かんちがい

、かも知れないけど、思いついたことを書いていく、ヤマサキタカシの日記です。

5.先生に希望を伝える

2017年04月23日 | 舌がん治療
CTを撮った後、その結果をふまえてもう一度入院前に診察を受けることになっていました。
そこで手術を受けない、ということを伝えることにしました。
念のため証人じゃないですけど母にもついてきてもらうことにしました。

一字一句を覚えてはいませんが、会話としては下記のような感じだったでしょうか。
文字で書くとスラスラしゃべっているようですけど、私は基本口下手なのと、めちゃめちゃビビっていたので、実際にはしどろもどろな感じだったと思います。


先生「CTの結果でも、転移はしていませんでした。良かったですね。」

私「はぁ、ありがとうございます。」

先生「では、○日から入院ということで、」

私「そのことなんですが、」

先生「はい」

私「しゃべりづらくなるということに抵抗があるので、手術はしないで、経過観察ということにしていただきたいのですが…」

先生「えっ…(しばし絶句)…(怒り気味に)それはどういう理由からですか?」

私「趣味で歌ったりするので、しゃべりづらくなるのはちょっと…あと、健康診断の結果などの数値も悪い箇所が多いので、まだ自分自身で努力できるところもあるんじゃないかと…」

先生「しゃべりづらくなると言っても、ほとんど変わりませんよ」

私(え?)

先生「手術をしないと死ぬかもしれないんですよ!癌がひどくなって死ぬことになっても大丈夫なんですか?」

私(どう答えろと…)「大丈夫…だと思います」
(でも、上皮内癌はほとんど転移しないって言ってなかったか?あと切っても癌が見つからない可能性もあるとも言ってたよね?)

先生「お母さんはどうなんですか?息子さんが手術しないでもいいんですか?」

母「私は手術して欲しいと思いますけど…自分で決めたようですから、それを応援しようかと」

先生「うーん」


と、1年前のことなのでかなり省略したところもあると思いますが、だいたいは上のような会話が繰り広げられたのち、最後には先生の方が折れてくださいました。

本の体験記を読んでいると、私のやり方に従えないのならもう来なくていい、とか言う医者もいるらしくて、実際そう言われる覚悟もしていました。

が、心配なのでちゃんと1ヶ月ごとに診せに来てください、と言われ、説明には納得いかないところもあったけど、基本的には誠実な先生だったんだたなぁ、と感じました。


というわけで、経過観察の日々が始まることになりました。



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4.リサーチを始める

2017年04月16日 | 舌がん治療
私は、プロフィール写真でもお分かりかと思いますが、趣味で音楽をやっています。
歌も歌うので、手術で切除した後にしゃべりづらくなってしまう、というのはかなりショックなことでした。

というわけで、図書館やインターネットなどで慌てて舌がんについてリサーチを始めました。

免疫力の本や、がん放置の本、その反論本、インターネットでは治療体験記やその他の治療法についてリサーチをすすめました。
舌がんの人口はその他のがんに比べて少ないようで、本の中では扱いが小さかったりしましたが、それでもそれなりに情報は集めることができました。

その結果、分かってきたのは、

・舌がんの治療法としては、手術の他にも、放射線の小線源治療や、動注化学療法など、温存する治療も存在すること。

・体験記によると、手術で切除した場合、他人が聞く分にはそれほど違和感のないくらいまで滑舌は回復するが、本人自身の違和感は残ってしまうこと。

・がん治療というのは、絶対これをすれば治る、というものは残念ながら今のところ存在しない。どの治療を選ぶかは、宗教を選ぶようなもので、各個人がこれ、と思うものを選ぶしかない。

・どんな治療を選ぶにしても、流されずに自分で考えて自分で治療法を決定した前向きな人は、良い結果になることが多いようだ。

ということなどが分かってきました。


また、私自身として、がんについて以下のような考えをまとめるに至りました。
※私は医療関係者ではありません。何の医学的根拠もありません。

体のメカニズムは分かりづらいので、自分の体を一つの「会社」として考えてみます。
私という自我が「経営者」で、各細胞が「社員」ということになります。

普段は真面目に働いてくれている社員たちですが、とある要因から、サボってはいないものの、経営者の言うことを聞かずにトンチンカンな仕事ばかりする不良社員が出てきます。これががん細胞ということになります。

そのような社員が増えてしまうと、会社が潰れてしまうことにもなりかねないので、経営者としては何らかの対策を取らなくてはなりません。

そのような社員をクビにしてしまうのが手術、外部からコンサルタントを呼んで経営を立て直してもらうのが放射線なり抗がん剤、放っておいて自然と真面目に働いてもらえるようになるのを待つのが放置、ということになるでしょうか。

しかし、そのような事態を引き起こしてしまったのは、必ずしも社員のせいだけとは限らず、経営者にもそれなりの原因があるはずです。

競争企業からの圧力に対処できていない(ストレス)、危険な事業に手を出している(タバコ・酒)、あからさまに経営者が仕事をしていない(運動不足)など、経営者にも不良社員を生み出す原因はあったはずです。

経営者自身が反省したことを示し、良好な経営を目指すという、社員と対話していく道もあるのではないか。

そう思った私は、生活習慣を見直し、健康な体づくりを目指すことによって、がんが失くなることを目指すことにしました。考え方としては免疫力向上の考え方に近いんでしょうか。
毎年の健康診断では肝臓も腎臓も値が悪く、BMIも”肥満”になってしまっていたので、手術の前に改善する余地はまだまだあると思ったのです。

というわけで、とりあえず手術は断ることにしました。


※最後にもう一度書いておきますが、上記のことには医学的根拠はありません。また、私は1年後には放射線の小線源治療を受けていますので、身をもって実証したわけでもございません。この時はこのように考えていた、ということを書かせていただきました。


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3.手術を勧められる

2017年04月11日 | 舌がん治療
耳鼻咽喉科のがん専門の先生の予約の日には、両親を伴って行きました。2016年4月28日のことです。

その時の患部についてのもう少し詳しい説明があり、ベロの裏の右側手前部分に少し硬くなっているところがあり、それががんと思われること。大きさとしては5ミリくらい。上皮内癌という転移しづらいがんなので、安心して大丈夫だということ。ステージとしては1であること。
(この「上皮内癌」という診断については、後で一悶着(というと大げさですが)ありました。)

触診の感じではリンパへの転移はしていないようであるが、CTを撮って確認しましょうとのこと。

治療としては、抗がん剤を使うにはまだ早く、放射線をあててもあまり効果がないので、手術による切除を行いましょうとのこと。

現在白板症になっている部分は全て切り取ったほうがいいので、全身麻酔をかけ、幅3センチの長さ5センチくらいに渡って厚さ1センチで切り取り、そのあとを丸めてくっつける感じで縫い合わせること。

もしかしたら手術後に切り取ったものを調べた時に、がんが見つからない可能性もあるが、早いうちにしっかり切り取ってしまった方が安心であること。

しかし、舌を切ったその痕が元に戻るということはないので、しゃべりにくくなってしまう後遺症は残ってしまうこと。

いずれにしても早く手術した方が良いので、入院できるように2週間後あたりの日程を押さえておきますが、CTを撮り、1週間後あたりにもう一度来ていただいて、その結果を元に最終的に判断しましょう、ということ。


自分としては、この時に頭が真っ白になったかもしれません。

前回、がんと分かって少しホッとした、というようなことを書きましたが、「何?しゃべりづらくなる?全身麻酔?マジか!」と、ようやくホッとしている場合などではないことに気づきました(苦笑)

なんでオレは癌なんかになっちゃったんだ、チキショー!! と、ようやく感じ始めたのでした。
コメント (2)
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2.がんと言われて思ったこと

2017年04月01日 | 舌がん治療
「悪性の腫瘍がありますが、まだ初期の段階です。早めに見つかってよかったですね」ということを言われ、耳鼻咽喉科のがん専門の先生が別にいるとのことで、その予約を取り、その日は帰りました。

よく、がんと言われて頭が真っ白になった、という話を聞きますが、私の場合は、初期ということもあり、そういう感じはありませんでした。
もともと白板症が前がん段階ということで、少しは心の準備もできていたのかもしれません。


むしろ、実はちょっとホッとしたところもあったと思います。

以前は週6日で仕事をしていたのですが、かなりキツく、精神的にも体力的にも追い詰められたように感じられたので、その1年ほど前に辞めていました。
心情的には、下の曲のような感じでした。

リビングゾンビ


かといって、眠れないとか、食欲がないとかの本格的なうつ病の症状が出る訳でもなく、やっぱ自分はヤワだっただけなのかなぁ、もうちょっと辛抱できたのかなぁ、というやましい気持ちもありました。

しかし、今回自分はがんだったということで、あれ以上頑張らなくて正解だったんだ、というお墨付き?をもらったような気になったのでした。


ただし、自分の生活習慣にも何かしら問題があったのだろうということは反省しようと思っています。

がんの原因となるものが完全に解明されているわけではありませんが、現在ほぼ確実にがんリスクが高くなると言われているのは、ストレス、タバコ、お酒でしょうか。

ストレスは仕事を辞めて週4日の残業のない仕事に就くことができたので、とりあえずはクリア。

タバコはもともと吸わないのですが、前の職場は分煙されていなかったので、下手な喫煙者より煙を吸い込んでいたのではと思うほどですが、現在の職場は分煙されているのでこれもクリア。

お酒は結構好きで、休日には昼からビールを飲んだりしていましたが、健康診断で肝臓がD判定(要精密検査)を受けてしまったので、告知前の半年ほどは、昼ビールはやめ、週2日の休肝日を設けるようにはしていました。

量を減らせば少しは飲んでも大丈夫なのかもしれませんが、自分をコントロールすることに自信がないので、そのがんと分かった日からお酒は一滴も飲んでいません。

今回、がんと分かってから1年ほど経ってからようやく治療に踏み切ったのですが、再発で一番多いのが2年ということで、とりあえずあと2年は頑張ろうかなと思っています。

でもやっぱり、もう死ぬまで飲まない方がいいのかなぁ。自信は全くないけど。


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