広がり」

もそのままの流れで楽しめます。
江戸狩野派の多彩なテクニックを駆使した
倣古図たちが並ぶ
見逃せない展示でした。

天気が良かったので
少し離れた駐車場に車をとめ、
森の小路を歩いて美術館へ向かいました。

ブロンズ作品を眺めながら歩く、
こういう時間も大好きです。

静岡県立美術館
狩野派の世界2021は
6/27(土)まで開催中です。








映画【生きろ 島田叡】観てきました

2021-06-04 20:32:00 | レビュー・映画・本
【生きろ島田叡】
敗戦濃厚だった1945年1月。
沖縄県知事としてその地に降り立った気骨の行政官、島田叡。
彼の生き様と、彼を通してみる沖縄戦の全貌に迫ったドキュメンタリー。

島田叡という人はもちろん、
沖縄戦のその壮絶な悲劇を
何も知らぬまま大人になって
過ごしてきたわたしは罪深い。

その歴史は
決して終わりゆくものではなく
継承してゆくべき真実なのに。
それを学び
どんな道を辿り
どんな未来を作るのか
決めるのは私たちなのに。

奇しくもこの春。
この戦争の歴史を消すまいと、
この悲劇をきちんと継承すべきだと、
活動を続ける少年の話を聞いた。
涙ながらに豪を掘り、遺骨を探し、
その地を踏みしめる少年の
意思の力に圧倒された。

私は
彼のようには生きられないけれど、
それでも学び、考え、学習し、
未来へのヒントを見つけることはできるだろう。

島田叡という男から。
沖縄という悲劇の地から。


静岡シネギャラリー。
だいすきなミニシアターで
とても勉強になる映画を観られました。
当たり前が当たり前じゃなくなった時代に、
安らげる場所が踏ん張ってくれているのは
とても嬉しいことです。


mini theater park ミニシアターパーク
のステッカーも買えました。
空もきれいでした。