もともとは、「叫び」しか知らず、しかもその叫びも何パターンもあるって知らないくらいに、知らない事だらけのムンクだったので。
関西に巡回来ないし、せっかくだから、と行ってきました。
やっぱりすごい人出だと聞いていたので、素敵な金曜日の夜に(笑)行くことに。
それでも入場に少し並びました〜。
意外だなぁと思うくらいに、しっかりとした線と面白い構図の絵もあって、例えば「疾駆する馬」とか、「太陽」の暖かく力強い印象とか、うわ、これ 好き!って思ったけど。
全体的にはやっぱり、何というか ちょっとおどろおどろしい雰囲気のが多かったです。
隣で観てた夫婦は、奥さんが「なんかちょっと気分悪くなってきた」って言ってて、うん、分かる…って思った(笑)
表情が描かれない顔が多いからかなぁ。
女性が苦手というか、手酷く裏切られた経験からくるような嫌悪や怨恨がベースにある、コミュ障的な印象を受けた
接吻とか、2人の顔が溶け合ってるのが、「蕩けてしまうくらいにロマンティック〜」と感じるより、ディメンターみたいな、お互いの情念がお互いを喰らうような どす暗い、人の負の欲望みたいなものを感じてしまって(笑)
クリムトの接吻を思い出した。
で、私は同じテーマでも、クリムトのほうが好きだなあと思う。
ムンクは同じテーマやアイコンを繰り返し描いてたけど、私は唯一、湖に映る「i」に似た月の光、は好きだった。
何度も同じものを描くのは、精神症状の一つかもしれないけど。
若い女性から年老いた女性、髪が長く 顔の見えない女性。
たくさん女性を描いてるけど、やっぱりムンクは女性に対して 満たされないものを抱いてたんじゃないかなぁと思ってしまう。
あ、でも、「ブローチ、エヴァ・ムドッチ」は、ちょっと悪女的な妖艶な表情が好き。
「マドンナ」の、とりわけ胎児が描かれたバージョンは、苦手…
胎児の恨めしそうな表情がリアルで(笑)
「星月夜」は、ゴッホの星月夜に似てるとも思った。
でも雪があるので、そこはノルウェーらしい違いというか。
総じてまぁ、私の好みの画家では無い、というのが確認出来て良かったです(笑)
ただ、中でもやっぱり「叫び」は良いなと思いました。
ムンクがどういう気持ちだったのか、ぴったりとハマる気持ちは私には探せなかったけど、でも、綺麗だ、と思った。
なかなか観ることが出来ないから、行くことが出来て嬉しかったです
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