かんちがい

、かも知れないけど、思いついたことを書いていく、ヤマサキタカシの日記です。

鳥とユングとインターネット

2021年08月05日 | Weblog
先月もあまりアニメは見ていませんでした。

昔のアニメなどはちらほら見ていましたが、ここのところは暴露系の生配信ユーチューバーのアーカイブや切り抜き動画をダラダラと見ていることが多かったです。

私の知らなかったネットの側面も多く、ネットって怖いなぁと思いながらも、ついつい見てしまいます。



そんな中ふと、ユング心理学者の河合隼雄先生が昔話「ヘンゼルとグレーテル」について書いていたことを思い出しました。

兄妹は帰り道が後でわかるようにパンくずを落としていくわけですが、それを鳥が食べてしまい、森の中で迷ってしまうというシーン。

これについての考察が、鳥(の群れ)はユング心理学では「集団心理」と解釈することがあり、民衆により人は道を惑わされてしまうことが時折ある、みたいなことが書かれていたと記憶しています。

集団心理の権化というようなSNSの代表格であるTwitterは、鳥のさえずりという意味があるらしいですし、「鳥」がモチーフにされているというのも興味深いなぁとその時思ったのでした。





そしてふと、そういえば「鳥」っていう映画があったよなぁ、と思い出したのでした。

アルフレッド・ヒッチコック監督の1963年の映画ですね。

子供のときに、父親がビデオで見ていた脇で一緒に見たような気がしますが、襲ってくるのが"地球外生命体"とかではなくて、ただの「鳥」であるという地味さや、銃でバババババとか派手な戦闘シーンもないので、キッズの心の琴線には響かなかったようであまり覚えていません。

そこで、上述の考察なども踏まえて、改めて見返してみることにしました。

鳥=匿名のネット民、と解釈して観ると、これはもう、ネットの炎上によって人々が苦しんでいる様を描いているようにしか見えなくなってきます。


© 1963 Universal Studios

当時のヒッチコック監督なりに、新聞などのマスメディアなのかどうか、「鳥」をイメージさせたものがあったのだとは思いますが、ネットの普及した現在に見ると、驚くほどカッチリとピースのハマるような映画だと思いました。


オリンピックなど最近のネットでの騒動を見ていると、事実関係を私はよく知らないので、該当者たちのやったとされる事柄が擁護できることなのかどうかはここでは述べませんが、ちょっとモヤっとしたものを感じます。


ネタバレになってしまいますが、この映画の結末は特に解決策が提示されるわけでもなく唐突に終わるのですが、まさにそのようなモヤっとした感じで、それもまた現在のネット社会を表しているような気がしてならないのでした。



最後まで読んでくださりありがとうございました!