昨年の夏ごろ、最後の晩餐×ペンギンの巨大壁画でお世話になったサンコーインダストリー株式会社さんから、新しく食堂をつくるのでその入口に横3メートル×縦1.5メートルほどの絵をまた描いてほしいと連絡をいただきました。
「食堂やったらこっちのほうが最後の晩餐×ペンギンでよかったんとちゃうん?」と心では思いましたが、大人なので声には出さず(笑)秋ごろに現場に打ち合わせに行きました。
場所は壁画「最後の晩餐×ペンギン」の隣の建物でビルの7階。窓が多くて明るく、とても見晴らしがいい食堂でした。その入り口に横一列の手洗い場があり、その上の壁面に描くとのことでした。
「なんで手洗い場の上が鏡じゃないんやろう」と心では思いましたが、大人なので声には出さず(こればっかり笑)何を描くか社員さんや関係者で相談しました。
私の心の中の悪魔の声は「横長なので風神雷神図とか北斎の沖浪裏と赤富士がいいよな~楽で、すぐ描けるし~♪」とささやきますが、社長が「ルソー夢×ペンギンがいいんとちがう?」の一言!
「まじ!?あれ細かいし描くの大変なんですよ~」とたぶんこれは口に出したはず。大人なのに(笑)
ここの社長さんが好きな絵だとは知っていたので予感はありました。こういういやな予感は当たるものです。
でもこの壁画の件の担当社員Kさんが、「ルソーのあの絵は緑が多くていいですよね。この食堂に社員のために観葉植物を置かないといけないと思っていたので、絵が代わりになってくれるから助かります」と言いました。
ここに集う社員さんの目を、心を、なごませて、昼休みや休憩時間を気持ちよく過ごしてもらうために描く!
なんてすばらしいことなんでしょう。
で、そのKさんが続けて言うには「ほんとはユニコーンの周りにペンギンがいる絵がいいと思ってはいたんですけどね」
それってこの↓↓「囚われの一角獣」クロイスターズ美術館所蔵×ペンギンのこと⁉︎
顔面蒼白になりました。
この絵は無理!絶対に再現は無理!
この絵に比べたらまだ「ルソー夢×ペンギン」は楽に再現できる。
このユニコーンの絵は植物が細かいなんてもんじゃなく、しかもたくさんある。描くのに1年ぐらいかかる。いつまでたっても終わらない。きっと死ぬ!
これらも心の声だけど、顔には出ていたはず。
ということで、「ルソー夢×ペンギン」を描くことを気持ちよくお引き受けしたのでした(爆笑)
つづく
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