私は本は好きですが、読書家ではありません。新聞の書評欄や広告を見て、これはと思うのを購入します。そしてすぐには全部読まないで途中で止めてしまうことが多いのです。そのようにして本はどんどん増えていきます。気候もだいぶよくなってきましたので、以前に購入した本をひっぱりだしてまた読み出しました。出久根達郎さんの「短編集 半分コ」(三月書房)です。本の内容はもちろん良いのですが、本そのものの作りも丁寧です。小さな本ですがクロス張りのハードな表紙、背は丸くて金文字でタイトルがあります。紙張りの函に入っていて、製本されている方の職人気質を感じます。皆さんもぜひ。
今日は九月九日、重陽の節句です。三月の雛祭り、桃の節句や五月の端午の節句にくらべると少し寂しいですが。陰陽思想では奇数は陽とされ、一桁の数字で最大の九が重なるので吉祥とされるそうです。観世流の能で「菊慈童」というのがあります。不老不死の少年と皇帝の使いが織りなす物語です。TVでしか見たことがないのですが、秋にふさわしい演目ですね。いつか本当の能舞台で見たいものです。数百年も生きた「童」ですよ。
消費税が10%になるのは確定ですが、その時に生鮮食料品などを8%にする軽減税率を、自民党の麻生財務相が「税率がいろいろあるのは面倒」と言ったそうです。この人はときどき、その発言が問題になることがありますが、これはいただけません。与党の公明党も早くから消費税を10%にするときは、軽減税率の導入を主張していました。このことは自民党との間でも合意されていたと思うのですが、面倒だという理由でやめるのはいかがなものかと思います。安全保障関連法案に対する反対の声も日増しに大きくなっています。こんなことでは来年の参議院選挙はもう結果が見えてきました。